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【アークナイツ】シナリオ翻訳 ストーリー6章11話「こうざま」

エーン、エーン…

お腹すいたよ!

パパは?パパは何処に行ったの?

パパがいないとだめなの…パパは!パパは!

パパを連れてきてよ!

グレイスロート
グレイスロート

…!

グレイスロート
グレイスロート

子供?

グレイスロート
グレイスロート

こちらBlaze-4、Amiya-1小隊に通達、スラム街40区10号にある廃墟の建物の中で生存している子供を発見、感染者です。

???
子供

エーン、エーン…

グレイスロート
グレイスロート

…こんにちは。

???
子供

あ、あなたは誰?

???
子供

龍門人?

グレイスロート
グレイスロート

…私はあなたを傷つけはしないわ。ウルサス語はあまり得意じゃないけど。あなたの敵じゃないよ。

???
子供

何を言ってるの?

グレイスロート
グレイスロート

私と一緒に来て、ここは混乱しているわ。

???
子供

おじさんがここにいろって行ってたから、動いちゃいけないんだ…。

グレイスロート
グレイスロート

…でも私ならあなたを連れてお父さんを探すことが出来るわよ。

???
子供

本当に?

グレイスロート
グレイスロート

本当よ。

グレイスロート
グレイスロート

私の後ろで待ち伏せしている人、出てきなさい。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

お前は…。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

お前はあいつらじゃないのか。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

お前は…お前はロドスか?

グレイスロート
グレイスロート

ぼうや、後ろに下がって。こっちに来ちゃだめよ。

グレイスロート
グレイスロート

武器を捨てなさい、捕縛するわ。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

え?

レユニオン構成員
レユニオン構成員

俺たちを手伝いに来たんじゃないのか?

レユニオン構成員
レユニオン構成員

ロドス!お前たちはここに何が潜んでいるのか分かっているのか?

レユニオン構成員
レユニオン構成員

俺たちはせっかく待ち伏せをしていたのに…あいつらは誘い出せず、あいつらを殺せなかった、俺たちは殺されるんだよ!

グレイスロート
グレイスロート

子供を待ち伏せの餌にするくらいなら殺されたほうが良いわ。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

…何を考えているんだ?俺たちが殺されれば解決すると思っているのか?

レユニオン構成員
レユニオン構成員

例え俺たちが殺されたとしても、あいつは子供を見逃しはしない。あいつらは誰も見逃しはしないんだぞ!

レユニオン構成員
レユニオン構成員

そんな簡単に事が終わるのであれば、俺達は喜んで殺されてやるし、子供を餌としても扱わねえよ!

レユニオン構成員
レユニオン構成員

俺たちはお前を攻撃しなかっただろ!

グレイスロート
グレイスロート

誰がそんなことを…まさか黒い雨衣を着た人なの?

レユニオン構成員
レユニオン構成員

あいつらに会ったことがあるなら、どうして分からねえんだ!あいつらは皆殺しにするつもりなんだぞ!

グレイスロート
グレイスロート

それって言い訳じゃないの。とにかくあんたを制圧した後、私はあんたの保護を要請するわ。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

誰がお前を信じる?お前の矢に射抜かれて人がもう死んでるんだぞ。何を保護するっていうんだ?

グレイスロート
グレイスロート

あんた達の命は守るわ。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

ほっといてくれよ、まずはあの女をどうにかして、俺達はもう一回やり直すからな!

レユニオン構成員
レユニオン構成員

集合命令と撤退命令が聞こえていたのに、このままここで死んだら、子供を守るために死んだ両親に申し訳が立たねえ。あいつらは俺達の仲間だったんだ!

グレイスロート
グレイスロート

…ぼうや、遠くに隠れて!

グレイスロート
グレイスロート

ぐ…

グレイスロート
グレイスロート

私、行きてる?

???
???

いいや、あなたは死んだほうが良いと思ったの?

