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【明日方舟】メインストーリー9章19話「長夜の火花」行動前

アヘモニー
アヘモニー

最後の数か所を除いて、モナハン町はすでに制圧できたよ。

アヘモニー
アヘモニー

予想通り、駐留軍は私たちが主戦力をまだ控えてたことを予測できなかった。

アヘモニー
アヘモニー

彼らがさっきしていた目つきを見たかい?徹底的に壊滅させたはずの部隊が目の前に現れたんだ、まるで本物の亡霊でも見たような表情をしていたよ。

アヘモニー
アヘモニー

勝鬨を上げていた時に重い一撃を与えられた、もう戦意が残ってるヴィクトリア兵なんてそうそういないよ――

アヘモニー
アヘモニー

チッ、忘れてた、私のお仲間ちゃんたちがまだ郊外で拮抗していたんだった。

アヘモニー
アヘモニー

可哀そうに、今に至るまでずっと抵抗してきたのに、それでも何も変えられなかったなんてね。こちらが手を出さずとも、向こうはとっくに朽ち果てた軍隊のせいで疲労困憊だっていうのに。。

アヘモニー
アヘモニー

今マンドレイクがそっちに向かってるよ。彼女一人なら対処できる。

アヘモニー
アヘモニー

すべて順調にこちらの計画通りに進んでいるね――一つだけ除いて。

アヘモニー
アヘモニー

……ラフシニーが逃亡したこと以外は。

(???の足音)

???
???

ということは、私の僕たちは失敗したのだな。

アヘモニー
アヘモニー

正直私も驚いたよ。彼らはバカばっかりだけど、実力は確かなものなのにね。

アヘモニー
アヘモニー

けどまあ――もう彼らも必要ないよ。

アヘモニー
アヘモニー

野心が膨れ上がり過ぎているんだ、自分の利益をもぎ取るためなら、せっせと戦火を広げようとしてる、あまつさえラフシニーを利用して、君を騙ってこっそり企てようとしているからね。

アヘモニー
アヘモニー

けど、いずれ彼らは自分たちの欲望の炎によって呑み込まれるんだ、そしたら向こうに余計な気を逸らさないで済む。

???
???

お前はどうしたいんだ?

アヘモニー
アヘモニー

……お、オホン……

アヘモニー
アヘモニー

私かい?

アヘモニー
アヘモニー

君も知ってるくせに、私はただ……ゴールが見たいだけだよ。

アヘモニー
アヘモニー

私たちが初めて出会ったあの時、君に聞いただろう――

アヘモニー
アヘモニー

生の終着点が死であり、いくら秩序を再建しようといずれ必ず崩壊するのであれば、その道を進む人々は、一体どうやって次々とやってくる無意味な選択に耐え忍ぶんだろうね?

アヘモニー
アヘモニー

だから君は……私に手を差し伸べてくれたじゃないか。

アヘモニー
アヘモニー

君は私に消えていくはずだった魂が死後もまだ躍動できるところを見せてくれた。

アヘモニー
アヘモニー

だから、私はずっとこの目で見てみたいと思ってる、炎がすべてを焼き尽くしたあと、この大地が見せてくれる姿を。

???
???

貪欲だな、だが正直でもある。

アヘモニー
アヘモニー

ハッ……私とあのアホたちとの一番の違いは、いつウソをつけばいいかが分かってるところだよ。

アヘモニー
アヘモニー

それで、ラフシニーの件はどうするんだい?

???
???

我が妹、彼女は誰を選んだ?

アヘモニー
アヘモニー

あの子を助けた人はまだ判明できていない、ただ、その人たちはこの町でたくさんの人を救助していたよ。

アヘモニー
アヘモニー

大方……医療方面の救援組織かな?

アヘモニー
アヘモニー

正直、結構気になってるんだよね。その人たちはどうやらどこの国家ともつるんでないようなんだ、なんで私たちと敵対してるかはわからないけど。

???
???

ふふ、面白そうな連中だな。

アヘモニー
アヘモニー

潜り込もうか?

???
???

お前が決めるといい、我が謀臣よ。

???
???

私もいつかこの目でその者たちを見てみたくなった。

アヘモニー
アヘモニー

伝令があるから下に伝えといて、私たちの目標はあくまでヴィクトリア兵だけ、もしこれ以上一般人に手を出す輩がいれば、そいつはダブリンの敵と見なす。

ダブリン兵
ダブリン兵

承知致しました。

ダブリン兵
ダブリン兵

しかし、住民の全員が全員こちら側にいるわけではございません。

アヘモニー
アヘモニー

まずは私たちが彼ら側に立ってることを信じさせてもらわないと困るでしょ?

