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【明日方舟】メインストーリー8章 R8-11「落雪、国土を黒に染める」後半

タルラ
タルラ

くっ……私から……離れろ!

(アーツの発動する音と雷鳴)

皇帝の利刃
皇帝の利刃

なんというポテンシャルだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

シュコー……!お前には脱帽したぞ!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

しかし残念ながら、今日は軍帽を忘れてしまってな。

タルラ
タルラ

はぁ、はぁ……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

このまま戦っても無意味だ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

我々はウルサスの衛兵にすぎない。自分の隊を維持したいのであれば、そうするがいい。感染者の衛兵として生き長らえるがいい。お互い成すべきことに集中しよう、そのほうが合理的だ。

タルラ
タルラ

よくもその口から衛兵という言葉が出たな……これまで誰かを守ってきたとでもいうのか……!?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

各国には衛兵を自称する人は必ず存在する。守らねばならないものが多ければ、自ずと衛兵を名乗る人も多くなる。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

ああいう連中のほとんどは腐敗していてかつ無能だ、しかし我々は我々が守護するべきものがあるがゆえに卓越している。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

我々はウルサスの未来を守護しているのだ。

タルラ
タルラ

それで貴様らの悪行が隠し通せるとでも思っているのか?

タルラ
タルラ

お前たちは筆舌に尽くし難い悪を犯してきた、セミョンコ市を湖に落し、エラフィアの村々からは誰一人脱出を不可能とした――

タルラ
タルラ

貴様らの悪行を次々と暴き、貴様らがしてきたことを世間に公にすることもできるんだぞ!!

タルラ
タルラ

そんな貴様らが、国家の意志を代弁するだと……?貴様らの愚かさはいずれ未来で現実によって粉砕されるだけだ!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

各々の国家は最後の最後にならないと自国の最も怠慢で最も愚かな人々を鞭打たないものだ。しかしそうであっても、我々は刃であり、鞭ではない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

樹木の栄養しか吸い取ることしか能がない無用な枝を剪定することを悪行というのであれば、我々は悪で違いない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

お前は我々の「行い」を「暴く」と言ったな。しかし今のお前は我々を直視できていないではないか。その上いつまでもその考えで居続けるとも限らない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

我々がお前に立ち向かえば、お前は退くのか?

盾衛兵
盾衛兵

タルラ……!

タルラ
タルラ

来るな!戦士たちを守れ!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

ウルサスの善行と悪行の重さは同じだ、我々の悪行と対面するであれば、我々の善行で培ったすべてにも目を向けるべきだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

すべてにな。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

善悪を秤にかけられる国家など存在しない。そんな尺度で語ったところで、何の価値もない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……今のお前にかの高みへ到達することを、かの叡智を理解することを求めるのは、あまり現実的ではない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

もし仮にそれが真実だったとすれば、その日が来れば、お前の提案に少しだけ耳を傾けよう。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

しかし、お前には奥底に潜んでいる力と種子以外、何もない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

今のお前に帝国を理解することはできないのだ、ヴィーヴルよ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

いや待て。ヴィーヴル……違う……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

お前まさか……

パトリオットが攻撃を仕掛ける音と皇帝の利刃の無線音)

皇帝の利刃
皇帝の利刃

36……【暗号】!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

――ウェンディゴ――

???
???

二人の親衛だけでは私を殺すには不十分だ。それでまだ我らと相対するのであれば、せめて三人でかかってこい。

盾衛兵
盾衛兵

大尉!!

盾衛兵
盾衛兵

盾を押せ!前進だ!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

いや。パトリオット。よせ。

パトリオット
パトリオット

この場にいる親衛は、私の娘が戦ってるのを加えて、五人であったな。

パトリオット
パトリオット

私の知ってる親衛は動揺などしない。さあ話すがいい!貴様らは己の実力にどれほどの自信を持っているのだ?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貴殿と敵対するつもりはない!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

ウェンディゴよ……貴殿は帝国軍史に存在する常人では知りえないほどの伝説だ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

たとえ移動都市の市民が貴殿を忘れてしまったとしても、前の世代の人がいつも話してくれた物語のことはよく憶えている。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

ここで貴殿に敬意を示したい、ウェンディゴよ!

