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【明日方舟】R6Sコラボ OD-1「外勤記録」前半

シュヴァルツ
シュヴァルツ

ただいま戻りました。

レンジャー
レンジャー

問題はなかったか?

シュヴァルツ
シュヴァルツ

前方30km範囲内に警戒すべき目標は見当たりませんでした、この区域はしばらくは安全かと。

レンジャー
レンジャー

よし、地図を見せておくれ。

レンジャー
レンジャー

うーむ……

レンジャー
レンジャー

方向に間違いはないな、このまま北に進もう、進んだ先に現地の人がラッパ山と呼ばれるランドマークが見えるはずじゃ。

レンジャー
レンジャー

そこの麓で休んだあとに、また西へ二日ほど進めば、フィアルクン市に着けるはずじゃ。

レンジャー
レンジャー

フィアルクンが私たちの目的地なのですか?

レンジャー
レンジャー

いや、あそこは中継地としては最適じゃ。フィアルクンにはクルビア人の大キャラバンがある、そのキャラバンと一緒にナハリン市へ行く、そこだとロドスの事務所が置かれておるからのう。

レンジャー
レンジャー

事務所に行けば、交通ツールも手に入る、それからの行動もやり易かろう。

フランカ
フランカ

よかったぁ!ようやくこの徒歩遠征をやめることができるのね!もう靴底が擦り減っちゃってまっ平よ。

リスカム
リスカム

外でのウォーキングは少なからず身体にはいい、そしたらいつもダイエットに悩まされずに済むよ。

フランカ
フランカ

ちょっと!

シュヴァルツ
シュヴァルツ

通信機の調子はどうですか、通信回路に接続できますか?

リスカム
リスカム

まだダメです、この状況を見るに、フィアルクンに到達するまではロドス本艦と連絡を取るのは困難だと思います。

リスカム
リスカム

もっとパワーがある送信機が手に入ればいいんですけど……

フランカ
フランカ

今考えても無駄よ、この近くにほかの移動都市なんてないんだし。

レンジャー
レンジャー

そうじゃな、フィアルクンに着くまでの補給は厳しい、だから出発する前に水と食料を多めに持参するようにとわしは言ったんじゃ。

レンジャー
レンジャー

確かこの付近には小さな集落ならあったはずじゃが、いかんせんもうかなり年月が過ぎておる、その集落がまだそのまま付近に残っているかどうかは、わしにもわからん。

リスカム
リスカム

レンジャーさんはこの区域に詳しいんですね。

レンジャー
レンジャー

ははは……若かりし頃のわしだったらもっと詳しかったがのう、この荒野にはもう随分と足を運んでおらんよ。

リスカム
リスカム

この地図は、レンジャーさんが自分で描いたものなんですか?

レンジャー
レンジャー

そうじゃ、レンジャーなら誰だって自分の地図が描けた、ただまさかこの地図がまだ役に立つとは思わんかったさ。ここは天災による激しい地形変化が見られない、運が良かったのう。

リスカム
リスカム

すみません、またお手を煩わせます。

レンジャー
レンジャー

なんの、おぬしら若者の面倒を見るのがわしら年老いた者の責務よ。

レンジャー
レンジャー

今回の事態にはわしにも責任がある。事前に予備案を考えておれば、こんな狼狽える必要もなかったはずじゃ。

リスカム
リスカム

来歴不明の傭兵一団に倉庫が襲撃され、運悪く私たちの車両も盗まれた?

リスカム
リスカム

こんなこと、あっていい話じゃないよ!?