アヘモニー
アヘモニー

こんなにも大きな傷を生み出してしまったんだ、その際人々に必要なのは救いの手であって、さらなる厳格な管理ではないよ。

アヘモニー
アヘモニー

そうだ、支援者に対しても手出しは無用だよ――少なくともモナハン町にいる間、住民の前では決して手を出さないこと。

アヘモニー
アヘモニー

火はもう十分大きく燃えたんだから、そろそろ消し時だよ、じゃないと全部燃え尽きちゃってなんにも残らなくなるからね、そしたら全部無駄骨だよ。

アヘモニー
アヘモニー

もうすぐだ、傷が癒えた後、住民たちは誰が自分たちを悲惨な目に遭わせたか、そして誰が自分たちを地獄から救い出してくれたか分かってくるから。

アヘモニー
アヘモニー

ダブリンの戦士はヴィクトリア兵とは違う――

アヘモニー
アヘモニー

この印象は傷が癒えていくと共に、蘇った都市の心臓に永遠に刻まれることになるんだ。

ダブリン兵
ダブリン兵

……では外にいる人たちはどうされましょう?我々が今手を引いても、あの者たちの目には届くでしょうか?

アヘモニー
アヘモニー

見たいと思ってる人ならとっくに目に入れてるよ。

ダブリン兵
ダブリン兵

それだけでよいのですか?

アヘモニー
アヘモニー

もちろんさ、私たちがこれまでやってきたことを何だと思ってるんだい?

アヘモニー
アヘモニー

タラト人のために鬱憤を晴らすため?そんなこと本気なわけあるかい?君も私もタラトとなんの関係もないじゃないか。

アヘモニー
アヘモニー

じゃあモナハン町を占領するため?そんなことは身勝手でバカなピエロしか思いつかないよ。今のヴィクトリアは不安定だが、大公爵の軍隊が出動すれば簡単に一つの移動都市を灰にできるんだよ。

アヘモニー
アヘモニー

私たちが今すべきことは、ただこの火を点けることだ、ヴィクトリア全域から見えるぐらいにね。

アヘモニー
アヘモニー

この火の中から、ある人は利益を嗅ぎつけ、またある人は恨みを晴らしに来た、さらには信仰を見つけ出した人もいる――少しは喜ぶべきだろう?

アヘモニー
アヘモニー

行こう、まだ最後の仕事が残ってるんだ。

アヘモニー
アヘモニー

やるべきことをやり終えたら、私たちも撤収だ、裏切者がずっと表舞台で騒いでたら、ピエロより惨めに見えちゃうからね。

アヘモニー
アヘモニー

次の登場まで、大人しくヴィクトリアが自分たちのために用意した墓に戻る、それがゴースト部隊のやるべきことだ――違うかい、ヒール?

“市街地はすべて陥落、通信もロスト、各部隊と連絡が取れず……”
“敵軍が基地に侵攻中、火力差がありすぎて、自分たちじゃ防ぎきれません!”
“報告……”
“司令部に通達、すぐに撤退されたし、すぐに撤退されたし、すぐに――ああああ!”

(無線が切れる音)

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

――

(ヴィクトリア兵が駆け寄ってくる)

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

大佐!自分たちもそろそろ行きましょう!

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

ここももうじき破られます、敵もすでに我々を包囲して――

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

……行く?どこに行くと言うのだ?

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

話はまず脱出してからにしましょう!モナハン町はもう終わりです!

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

終わりだと?この※ヴィクトリアスラング※が黙っていろ!

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

私がいる限り、この町は終わることなく、永遠にヴィクトリアのモナハン町であり続けるのだ!

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

あいつらが手加減するわけないじゃないですか、大佐、あいつらはヴィクトリア兵に対して手加減無用の連中なんですよ……ですからはやく自分たちと一緒に撤退しましょう!

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

……

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

お前はもう行け。

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

大佐――!

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

なにを突っ立っている?逃げるがいいさ、尻尾を撒いて、首を垂れながらここから逃げ出せばいい!もう二度とお前の顔を見せるな――それとも今ここで私の手にかけて死にたいのか!

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

……分かりました、ではお先に失礼致します。

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

どうか……どうかご無事で!

(ヴィクトリア兵が走り去る)

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

……ふん。

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

ご無事で?ここは戦場だぞ?