グレイスロート
グレイスロート

ブレイズオペレーター?

ブレイズ
ブレイズ

あなたが死んでも、あのことはこの地上から消えることはない。なら生きていたほうが良いでしょ。

グレイスロート
グレイスロート

あの…レユニオンは?子供達は?

ブレイズ
ブレイズ

…。

ブレイズ
ブレイズ

オペレーターグレイスロー、あなたのこと誤解していたみたい、ごめんなさい。

グレイスロート
グレイスロート

子供は!

ブレイズ
ブレイズ

レユニオンは始末した!子供は隠しておいた!あなたは私の話をよく聞かないんだね!

グレイスロート
グレイスロート

必要無かったのに…子供が安全ならそれで良かったのに。

ブレイズ
ブレイズ

…あなたが他の人にとても怒るなんて何かあったの?

グレイスロート
グレイスロート

あんたは私を何と誤解しているのよ?

ブレイズ
ブレイズ

あなたが感染者である子どもたちのために必死に戦っている姿を見たんだ。わあ、いい女になったなって。

グレイスロート
グレイスロート

あんたって話すの下手くそね。

ブレイズ
ブレイズ

私は情緒的に勝手に話すからね。以前のあなたは血も涙もない非感染者だと思っていて、ロドスに入ったのも情報を探るためだと思っていたけど、私はあなたを誤解していたみたい。

グレイスロート
グレイスロート

もし私がスパイだったら、私はこうこう方法であんたを信頼させるでしょうけどね。まああんたが馬鹿では無い限り、私は血を流して死ぬことになるだろうけど…。

グレイスロート
グレイスロート

包帯を巻いてくれたの?

ブレイズ
ブレイズ

私はエリートオペレーターだからね、こういうのも私がすべきことだから。

ブレイズ
ブレイズ

あなたの話は正しいかもしれない。

ブレイズ
ブレイズ

あなたがスパイだと分かっても…あなたが正しいことをしたことに変わりはない。あなたがスパイだったら、私は先にあなたを救って法務部に送り飛ばすけど。

グレイスロート
グレイスロート

私は逃げるかもしれないけどね

ブレイズ
ブレイズ

あるものないものばかり考えてだめだよ。どうして私を追い越すことが出来ると思うの?

ブレイズ
ブレイズ

信頼っていうのは防犯的な意味じゃない。信頼はあなたが何を出来るのか知って、何が出来ないのか知るっていうこと。

ブレイズ
ブレイズ

あなたがしたことは正しいし、私はそれを支持する。あなたが間違ったことをすれば私はそれを正して、やめさせたい。それが信じるってことじゃないかな。

ブレイズ
ブレイズ

ありがとう、グレイスロート。私を信じてくれて。あなたの行動が私の考えを正してくれた。

ブレイズ
ブレイズ

ごめんなさい。

グレイスロート
グレイスロート

ブレイズ
ブレイズ

でも、あなたの勧告の仕方は良いものじゃない。彼らは片隅で頑固に抵抗しようとしているんじゃなくて、これは生きるための表現なんだ。

ブレイズ
ブレイズ

何かあれば、やっぱりあなたは法務部に行くべきだ。

グレイスロート
グレイスロート

勝手にして。

プレイヤー
プレイヤー

・悪くないみたいだな!

・…

・彼女たちの関係は少しは良くなった?

アーミヤ
アーミヤ

たぶん…少なくともブレイズはそうですね。彼女がこんなにも早く先入観を捨てて事実を話し合うことが出来たなんて。

アーミヤ
アーミヤ

ロドスのエリートオペレーターは優れた戦闘能力を持つだけではありません。ブレイズはグループに溶け込み、他人とのコミュニケーションも流動性も、非常に上手です。ただ彼女も自身の立場を持っていた。

アーミヤ
アーミヤ

彼女をうまく指揮したいのであれば、彼女の支持を得るべきですし、信頼も得るべきですし、どうやって彼女を信頼するかも学ぶべきでしょう。

アーミヤ
アーミヤ

私はブレイズと長い間共に戦ってきました。私は…ドクターも試してみてほしいです。

プレイヤー
プレイヤー

・私は大丈夫だ

・…

・それには彼女の協力も必要だ。

アーミヤ
アーミヤ

まだ足りないのではないでしょうか?

