(M8-6 特殊クリア時開放)
切り刻み、突き刺し、斬り下ろし、一掃する、鋭刃が敵の間を舞う。
号泣、怒号、呪詛、叫び、そしてすべてが静まりかえる。
ロスモンティスの表情に変化は皆無であった。

終わったよ。

陣地も待ち伏せ地点すべて破壊した、これで前に進めるよ。

よくやった、フェリーン。こちらにほぼ損害が被る以前に終わらせたとは大したものだ。

しかも、奴らの頭蓋を穿つスピードも素早く、精確で、躊躇がない、そうしたほうがいい。

もしお前が大尉を殺したことを知らなければ、私はお前を我らが遊撃隊に誘っていたかもしれん。

お前は天性の戦士だ、あのコータスについて行ってるのが、なんとも惜しい。

アーミヤの悪口はやめて。

いいや、彼女を貶めているわけではない。

彼女は私が遠い昔から聞きたかった、聞いたことがあった話をしてくれたからな。

彼女は素晴らしい、フェリーンよ、実に素晴らしい。

しかし、上手くはいかないだろうな、フェリーンよ、上手くいかないさ。

そんなことない、アーミヤならきっとやってくれると信じている。

そうかもしれんな、しかし彼女についていくことは、お前にとっても彼女にとってもよろしくない。

どうして?

お前たちは違う類の人間だからだ。

違う類ってなに?私とアーミヤとの関係は最高だよ、私に色んなことを教えてくれたもの。

……フッ、いずれ分かる。

何が言いたいんだか……そんなのこっちから願い下げだよ。

それにさっき、私はあなたたちに加入できるとかどうとか言ってなかった?

お前なら可能だ。

我らはいかなる人でも歓迎するからな。

感染者の運命に不条理を感じるのであれば、ウルサスに怒りを覚えるのであれば、戦いたいと思えるのであれば。

我らに加わることができる。

我らの部隊にはウルサス人しかいないとでも思っていたのか?この国家の人民しか所属していないと?そうではないぞ、フェリーンよ。

……あなたもフェリーンだったのね。

私はレムビリトンで生まれ育ち、両親と共にウルサスにやってきた、そしてこの寒い土地に根を張った。

私は小さい頃からケンカが好きでね、それで軍に入ることになった。

ウルサスの入隊試験はフェリーンにとって厳しいものだったが、私はそれでも合格した。

その後、私は大尉の部隊に加わり、大尉と共に四方へ遠征した、戦い始めて、もうかれこれ十年になる。

一つの戦争を終えれば、次の戦争がやってくる、そのあとにも次の戦争が待ち構えている、それがウルサスという国だ。

私はかつてこの国を誇りに思っていたのだ、小娘。

我らの中には、かつてこの国を誇りに思っていた人たちも大勢いる。

じゃあ、どうして……?

それは私の両親が鉱石病に感染してしまい、都市から追放され、荒野で野垂れ死んでしまったからだ。

しかもその知らせは二人が亡くなって半年後にやっと私の元にやってきた。

……!?

我らの中で、そういった出来事を経験した人は大勢いる。

お前も似たようなことを経験したのだろう、小娘よ。

だかそれだけではない。

ただそれだけなら、私がたまたま不幸な人の一部であったというのであれば、まだ理解はできた。

しかし、それだけではなかったのだ。

戦争はかつて私の脳内にあった唯一な存在であり成し遂げなければならないものでもあった。

そのときになってようやく考え始めたのだ、この国を理解しようと、私が奮闘してきたこの国について知ろうと。

もし大尉がいなければ、私はとっくの昔に司令部に歯向かったことで軍法会議にかけられていただろうな。

そして、私は大尉について行き北原に足を踏み入った。

その遠征の中で、私は忍耐を学んだ、怒ることを学んだ、憎悪することを学んだのだ。

……アーミヤは、そういうのは学んじゃダメだって。

いつかは学ばなければならん、小娘よ。

それらを扱いきれなくなれば、いずれそれらに呑みこまれてしまうからな。

だから、パトリオットはあなたにとって家族だったってわけ?

私たちは共に二十年も戦ってきたからな、あの人は私にとって最高の兄弟であり、最も親しい戦友であり、最も尊敬に値する人であった。

だったのだ、小娘よ。

だが今言えることは、お前なら我らへの加入に相応しい。

じゃあアーミヤはあなたたちに加われるの?

あのコータスか?いいや、彼女はダメだな。

彼女は我らに加わることはできないさ。

じゃあ私も加わらない。

ハッ、そうだろうな、お前は大尉を殺した、であれば我らに加わるわけがない。

そんなのどうでもいい。

だが一つだけ教えてやろう、彼女にはよく目を配っておけ、彼女はお前を守ろうとしてるが、お前より早く死んでしまうかもしれないぞ。

どうしてそうはっきり言えるの?

昔そういう人を見てきたからだ。
盾衛兵はどうやら何かを思い出し、それ以降ロスモンティスに構わなくなった、彼はヘルメットを被り直し、自分の戦友の元へ去っていった。