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

軍人が逃げるだと、言語道断だ。

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

――私のサーベルは?

ハミルトン大佐
ハミルトン大佐

ここにあったか、相棒……高速戦艦を降りてから、硝煙の匂いはもう久しく嗅いでいなかったな?

外で鳴り響く砲撃音と悲鳴が徐々に近づいてきて、しばらくの静寂が訪れた。
その後に続いて来たのは大勢の足音、ピタリとドアの前で止まったのだ。

暗闇の中で、ハミルトン大佐は座っていた椅子から立ち上がり、軍服のネクタイを整え、ドアへと近づいた。
胸を張り、制式サーベルを抜き出し、ドアへ向ける。
火が押し寄せてきた。

「我が騎兵サーベルと共に、ヴィクトリアと共に!」

(無線音とホルンの走る足音)

ホルン
ホルン

オーボエ、チェロとすでに通信タワーの下に到達した!

ホルン
ホルン

そっちの様子はどう?

???
オーボエ

隊長、一番から七番プラットフォームにはすでに爆薬を設置しました、あとは敵を待つだけです!

(無線が切れる音)

ホルン
ホルン

結構、では一番から始めよう――

(爆発音)

ホルン
ホルン

よし、敵を惹きつけた!移動の間は気を付けて!

ホルン
ホルン

チェロ、タワーに登るわよ!

ホルン
ホルン

オーボエ、二番と三番も爆破!

(爆発音と無線音)

ホルン
ホルン

……オーボエ、大勢の術師がそっちの通路に向かった、注意して!

ホルン
ホルン

あの術師たちの攻撃手段に注意して、とても強力なエネルギーの集束をこちらで観測した――

ホルン
ホルン

敵と距離を保て!

ホルン
ホルン

……

ホルン
ホルン

いや、すぐに撤退しろ!オーボエ、班を連れて通路から脱出して!

ホルン
ホルン

敵のアーツ範囲が広すぎる、向こうはあなたたちを探すつもりはない、直接火の玉でプラットフォーム全域を焼き尽くすつもりだ!

(無線音)

???
オーボエ

了解しました、隊長、じゃあどっちが速いか競走ですね。

(爆発音の後、周囲に炎が広がる)

ホルン
ホルン

――

ホルン
ホルン

オーボエ……!

ホルン
ホルン

チェロ、オーボエたちが時間を稼いでくれた、あなたはそのまま上を目指して!

ホルン
ホルン

コントロールパネルを見つけたら、すぐに情報を発信して!

ホルン
ホルン

その間私はタワーの下を死守する、あなたが上に着くまで援護するから。

ホルン
ホルン

五分間よ、約束する、五分間、誰一人登らせはしないから。

ホルン
ホルン

砲撃、よーい――

(爆発音)

ホルン
ホルン

……上の状況はどうなってる、チェロ?

???
チェロ

あと10メートルです……うわっ……!

(矢が掠める音)

???
チェロ

上にまだ敵がいたの!?

???
チェロ

います……クロスボウ使いです!八時の方向!

ホルン
ホルン

……くっ……敵の数が多すぎる!

ホルン
ホルン

私が行けば、タワーは侵入される……

ホルン
ホルン

狙いは外れた……距離が遠すぎる、完全に私の射程外だ!

???
チェロ

そんなことよりはやく……ッ!

ホルン
ホルン

ダメよ、このままじゃ、コントロールパネルに触れる前に、あなたは失血死してしまうわ!

ホルン
ホルン

遮蔽物を探して!

???
チェロ

このまま引き摺ってても……時間の無駄です!隊長、そっちだって……怪我してるはずですよね!

ホルン
ホルン

私なら問題ないわ……ゴホッ……

???
チェロ

ウソ言わないでください。隊長、もう六分過ぎました。そっちの敵の数はどれくらいです?二十ですか?三十ですか?それとももっと?

ホルン
ホルン

それは……

???
チェロ

喋る暇もないぐらいですか?

???
チェロ

あと7メートルです、今すぐ向かい――

(銃撃音)

???
チェロ

……どうした?

???
チェロ

うっ……はぁッ!隊長、こっちは無事です!何者かがクロスボウ使いを倒しました!

ホルン
ホルン

なんですって?まさか……

(斬撃音)

バグパイプ
バグパイプ

隊長ォ!!!来ましたよ――

ホルン
ホルン

あっ……あはは……まったく……

バグパイプ
バグパイプ

もうしばらく持ちこたえてください!ほんの少しでいいんで!ウチが先にこの火を吹いてる連中を倒します!