アーミヤ
アーミヤ

表面上は彼女は大雑把ですが、ブレイズの内面はとても複雑です。

アーミヤ
アーミヤ

もう少しの時間を経て、いろんなことを経験すればDr.◯◯◯もそうなれると思います。

アーミヤ
アーミヤ

なのでもう少しだけ頑張って下さい!

アーミヤ
アーミヤ

今は…

アーミヤ
アーミヤ

オペレーター達がロドスのいくつかの命令に合理的に従っているのは往々にして責任感からであり、信頼からによるものではありません。

アーミヤ
アーミヤ

真の信頼は理解の上に成り立つのです。ブレイズが今グレイスロートを信じ始めたように…。

アーミヤ
アーミヤ

あ…

アーミヤ
アーミヤ

ここで敵の動きがまとまっているようですね。

アーミヤ
アーミヤ

私達はもっとブレイズに謝る場所を作ってあげましょう。こういうことに関して彼女は口下手ですので。

プレイヤー
プレイヤー

・彼女たちにはもっと時間をあげないとな!
・…
・彼女って口下手なのか?

アーミヤ
アーミヤ

ええ。

アーミヤ
アーミヤ

話が上手くても、感情表現は得意ではありません。

アーミヤ
アーミヤ

事実、ブレイズは時間を掛けてグレイスロートに謝ることもなく、むしろ彼女は対抗意識の中で他者に対して誤解をしており、更には根強い偏見も持っています。

アーミヤ
アーミヤ

一般人だけが感染者に偏見を持っているわけではないのです…感染者も一般人に対して持っています。

アーミヤ
アーミヤ

内在する敵と外在する敵というのはどちらも敵なんです。

プレイヤー
プレイヤー

・私達は全ての敵に打ち勝たなければ。

アーミヤ
アーミヤ

…そうですね。

アーミヤ
アーミヤ

そうです。

アーミヤ
アーミヤ

先程のレユニオンの目は恐怖に満ちていました。

アーミヤ
アーミヤ

私達と近衛局は彼らをあそこまで驚かせるためではなく、言うまでも無く彼らに彼ら本来の主張を破らせることを強制するためでもありません。

アーミヤ
アーミヤ

彼らはどのような敵と出会ったのか…一体何が彼らをこのようにしてしまったのでしょうか?

アーミヤ
アーミヤ

私達は…その人達の敵になるのでしょうか?

(戦闘)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

(くっ、がっ…!はあ、はあ…)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

(…策にハマっただと?!さっきの攻撃はフェイントだったのか?)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

(さらにはあの女、私の隊列を切り分けて全体の戦力を失わせるとは…)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

(まずい、すぐにあいつらに連絡をしなければ!)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

(くそ、どうして指が動かないんだ?どうして私は震えているんだ!)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

(くそ…あいつに追いつかれてはいけない!)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

ぐあ、ごほっ!

???
???

(低い唸り声)

???
???

レッド、彼女は殺すな。

???
???

…。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

ごほ、ごほ…!ぐっ!

???
???

彼女か?

レッド
レッド

間違いない。赤い臭いがする

レッド
レッド

(クンクン)

レッド
レッド

だめ、偽物、こいつは狼じゃない。

レッド
レッド

この臭い、本当の狼。本当の狼は初めて。

???
???

本当の狼?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

この…畜生が!

レッド
レッド

動くな。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

ぐっ、何故…?力が出せないんだ?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

こいつが…こいつが私を抑えている?