フランカ
フランカ

私はあの商人がこっそり私たちの車を売るためだったって疑ってるけどね、あとで適当に理由を付ければ済む話だし。

リスカム
リスカム

珍しく私も同感だよ。

フランカ
フランカ

珍しくは余計よ。

リスカム
リスカム

ブラックスチールの傭兵の慣例に則ってた以前の私なら、絶対許してなかった。

レンジャー
レンジャー

しかし今の身分はロドスのオペレーターじゃ、わしはなるべく現地の人と揉め事を起こさんでほしいがのう。

レンジャー
レンジャー

薬品は安全に送り届けられたんじゃ、あの商人も報酬に何か小細工を仕掛けたわけではない、わしらもあまり根に持つべきではないよ。

シュヴァルツ
シュヴァルツ

しかし精錬された源石錠を持って徒歩で荒野を行くには、あまりにも危険すぎます。

レンジャー
レンジャー

連中の理由はスキだらけじゃ、ヴィーヴルの現地傭兵が本当のことを言ってくれるはずもなかろう、次回はもっと用心しよう。

レンジャー
レンジャー

しかし帰ったら後方勤務部に資産損失の報告をせねばならんな。

リスカム
リスカム

はぁ……ヴィーヴルはこういう場所ですからね。

レンジャー
レンジャー

しかし……

レンジャー
レンジャー

地図もアーツもないが、わしには方角を見つけられる方法がある、じゃがそれだと時間を多く浪費してしまう。わしらは人数も多いし、これだけの水と食料では持たんな。

シュヴァルツ
シュヴァルツ

サルゴンの荒野でツールを頼らずに方角を判別できるのですか?それは一体どうやってでです?

レンジャー
レンジャー

またの機会に教えてあげよう、これは経験がものを言うからのう。

フランカ
フランカ

なんていうか……

フランカ
フランカ

さすがはあの「赤い谷の遊侠」ね。

レンジャー
レンジャー

わははは、おぬしら若い者もそんな話を知っておるのか。

レンジャー
レンジャー

あれはただの通り名にすぎんよ。

フランカ
フランカ

じゃああの話は本当だったの?一日でジェスキンズ七兄弟を全員しょっぴいて、単騎でラスティーハンマーの強盗集団を退けたって……

リスカム
リスカム

一矢で十の目標に命中させ、空中でラテラーノ人が撃った銃弾を撃ち下ろしたとか……

レンジャー
レンジャー

ほほう、その話も今じゃそんな風に変わっておるのか。

リスカム
リスカム

ブラックスチールの同僚たちがたまにレンジャーの物語を話していました、大方こんな感じの話ではありますけど。

フランカ
フランカ

小説にするには最適の題材ね。

リスカム
リスカム

シュヴァルツさんも聞いたことがありますよね。

シュヴァルツ
シュヴァルツ

……ええ……

シュヴァルツ
シュヴァルツ

以前クルビアで、各地を渡り歩いてきた傭兵から幾つか話を聞かされました。

シュヴァルツ
シュヴァルツ

「赤い谷のシャムシール」と「酋長たちの災い」というお話です。

レンジャー
レンジャー

……

レンジャー
レンジャー

ふむ……それはいささか誇張されすぎておるな。

レンジャー
レンジャー

レンジャーはおぬしらが想像しているような組織ではあるまい。

レンジャー
レンジャー

おぬしらがどういう話を聞いたかは知らぬが、一番広く伝わっている噂話に限ってその大半はウソであることが多い。

レンジャー
レンジャー

レンジャーは戦闘を専門とする組織ではない、わしに言わせれば、みなで協力し合う荒野のサバイバーと言ったほうが正しいかのう。

レンジャー
レンジャー

彼らとて最初は激動の時代に苦しんでいた一般人たちであった、それが戦乱のさなかに身を挺して、良からぬ輩に強奪されていた村々を守っておったのじゃ。

レンジャー
レンジャー

彼らは決して訓練された戦士ではなかった、避けられぬ戦争と日の目を見ない強奪により誕生した抵抗者たちじゃった。

レンジャー
レンジャー

みな怒りを燃やし、戦乱の歳月という運命に決して屈せなかった。

レンジャー
レンジャー

その後、彼らに加わろうとする者がだんだんと増えていき、組織も徐々に自治民兵から局地的な団体へと変化していった、荒野の各集落へ医療と防衛を提供するためのな。

リスカム
リスカム

そこは私もブラックスチールの出勤記録で読んだことがあります。サルゴン地区では、政府部隊以外にも、レンジャーは荒野で跋扈する強盗や村を襲う傭兵を駆逐してきたとか。

レンジャー
レンジャー

そういうこともあったのう。

レンジャー
レンジャー

あの時、レンジャー部隊には確か……ガタイのいい奴らがおったのう、それで賊なども確かに捕まえておった。おぬしが読んだ内容は事実ではあるが、常にソレというわけではないのじゃよ。