ホルン
ホルン

チェロ、バグパイプが敵を惹きつけてる間に、はやく!

???
チェロ

……隊長、コントロールパネルを開きました!もう少し……で……

???
チェロ

ぐあッ……!

(爆発音)

ホルン
ホルン

どうしたのチェロ!?

???
チェロ

い……石です……隊長……気を付け……

ホルン
ホルン

どういう意味よ!?!?

バグパイプ
バグパイプ

――隊長ッ!

(落下音と爆発音)

バグパイプはホルンを押しのけ、二人とも勢いのまま片側へ押し倒れていった。
一本の巨大な石柱が素早くタワーの上から落ちていき、ホルンが立っていた位置に深い穴を開けた。

バグパイプ
バグパイプ

こんなプラットフォームのどっから石柱が……?

バグパイプ
バグパイプ

えっ……ゴースト部隊の術師!?

(マンドレイクの足音)

マンドレイク
マンドレイク

コレってあんたたちの関係者?

バグパイプ
バグパイプ

チェロを殺したのか!!

マンドレイク
マンドレイク

私の許可も得ずに勝手に人のモノには触れてほしくないのよね。

バグパイプ
バグパイプ

なにが人のモノだべ!?ゴースト部隊がモナハン町に進攻してくたくせに!

ホルン
ホルン

――

(爆発音)

マンドレイク
マンドレイク

フッ……ハッ!挨拶もなしに撃ってきた?

マンドレイク
マンドレイク

それがヴィクトリア軍の礼儀なの?

(爆発音)

マンドレイク
マンドレイク

……あんた!気でも狂った!?そっちの攻撃がまったく私に効いてないのが見て分からないわけ?

ホルン
ホルン

……石。

ホルン
ホルン

(どの角度もスキがない。)

ホルン
ホルン

(弾が飛んできた瞬間、周囲にある石で防いでいるんだわ。)

バグパイプ
バグパイプ

(あいつのアーツでしょうか?)

ホルン
ホルン

(……チェロを見て。)

バグパイプ
バグパイプ

(全部石矢でできた傷でしょうか?けど肝心の石矢が見当たらない……あいつは石を操って防御できるほか、石を創り出して攻撃もできるということでしょうか?)

バグパイプ
バグパイプ

(だったら厄介ですね。)

ホルン
ホルン

(まずはあいつがどこまでやれるか試す。きっとスキが生まれるはずだわ。)

(斬撃音)

マンドレイク
マンドレイク

チッ、もしかして自殺でもしたいのかしら。

マンドレイク
マンドレイク

あんたの弾薬はとっくの私の戦士たちによってそろそろ底をつくはずよね。これ以上撃ち続けたら、すぐ攻撃手段を失って、無駄死にするだけよ。

マンドレイク
マンドレイク

アヘモニーのやつ、私が来る前に何度も説明していたわ、あんたたちがどれほど強いのかって。

マンドレイク
マンドレイク

ハッ、これがヴィクトリア軍の本当の素顔だってよく言えたものね……見てみなさいよ、手も足も出ず、退路も失った、それが王立前衛学校の優等生の実力?

マンドレイク
マンドレイク

私からすれば駐留軍と大して変わらないわね……取るに足らないわ!

ホルン
ホルン

……ヴィクトリア軍が嫌いなの?

マンドレイク
マンドレイク

違う。

マンドレイク
マンドレイク

兵士は嫌いじゃないわ。誰の指揮に従っていようと、みんな戦場で命を張ってる可哀そうな人たちだもの。

マンドレイク
マンドレイク

私が嫌いなのはあんたたちみたいな人よ。

マンドレイク
マンドレイク

生まれがよかったからって、私たちを足で踏みつける資格でもあるかのように思い込んでる――

マンドレイク
マンドレイク

……あんたたちが私の足元で土下座してる光景より甘美な光景なんてないわ。

マンドレイク
マンドレイク

さあ、貫け――!

マンドレイク
マンドレイク

まだ私の攻撃を防ぐ力が残ってるのね?

マンドレイク
マンドレイク

ループス、あんた結構タフじゃない、私を見かけた瞬間腰を抜かしたあなたの貴族仲間よりは大したものだわ!

マンドレイク
マンドレイク

まだ分からないの?あんたたちにはこれっぽっちの勝機もないのよ!