レッド
レッド

彼女はまだ力を出すつもり。狼の技だ。彼女は狼から咬み付きを学んだことがある。

レッド
レッド

彼女は反撃するつもり。レッド、彼女の脊髄を刺して、麻痺させる。

ケルシー
ケルシー

必要ない

レッド
レッド

うん。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

待て。お前…。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…お前。お前は。やっとお前を見つけたぞ…!

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

裏切り者…裏切り者め。見つけただぞ、裏切り者!

ケルシー
ケルシー

お前は…。

ケルシー
ケルシー

イベリアの娘のリュドミラか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

黙れ!お前がどうして私の父の名前を口にする!

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

研究所と研究者の全てはウルサスによって口減らしされたんだぞ。

ケルシー
ケルシー

お前はそう思っているのか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

よくもそんなことが言えたものだな?!

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

お前のせいだ、お前という卑劣な裏切り者はセルゲイと一緒に私の父を裏切ったんだ、他の科学者の全てを売ったんだ!

ケルシー
ケルシー

ケルシー
ケルシー

お前の髪の色はお前の父にそっくりだ。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…何を言っている?お前は何を…。

レッド
レッド

動くな。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

ぐっ!

ケルシー
ケルシー

ならば、何故私はお前の非難に反応しなかったと思う?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

このクズが!

ケルシー
ケルシー

クズか。お前は私を一体どういう人だと望んでいる?

ケルシー
ケルシー

私は矮小で臆病で、金銭と安寧を貪れば良いのか…それとも私は冷酷で残酷で、目的を達成するために選ぶべきではないのだろうか?

ケルシー
ケルシー

今の私は君の想像を満たすものか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

考えたこともなかった…お前が徹頭徹尾そこまで無情で冷血な女だったとはな!

ケルシー
ケルシー

お前がセルゲイを殺している時、彼は懺悔はしたんじゃないのか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…どういうことだ…。

ケルシー
ケルシー

彼がアレックスとミーシャの父親ということは知っていたか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

ふっ、ははは…アレックスが私を連れてあいつを見つけたんだよ!

ケルシー
ケルシー

…レユニオンはアレックスを加入させて、彼の父を殺し、姉を追跡したのか。

ケルシー
ケルシー

ふん。

ケルシー
ケルシー

レッド。彼女に機会を与えるんだ。

レッド
レッド

分かった。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…お前何をするつもりだ?

ケルシー
ケルシー

私を殺す機会をくれてやる。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

チャンスだと?自分が何を言っているのか分かっているのか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

命を投げ捨てるつもりか?同僚を裏切りチェルノボーグの上層に紛れ込んだセルゲイと同じ用に懺悔したいのか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…お前は後悔をしろ。お前が自身でしたこと全てを後悔しろ!

ケルシー
ケルシー

私は常日頃こう言っている「後悔をしたことはない」と…。

ケルシー
ケルシー

だが今日は君には素直に教えるとしよう。私にはとても悔しいことがあった。

ケルシー
ケルシー

――だが、それは君の父とは何の関係も無いことだ。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…お前を殺す。お前を殺してやる!

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

がっ、はぁ…

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

”犠牲者の苦しみを飲み込み”…。

ケルシー
ケルシー

霧か?

レッド
レッド

アーツ。

ケルシー
ケルシー

霧…いや本質は煙か。

ケルシー
ケルシー

口腔内の発煙器官を利用し、神経伝達で煙を引き起こす。感覚器官を頼りにした特殊なアーツか。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

そんなところに突っ立って話続けるとは…救いの無い奴め。恐怖をどうやって表現するかも忘れてしまったのか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

お前はどうして私の父を裏切った?何故科学者達を裏切った?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

何故だ!何故お前は――

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

”ケルシー所長”

ケルシー
ケルシー

リュドミラ、私はただ幸運にも逃げられただけだ。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

お前のでたらめを信じろと?

ケルシー
ケルシー

はあ。お前の父は《正当と正義》を読み教えてくれたことはあるのか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

――!