パトリオット
パトリオット

……

盾衛兵
盾衛兵

あ……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……貴殿が彼女について行ってるのだな。雪原にいる兵卒どもはみな嘘をつくのが癖になっているようだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貴殿が感染者になったのは事実だったか。

パトリオット
パトリオット

私が感染者のために戦うのは必然のことだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

それは違う、ウェンディゴよ。そのような試みは必ず失敗する。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

この国には多くの感染者がいるのだぞ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

多くの人が信じてるからといって幻想が真実に変わることはない。

パトリオット
パトリオット

それを幻想と定義する前に、貴様は何度ウルサスの失敗と勝利を経験してきたというのだ?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貴殿の言う通り。私の代の者はそれほど多くそれに立ち会ってはいない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

そのため……貴殿を我々に招待したい。ウルサス大尉のボジョカスティよ、どうか我らと共に。ウルサスは貴殿が必要だ。

盾衛兵
盾衛兵

貴様何を!?

タルラ
タルラ

……なっ……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

先代陛下の下で百年以上戦ってきた貴殿であれば、当時のウルサスの強大さを知っているはずだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

あれはどれほど繁栄を謳い偉大な時代であったのだろうな?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

我々は種族を問わず、ウルサスの名の下に団結し、ウルサスの未来のために戦ってきた、多種多様な敵も尽く我らの刃と砲火によって倒れた、あの時の我らは敗北を知らなかったのだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

あの時代に戻りたいという渇望は普遍的だ……我らはみなあの全人民が同胞と志を同じくし同じ仇に敵愾心を燃やしていた時代に戻りたがっている。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貪欲な諸国から略奪した土地を吐かせ、蹂躙され続けてきた人々はウルサスの輝きの下に尊厳を取り戻した、我らの征服は消滅させることではなく、再建だったのだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

我らはこの大地に新たな生を与えてやったのだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

あの時代を共に再建しよう。全人民を団結させ、打ち付けてくる嵐に立ち向かおうではないか、少なくとも雪原で孤独に息絶えるよりはマシであろう。

盾衛兵
盾衛兵

圧政により俯くことしかできないウルサスの人々にその綺麗ごとを言ってみろ!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

誰一人とてよい暮らしを過ごせてはいない。この時代はそれだけ惨たらしい。ウルサスの市民もその苦しみを十二分に味わっている。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

秩序の欠乏、力の流失、道徳の欠如、これらはすべて誤りだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

これらの誤りが今のウルサスを蝕んでいったのだ、何が問題なのかはすでに承知している。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

我々であればその誤りを正すことができる。

盾衛兵
盾衛兵

……ふざけたことを!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

ではそちらの首領に聞いてみるといい、我らを信じるかどうかをな。

盾衛兵
盾衛兵

貴様……!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

ボジョカスティよ、我らであればウルサスを正しい道に導くことができる。

パトリオット
パトリオット

貴様は間違っている。今の首領は私ではない。

パトリオット
パトリオット

彼女だ。聞くなら彼女に聞いてみるといい。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

私は貴様らの父たちと共に戦った。貴様らの実力は十分、戦術も彼らと遜色ない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

しかし貴様らはあの時のウルサスに幻想を抱きすぎている。それらはただの、貴様らの幻想にすぎん。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

かといってその時代を否定することはできないでいる。貴殿の一挙手一投足はすべて貴殿とウルサスを紐づけている、貴殿の称号も貴殿の意志と願望を示しているではないか。

パトリオット
パトリオット

では問おう、貴様らが仕えている今の皇帝が思い描くウルサスの中に、感染者の居場所はあるか?

タルラ
タルラ

そのような「恩寵」から得られた地位など、貴様らの幻想同様、一抹の幻にすぎない!

皇帝の利刃
皇帝の利刃

タルラか……シュコー。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……その通りだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貴殿らの助けがあれば、事態はまた違っていたのかもしれない。

タルラ
タルラ

何の……話だ?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

利刃は許諾しない。武器が許諾することなど一度たりともない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

しかし感染者はウルサスが本来持ち合わせている力であると私は考えている。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

皆々ウルサスの栄光なる象徴であるべきだ。ウルサスの感染者に反対するものは滅ぶ敵だ。そして諸君らは、もし諸君らがウルサスのために戦っているというのであれば、それは栄誉ある行為として見られるべきだ。

今までになく騒々しいささめきがタルラの耳に入ってきた。

パトリオット
パトリオット

私が貴様らの学説に反対しないからとってそれを賛同と見なすなど、その単純さは傲慢にも等しい。

パトリオット
パトリオット

貴様らはすでにそのような権力を味わい尽くしているのだろう?その身勝手な思い込みが、己のしてきたことすべてがより良い時代に奉仕するための権力とでも思っているのか?そんな貴様らは自身を栄光と謳う資格などあるものか?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

では、少数派のために戦い貴殿らは、何をもって多数派の賛同を得ている?感染者のために戦うことに、一体どこに正義があるという?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貴殿なら賢明な答えを出してくれるだろう、ウェンディゴよ。

パトリオット
パトリオット

――正義のあるなしと人の数に何の関係があろうか?