レンジャー
レンジャー

ほとんどは、レンジャーたちが村の人たちに井戸を修理してやったり、野獣を捕らえたり、薬品を収集したりと、瑣末なことしかしておらんよ。

レンジャー
レンジャー

それに加えて、当時、ここの区域はまだサルゴンの領土として編入されておらんかったからのう……

フランカ
フランカ

じゃあ、当時のレンジャーさんもきっとその「ガタイのいい奴ら」の一員だったんでしょ?

レンジャー
レンジャー

ははは、わしはそんな威勢のいい奴ではなかったさ、普通の斥候だったよ。

シュヴァルツ
シュヴァルツ

……普通ですか……?

シュヴァルツ
シュヴァルツ

しかしそのレンジャーという組織は、最後には解散されたとか?

レンジャー
レンジャー

それを言うと話が長くなるのう……

レンジャー
レンジャー

その後も、色々起こったんじゃよ。戦争は終結し、酋長たちもそれぞれ欲しがってた土地を手に入れた。

レンジャー
レンジャー

サルゴンの酋長たちからしてみれば、レンジャーという服従を拒否する組織は見過ごせぬ存在であったんじゃよ。

レンジャー
レンジャー

当然、酋長連中の態度以外にも、レンジャーが解散した理由はまだまだある、しかしそれもすべては過去じゃ、具体的な経緯はもうわしの頭の中で忘れ去られているわい。

フランカ
フランカ

じゃあその誇張された話は、全部ウソだったってこと?

レンジャー
レンジャー

真実というのは往々にして華がないことじゃ、誇張された伝説しかドラマは生まれぬ、そしてそのドラマがなければ話も途絶えるものよ。

レンジャー
レンジャー

おぬしらが聞いてきた話もすべて幾重にも加工がされてきたものじゃ。

レンジャー
レンジャー

結局のところ、物語が面白くなければ、誰だって話す気を起こさんじゃろ。

レンジャー
レンジャー

ほれほれ、わしの話はここまでにしょう、そろそろ移動するぞ。

フランカ
フランカ

みんなの様子を見るに、私たちはサルゴン領内に入ったんだよね?

リスカム
リスカム

昨晩からもうサルゴン領内に入ってるよ。お願いだからもっと気を引き締めて、あとで何か起こっても助けるつもりはないから。

フランカ
フランカ

もーうるさいなー。

レンジャー
レンジャー

わしらが今踏んでいる土地はサルゴンのバイエル酋長のものじゃ、しかし彼の本拠地はここからじゃ遠いのう。

レンジャー
レンジャー

このあともまだまだ……

(節足動物の軋む音)

レンジャー
レンジャー

待て!動くでない!

シュヴァルツ
シュヴァルツ

……聞こえましたか。

(節足動物の軋む音)

レンジャー
レンジャー

みな動くな、何かが近づいてくる。

フランカ
フランカ

!!

リスカム
リスカム

!!

レンジャー
レンジャー

わしらの足元じゃ!散開ッ!

リスカム
リスカム

フランカ、避けてッ!

(リスカムがフランカを突き飛ばす)

???
醜い変異生物

(咆哮)

シュヴァルツ
シュヴァルツ

シュヴァルツ
シュヴァルツ

な……なんですかこの生き物は?

リスカム
リスカム

これは……砂地獣?

フランカ
フランカ

こんな見た目してたっけ?

リスカム
リスカム

一匹、二匹……にしては多すぎる。

レンジャー
レンジャー

陣形を展開!戦闘準備じゃ!

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