ケルシー
ケルシー

5歳のお前にこの本を見せていればな…イリアも非常識なことだ。

ケルシー
ケルシー

彼は本当にこの本が好きだった。真夏のある日、彼は君と本を抱いて窓に通ったんだ。灌木の間に日光のオレンジ色が映えていた。彼は君に手を振るように言ったんだ、意地になって顔を背けちゃいけないともな。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

もういい。

ケルシー
ケルシー

その日の夜に彼は私に聴いたんだ――もし私達が石棺を封鎖出来たら、石棺内の機械構造の存在をウルサスに漏らさなければもっと多くの人を救えるのか?

ケルシー
ケルシー

この機械を戦争に使うことを阻止出来るのか?と。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

お前はそんなことを使って、そんな…そんな甘言を使って私の邪魔をするのか?!

ケルシー
ケルシー

イリヤは石棺封じ込めの発起人の一人で、彼の信奉の理念は彼の一生に影響を与えた。

ケルシー
ケルシー

君は父の闘志を受け継いでいるのだろうが、父の中にあるのは闘志だけでは無かった…。

ケルシー
ケルシー

リュドミラ、私は裏切り者なんだと思う。私を殺したければそうすればいい。ただ――。

ケルシー
ケルシー

暴力を選んだ以上は、君は必ず君よりも力のあるものに出会うことになる。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

はは…。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

もっと生意気を言うが良い。どんな術師だろうと、この深い霧を見抜くことは出来ず、私の位置を見分けることは出来なかった。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

お前は惨めに死ぬ。私は必ず、必ずお前を惨めな死に晒してやる。

レッド
レッド

…(舌を出しての声)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

科学者達のためにも、感染者のためにも、私は必ずお前を殺す。ウルサスに飼われた悪霊め、このゴミが!

ケルシー
ケルシー

私が術師のように見えるか?私は感染者であることに間違いはないが…。

ケルシー
ケルシー

出てこい、Mon3tr。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…え?な…なんだ?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

な、なんだ?お前の脊髄は?!

ケルシー
ケルシー

君自身は霧の影響を受けてはいないようだな。君には見えるということか。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

そんな…そんなこと…。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

おぇ…!な、何なんだ、お前…お前!

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

何なんだよ!

ケルシー
ケルシー

私は術師ではない。私はアーツには依存しない。

ケルシー
ケルシー

行け、Mon3tr。

Mon3tr
Mon3tr

(イキイキとした唸り声)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

あ、がああ!

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

何なんだ!これは何なんだよ!

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

ああああ、離せ、離せ、私を離せよ!

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

どうして殻に刺さらない?ぎっ!触るな、私に触るな!

ケルシー
ケルシー

潰せ…。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

あ!!

ケルシー
ケルシー

…頭上に落下物。

Mon3tr
Mon3tr

(甲高い不満げな声)

ケルシー
ケルシー

騒ぎすぎだ。ビルが壊れるだろう。彼女は壊さないようにしろ。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

うぅ…。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…いや…。

Mon3tr
Mon3tr

(低い唸り声)

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

私を殺せ。

ケルシー
ケルシー

何故?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…お前は私を簡単に殺せるんだろ!お前も獲物を弄ぶのか好きだっていうのか?!

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

お前を殺すことが出来ない私が生きて何の意味がある?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

だが、覚えておけ。死んでも永遠にお前を呪ってやる。

ケルシー
ケルシー

…本当に死ぬつもりなのか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

ケルシー
ケルシー

死にたいのか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

….。

ケルシー
ケルシー

もし私が裏切り者なのであれば?君は私を殺せば少しは楽になるのか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…もういい…もういい!私はお前を殺す、必ず!

ケルシー
ケルシー

イリアは私の学生でもあり、友人だ。

ケルシー
ケルシー

君の父は私が持った中では最高の研究員の一人で、彼の無私と一心不乱っぷりはウルサスを推し進めたと言っても良い。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

もう言うな!何故そんなことを私に話す?もう聞きたくない、興味など無い!