パトリオット
パトリオット

親衛よ、私が問いたいのはたった一つだけだ、当時の陛下を敬愛していた人はどのくらいいた?多いか少ないか?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……フ……

パトリオット
パトリオット

そして陛下の死に貴様らは関わっていたか?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

もし私が「関わっていない」と答えれば……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……フ……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

どうやらお互いのわだかまりを解くことは叶わないな。

パトリオットはタルラを支え起き上がらせた、まるでこの時からタルラも彼の家族となったようだった、まるでこの先もずっと、彼が彼女を失うその日まで。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

シュコー……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

なぜ彼女のほうを選ぶのだ?

パトリオット
パトリオット

]彼女とはもうすでに熟知の仲だからだ。

パトリオット
パトリオット

貴様が思い描くそれは、確かに広く光明に満ち溢れた道なのかもしれん、しかし此度に関しては私の選択はもうすでに決まっている。私は感染者側を選ぶ。

パトリオット
パトリオット

軍人が奉仕するは国家と信仰のため、統治などではない。ゆえに、私は今の帝国を滅ぼし、正義のための戦争を起こそう。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

我らとて同じく感染者の支持は必要だ、我らの行いも同じく正義だ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貴殿は何をもって我らを拒否しているのだ?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

もしや貴殿は今あるその「レユニオン」とやらの道のほうが、団結と革新より素晴らしいと思っているのか?もっと効率的だとお思いなのか?それともそちらのほうがウルサス人民へもたらされる被害が小さく済むとでも?

パトリオット
パトリオット

いいや。ただこの戦争がすでに始まったからだけだ、私はその戦争を最後まで見届ける責務がある。

パトリオット
パトリオット

私が仕えた仁慈に満ちた陛下とて感染者を受け入れることはなかった、今更それに似た類の約束など今ではでたらめにしか聞こえん。

パトリオット
パトリオット

もし貴様らが本当に感染者を団結させれていれば、戦争も起こりえなかったからだ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

我らは貴殿の下に感染者が団結することを望んでいるのだ。

パトリオット
パトリオット

本当に彼らを団結させたいのであれば、私の出る幕など必要ない。

パトリオット
パトリオット

もういい、親衛どもよ。

パトリオット
パトリオット

貴様が謳う道はもうすでに歩んだ、それに私が「より良い選択」を信じることもない。先見の明があると自称する人など未だ運命のいたずらに遭遇していないにすぎない。

パトリオット
パトリオット

貴様らもいずれ理解するだろう。落日峡谷で戦死した二十数名の親衛のように、彼らは北原で戦死した、同胞の手によって死ぬよりも、異種族に手によって死んだほうがマシということを。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

声明は所詮声明だ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貴殿はそう考えているのだな、ウェンディゴよ、しかし貴殿の後ろの人々はどう思っている?その人らも同じく彼女をそれほど信頼していると言えるか?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

その人らが貴殿の武力と率直さを尊重していたとしても、貴殿はどうやって、その人らが強い偶像を崇拝していないと証明する?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

強く自分たちを庇護してくれる邪悪な偶像がよいのか、それとも傀儡となった崇高な偶像のほうがいいのか?

パトリオット
パトリオット

私が尊敬する者を前者で例えていないと願おう。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

現実は北西凍原の雪風より寒い、ウェンディゴよ。力を失えば……貴殿らはいずれ傀儡と化す。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

そして貴殿らに牙を向く最初の相手は、何も貴殿らが対峙する敵とは限らない。

牧群化したサルカズの戦士
牧群化したサルカズの戦士

感染者たちはコシチェイが誰なのかすら知らないだろうが、公爵のことなら知っている、公爵の娘が次期公爵になることも知っている。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貴殿の傍にいる者は貴殿が思い描くような人ではない。彼女はいずれ貴殿に対抗しうるほど力を伸ばし、智謀も貴殿と争えるようになり、狡猾さも貴殿より勝るだろう。

パトリオット
パトリオット

それは彼女を褒めているのか?