マンドレイク
マンドレイク

モナハン町にいる人はもう全部こっち側、そっち側の人間なら死んだか、それかとっくに投降でもしてるわよ。

マンドレイク
マンドレイク

ついでに教えてあげるけど、あんたとその部隊がモナハン町に入ってから、一度も私たちの目から逃れられたことはないのよ。あんたの一挙手一投足は、すべて把握していたわ。

ホルン
ホルン

くっ……駐留軍にスパイを潜らせたのか?

マンドレイク
マンドレイク

自分が失敗した原因は運がなかった、自分に実力が足りなかった、判断をミスしたから、チャンスの逃したとでも思ってるの?

マンドレイク
マンドレイク

そんなわけあるか!運命は一度もそっち側に立っちゃいなかったからよ!

マンドレイク
マンドレイク

ヴィクトリアが――すでにあんたたちを見捨てたからよ!

マンドレイク
マンドレイク

あの何も知らないまま戦場で命を落とした戦士なんかよりあんたたちのほうがよっぽど惨めだわ――喜んでヴィクトリアのために血を流したのに、国によって捨て駒にされたのよ!

ホルン
ホルン

それってつまり……スパイは一人だけじゃなく……

ホルン
ホルン

軍にいる大勢の人が……上層部でさえ……そっち側に立ってるってこと?

ホルン
ホルン

じゃあ……あなたたちのボスの……目的はなんなの?

ホルン
ホルン

……

ホルン
ホルン

もしかして……ヴィクトリアの王位?

ホルン
ホルン

なんの……ために?

マンドレイク
マンドレイク

黙れ!

マンドレイク
マンドレイク

この――アスランの下僕風情が、首領の高貴さを口にできる資格があるとでも?

ホルン
ホルン

ふっ……あはは……

マンドレイク
マンドレイク

なに笑ってんのよ!?

ホルン
ホルン

あんたを笑ってんのよ、自分の矛盾してることに対してね……

ホルン
ホルン

お高く留まってる貴族や金持ちに牙を向きながら、自分の誰よりも高貴な“首領”を崇拝してることに――

ホルン
ホルン

これ以上に笑える話があるわけないじゃない?

マンドレイク
マンドレイク

……あんたになにが分かるのよ!

マンドレイク
マンドレイク

首領は……あのお方の高貴さは血統だけじゃない!あのお方は……力も、優しさもある……

マンドレイク
マンドレイク

ハッ、なるほど。時間稼ぎするつもりね、私から少しでも情報を聞き出そうって算段でしょ、違う?

マンドレイク
マンドレイク

そんな小細工が通用するとでも?

マンドレイク
マンドレイク

あんたに言っちゃいけないことを言ったからって、なによ?

マンドレイク
マンドレイク

一生この通信タワーに登ろうなんて思わないことね――

マンドレイク
マンドレイク

今これを聞いた人は、死んじまったヤツじゃなければ、もうすぐ死ぬヤツしかいないんだから!

ホルン
ホルン

……ならもう少し頑張らないとね、フェリーンちゃん。

マンドレイク
マンドレイク

この……!

マンドレイク
マンドレイク

確かにあんたは中々やるわ、武器のコントロールもとても正確。ずっと砲撃の方角を調整して、私のアーツのスキを窺ってるんでしょ。

マンドレイク
マンドレイク

けど残念だったわね――もし重傷も負わず、弾薬も十分な量があれば、もしかしたら私に傷を付けれたかもしれないのに。

マンドレイク
マンドレイク

以上よ、そろそろお喋りも終いにしましょうか――

ホルン
ホルン

今よ!!

(爆発音)

マンドレイク
マンドレイク

な……に?石柱が急に倒れて……私に倒れてきた……?

バグパイプ
バグパイプ

ずっと合図をころころ変えられて、腕が痺れそうでしたよ!

マンドレイク
マンドレイク

あのヴィーヴルッ……!

マンドレイク
マンドレイク

うやむやに攻撃してただけかと思ったら、狙ってたのは私じゃなく、タワーの下にあった石柱だったとはね……

マンドレイク
マンドレイク

クソ……クソッ!なんでそれが分かった!?

バグパイプ
バグパイプ

隊長、周囲に浮いてる石がなくなりました。

ホルン
ホルン

……結構。

バグパイプ
バグパイプ

やっぱり、ウチらの予想は当たってました、あいつのアーツは臨機応変ですけど、同時に一つのことしかできない――

バグパイプ
バグパイプ

石を盾にするも、石矢を飛ばしてくるにしても、アーツを放つほんの間、スキを見せます!

ホルン
ホルン

石柱があいつの石盾を破った今のうちに――攻めるわよ!

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