ケルシー
ケルシー

君は考えている。君は自分を疑っているから。

ケルシー
ケルシー

君はセルゲイに説明する機会は無かっただろう。だから私が代わりに彼に話をしたんだ。

ケルシー
ケルシー

――私は誰だろうと、セルゲイであろうと裏切りはしない。

ケルシー
ケルシー

セルゲイは優柔不断な人ではあったが、貪欲ではなかった。

ケルシー
ケルシー

彼は生まれたばかりの子供をウルサスに握られていた。彼は自分の家族を救うために、お前の父の行方を当局に伝えたんだ。

ケルシー
ケルシー

今ではミーシャもアレックスも死んでしまった。彼は秘密をも売ったのに誰も守ることは出来なかった。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

もし…もし前にミーシャを助けに行っていれば、彼女とスカルシュレッダーは…死んでいなかったのかもしれない。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

いや…違う、違う!お前はこんなにも力を持っているのに何故私の父を助けてはくれなかった?!

Mon3tr
Mon3tr

(威嚇する低い声)

ケルシー
ケルシー

…。

ケルシー
ケルシー

出来なかったからだ

ケルシー
ケルシー

私は君の父に研究所を離れるように説得出来なかった。

ケルシー
ケルシー

リュドミラ、私はチェルノボーグを離れる前に君をシラクーザに送った。だが君は自身であの都市に帰ってきた。

ケルシー
ケルシー

ほら。君も君の父と同じじゃないか。時に意志は時間にすらも勝つということだ。

ケルシー
ケルシー

君はいつだってチェルノボーグに帰る。君がここで私に出会ったように。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…。

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

だったら、一切のことに意味は無いってことか?父と私がしたことには全部意味が無いってことか?

ケルシー
ケルシー

いいや。研究員達は彼らの死という形で秘密を守ったんだ。

ケルシー
ケルシー

ウルサスは今の今まで摂関内の装置の解析は出来ていない。それらは研究施設の放棄と共に封印されたから。

ケルシー
ケルシー

今は、僅かなエネルギーしか再利用されていない、チェルノボーグのコアの駆動用だけだ。

ケルシー
ケルシー

”反逆”という称号が本当に似つかわしいのであれば、私はウルサスの反逆者だ。

ケルシー
ケルシー

君の父の努力は有意義だった。例えウルサスが全てを覆ったとしても君は覚えているのだから。

ケルシー
ケルシー

私も覚えている。

レッド
レッド

(あくび)

ケルシー
ケルシー

…しかし、君がしたことは一体何のためだ?

ケルシー
ケルシー

ウルサスは研究所全体を洗浄し、科学者という天性の中でも希少で貴重な哀れみまでも虐殺をした。真の裏切り者は帝国そのものだ。

ケルシー
ケルシー

今の様子を見てみるが良い。お前はセルゲイを殺し、自身の子供すら守れない人までをも殺した。

ケルシー
ケルシー

今、君は龍門に来ているが、もし君と感染者の同胞がこの都市を奪ったのであれば、次はどうやって一般市民に対応をする?

ケルシー
ケルシー

彼らを殺すのか?奴隷にするのか?それとも彼らを荒野に追いやり、自滅でもさせるつもりか?

クラウンスレイヤー
クラウンスレイヤー

…私は…。

ケルシー
ケルシー

彼らを全員オリパシーに感染させて、感染者にし、君たちの苦痛を彼らに与えでもするのか?

ケルシー
ケルシー

…それとも、君は彼らと平和的に共存でもするのか?

ケルシー
ケルシー

君たちにそれが出来るのか?リュドミラ、今のレユニオンにそれが出来るのか?そうやって君は感染者の国を造りたのか、それともこういったやり方でウルサスに対抗をしたいのか?