皇帝の利刃
皇帝の利刃

いいや、ウェンディゴ、違う……貴殿はウルサス人になって久しいがそれでもまだ足りない。貴殿にはまだ理解できないのだ。私が言っているのはコシチェイ公爵のことだ。

パトリオット
パトリオット

汚れた知識を受け継いだからといって受け継いだ者が同様に汚れることはない。彼女が雪原に残した足跡は十分にあの老いた蛇と同じ結末を歩むことはないと証明してくれた。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

シュコー……フフ……

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……噂を幾度も耳にしたが、貴殿は確かに若人に甘いのだな、甘いというより、もはや溺愛に等しいか。

パトリオット
パトリオット

彼らは真に尊敬するに値する者たちにすぎない、彼らの若さから彼らの衰弱と死を見出したとしても、私は依然彼らを尊敬する。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

ボジョカスティ……

パトリオット
パトリオット

ここから立ち去れ、即刻。

パトリオット
パトリオット

今しばらくは我らの戦士を傷つけた罪を問わないでおこう、もしくは今ここで貴様らを殺し、ほかの親衛たちに貴様らの屍を回収させるのを待ってやろう、そして一方が全滅するまで滅ぼし合いをしても構わないが――

パトリオット
パトリオット

――たとえその一方が我らだとしてもな。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

……ああ。ウェンディゴよ……私が言える秘密は以上だ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

我々の警告がただの飾りではないことを憶えておいてほしい、ボジョカスティ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

貴殿に哀悼の意を。

パトリオット
パトリオット

再び相まみえたときは、こちらが貴様らに、哀悼の意を示そう。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

そのような日が来ることはない、ウェンディゴよ。来ることはない。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

ではさらばだ、「パトリオット」よ。今日の結果は誠に遺憾だ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

そして、タルラよ……お前のさらなる変化に期待しているぞ。

皇帝の利刃
皇帝の利刃

お前はその人らを導くべき人だ。お前は適任者だ。

(フロストノヴァが駆け寄ってくる足音)

フロストノヴァ
フロストノヴァ

父さん……!

パトリオット
パトリオット

エレーナ!

フロストノヴァ
フロストノヴァ

はぁ、はぁ……撃退……したぞ……スノーデビル小隊と共にな……はぁ……

フロストノヴァ
フロストノヴァ

一人だけだが撃退したぞ……!しかし、あれは……自分から退いたのか?

フロストノヴァ
フロストノヴァ

全部で……たったの五人だったのか?私一人では……小隊を守りきれなかった……

パトリオット
パトリオット

よくやった、我が娘よ。次はもっと上手くいくはずだ。

フロストノヴァ
フロストノヴァ

当たり前だ……!

フロストノヴァ
フロストノヴァ

……ここで何かあったのか?全員どうして……

フロストノヴァ
フロストノヴァ

タルラ?盾衛兵の兄貴たちも……どうしたんだ?

盾衛兵
盾衛兵

……大尉……奴らが言っていたことって……

パトリオット
パトリオット

歴史から茫漠な軌跡を掴み、未来はその歴史と同じ道を歩むと定め、身分が明日のすべてを決めつけること、それも自惚れだ。

パトリオット
パトリオット

私は彼女の支柱となろう。しかしほかの者たちはまだ受け入れられないだろう。みなどうか口外しないように。

盾衛兵
盾衛兵

承知しました!もちろん承知していますとも。タルラがどういう人かも皆分かっています。

盾衛兵
盾衛兵

……

盾衛兵
盾衛兵

しかし奴らが言っていたことは……本当なのでしょうか?

フロストノヴァ
フロストノヴァ

まさか……

フロストノヴァ
フロストノヴァ

……何を考えているんだ?お前たちは自分でそう言ってたじゃないか!出生はその人の――

タルラ
タルラ

本当だ。

フロストノヴァ
フロストノヴァ

タルラ……

盾衛兵
盾衛兵

……

タルラ
タルラ

私は確かに貴族によって養われた「跡継ぎ」だ。

タルラ
タルラ

問いには答えた。ほかに何かあるか?

パトリオット
パトリオット

首領よ。

タルラ
タルラ

パトリオット殿、私をそんな風に呼ばないでください、言ってたじゃないですか。撤収だ……ファウストと射手たちにはまだ訓練が残っている、あなたも参加されますか?

パトリオット
パトリオット

お前の品性が私を失望させない限り、私は最後までお前を支えよう。

タルラ
タルラ

ありがとうございます。

フロストノヴァ
フロストノヴァ

タルラ……やっと父さんの支持を得られたんだな。

タルラ
タルラ

同じことをしてくれとは言わないさ、エレーナ。

フロストノヴァ
フロストノヴァ

フンッ。まさか私が――

タルラ
タルラ

飴をくれ。

フロストノヴァ
フロストノヴァ

ほらっ。まさかそっちから飴を求めてくるとはな。

タルラ
タルラ

フッ。さあ行こう。

タルラ
タルラ

撤収だ、戦士たちよ。知りたいことがあれば、話せる限りすべて話そう……

タルラ
タルラ

……

タルラ
タルラ

どうしたんだ戦士たち……?

感染者戦士
感染者

……

タルラ……
……お前は何を企んでいるんだ?

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