……
コントロールタワーの前で道を阻む者よ、お前はどこのレユニオンだ?
加わるか、それとも逃げるか?
我らと共に戦いたいというのであれば、好きにしろ!だがそんなことは恥じるべきうえに意味もない!
ちょっと待て……あんたはこの小隊を見たことがあるのか?
ない。雪原を抜けてから、レユニオンは多くの新たな血を得たが、そんなものにはまったく興味はない。
でも、見た感じあいつらは……
Guardさん!危ない!
(暗号を唱える)
――
ウルサス軍!
クソが……!
撤退だ!!ウルサス軍が現れたぞ!
……
貴様は死ぬまで一言も喋らないつもりなのだな、そうだろう?
心の中で私を裏切り者と思っているのか?
我らをあのウルサスの大軍を離脱した、下劣で卑しい感染者と思っているのだろう。
彼らの無価値な命のために戦ってる我らは、時勢も知らず栄誉もあらず、だから我らの名をこの世のすべてから抹消せねばならないというのか?
あるいは、貴様には夫か妻がいて、嫌なはずなのに上からここに送られてきて死を待っている、陰謀家の駒にされて、己の命を見ず知らずの他人なんかのために投げ捨てられている……
哀れだ!なんと哀れなことか!
貴様はウルサス人を殺したことがあるか?貴様が殺したのは感染者かそれとも市民か?己の手が血に染まり恐怖を覚えたか、それとも夜になってもぐっすりと眠れなくなったか?
先代の皇帝は崩御したというのに……それでも尚そこに留まり続ける貴様らなんぞ……貴様らなんぞ……甚だ哀れなことだ!
なにムキになってんだよ!あんたも早く撤退しろ!
気を付けろ!ウルサス軍がレユニオンの制服に袖を――
いけません、Guardさん!
そんなこと言ってはいけません……!
なぜ?
そんなことを言ってしまえば、敵も味方も自分の周囲の人を疑い始めてしまいます……戦局が混乱になればなるほど彼らが有利になってしまいます!
エリジウムさんの推測通りなら、私たちが先にやるべきことは……
全員ここで阻止することです。
だがもう時間がない、レユニオンがいつコントロールタワーに押し寄せてくるかも分からないんだぞ……そんな事になれば組織進攻がより困難になるだけだ!
ですので、全員この戦闘に参加させる必要はありません。タルラと対抗するために、軍隊編制されていない小隊で挑んでも無駄です。
私が行きます。
撤退、撤退だ!破城矛に気を付けろ!隠れる場所を探せ!
アーミヤ……君はまた……君はロドスのリーダーなんだぞ!
「ならなおさら私が行かなくてはなりません」とは言えません……ただ言えるのは、もし私にしかできないことがあれば、完遂する必要があることがあれば、私がやります、私が完遂させます。
じゃあ君たちを援護してくれる人はいるのか?
私が援護するよ。
盾衛兵さん、ケガ人も動いて、戦線を維持するよ。
フェリーン……!
あいつはまだあの特殊感染者、牧群を駆逐しているんだ。容赦がない。あいつらには慈悲の心はこれっぽっちもないんだね……
私があいつらの陣地と待ち伏せ地点を破壊しよう。
……分かった!
フェリーンよ、お前はウルサス盾衛兵と遊撃隊の戦士の支援を受けた、初めての部外者だ!
歳幼い術師が手を掲げた。戦場の騒音轟音が彼女に響いていないかのように、彼女はまったく目もくれない。彼女の目は灯のようだった。
先ほどまで、彼女は己の恐怖と痛みによって己の中で消え去っていく記憶を追いかけていた。
しかし今、彼女は友との約束と、彼女とこの鉄筋の壁を背負う責任により、歩みを止め、足元を踏みしめられるようになったのだ。
ううん、私はもう部外者なんかじゃないよ。
今の私たちは同じチームだよ。この都市を止めるための。
だから、もう部外者なんかじゃない!
盾衛兵!盾を構えろ!