ケルシー
ケルシー

ウルサスに対抗したいのであれば何故龍門に来る?恐怖で敵に対抗をするのであれば、君たちはどうやってウルサスよりも恐怖を増長させる?

レッド
レッド

(ケルシー、あいつ疑ってる、怖くて、逃げたがってる)

ケルシー
ケルシー

…。

ケルシー
ケルシー

Mon3tr、戻ってこい。

レッド
レッド

それで良いの?

ケルシー
ケルシー

彼女には聞こえたはずだ。

ケルシー
ケルシー

”クラウンスレイヤー”レユニオンの憎しみと君の憎しみは重なり合い、人を翻弄させることとなった。

ケルシー
ケルシー

父のことを考えるが良い。彼の教育について考えてみると良い。

ケルシー
ケルシー

考えろ。君は誰に復讐がしたいんだ?

ケルシー
ケルシー

暗殺と恐怖で舗装されたこの道に君を導いた…君の指導者はまともな人ではない。

ケルシー
ケルシー

本当の理想主義者は他人を放任し、自分のために死なせるなんてことは出来ない。

ケルシー
ケルシー

そこを離れるんだ。行こう、ここを離れて、道を変えよう。

ケルシー
ケルシー

真にこの大地を変える道に変えるんだ…もし君が本当に望むのならばだが。

レッド
レッド

あいつの匂いが消えた。

レッド
レッド

ケルシーはずっとあいつに会いたかったのか?どうしてあいつを殺さない?

ケルシー
ケルシー

家の無いハイエナを殺してはいけないんだ。例えその家が偽りだったとしてもだ?

レッド
レッド

その問題難しい。レッドはよく分からない。

ケルシー
ケルシー

じゃあ、レッド、彼女は私を殺すことに喜びを感じていたか?

レッド
レッド

そうじゃなかった。あいつは今も辛い。

ケルシー
ケルシー

私達は法律の代表では無いし、他人を裁く権利もない。私達には人を殺す力はあるが、殺戮が正しいと宣言する権力はない。

ケルシー
ケルシー

彼女が殺人に対して興奮と喜びを感じているのならば、すぐに彼女を殺す。私はかならずそうする。

レッド
レッド

レッド、分かってた。あいつは楽しくなかった。息が乱れてた。

ケルシー
ケルシー

今の彼女はウィルスの株だ。熱狂的なチェルノボーグ感染者の中に「不安」というウィルスを撒き散らす存在だ。

ケルシー
ケルシー

…一人でいくつまで生きられることが出来るのだろうか、そしてどれくらいまで道を歩くことが出来るのだろうか。私達がだまされていた時間は、常に私達が事実を見極める時間よりも多い。

ケルシー
ケルシー

まして事実を見極めることと選択をすることは別だ。

ケルシー
ケルシー

彼女が集団的復讐心から目覚めた日には、彼女はレユニオンから離れるだろう。セルゲイの血は、チェルノボーグ人の血として永遠に彼女の指の間に流れているのだから。

ケルシー
ケルシー

レッド…選択をしてしまったら、もう後には戻れないんだ。

レッド
レッド

レッド、分かった。レッド、頑張って、狼だけ殺す。

ケルシー
ケルシー

良い子だ。

ケルシー
ケルシー

この味を覚えたか?

レッド
レッド

レッド、覚えた。

ケルシー
ケルシー

どんな味だ?

レッド
レッド

…嫌いじゃない。

レッド
レッド

血なまぐさい味、だけどケルシーがさっき言ったのじゃなくて、何かよくある普通の人。

ケルシー
ケルシー

馬鹿な、タルラはドラク人だ、狼がどうして彼女なのか。

レッド
レッド

んん。

レッド
レッド

行こう?

ケルシー
ケルシー

ああ、行こう。

ケルシー
ケルシー

…気温が下がってきたな。時間が迫っている。効率を上げるときだろう。

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