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【明日方舟】ニアーライト NL-ST-1「繁栄へ」翻訳

「都市とは怪物だ、人を残らず呑み込み、それでも私たちはその腹の中にいることでありがたさを見出さなければならない。」
「生活が私たちを消化し、骨と血肉が排泄される一方、残されるのは都市を突き動かす養分だけだ。」
「それで文明は繁栄へと向かってきた。」

(大歓声)

ビッグマウスモーブ 
ビッグマウスモーブ 

カジミエーシュ国立競技場へようこそ!ようこそ、カジミエーシュメジャーリーグへ!私は皆様の古き相棒の――ビッグマウスのモーブだ!

ビッグマウスモーブ 
ビッグマウスモーブ 

長い長い予選を経て、カジミエーシュ全土で待ち望んできたカジミエーシュ騎士メジャーリーグ本選が、今日より一回目の試合を迎える!

ビッグマウスモーブ 
ビッグマウスモーブ 

決闘、レース、スタイル競技、三つのジャンル、八つの項目と、四十三の小項目、栄誉も、財も、無数の騎士団と騎士たちがメダルの数を競い合う!

 

観客席の騎士
観客席の騎士

……なぜモーブがメジャーリーグの解説員になってるんだ?裏でどっかの代弁者に金でもつぎ込んだのか?

ポップコーンを持った騎士
ポップコーンを持った騎士

金だぁ?本当に金をつぎ込んでるってんなら、いくらつぎ込めばなれるんだよ?

観客席の騎士
観客席の騎士

モーブはよく喋る、こんな大舞台で、万が一口を滑らせたらどうなるんだろうな?

ポップコーンを持った騎士
ポップコーンを持った騎士

ハッ、知ってるか、この前名実況者のもじゃ髭のケイジがいただろ、そいつはメジャーリーグでとある大騎士様を“からかった”せいでな……

ポップコーンを持った騎士
ポップコーンを持った騎士

その二日後には人がいなくなっちまったんだ、ポップコーンいるか?

観客席の騎士
観客席の騎士

ふっ、責任を取って仕事が切られたんだろ、よくあることだよ。

ポップコーンを持った騎士
ポップコーンを持った騎士

(咀嚼音)俺が言ったのは消えたのであって(咀嚼音)辞職じゃねぇ。わかるだろ。

観客席の騎士
観客席の騎士

えっ……それ本当か?

 

ビッグマウスモーブ 
ビッグマウスモーブ 

八つの大騎士団、六十四の騎士団、及びあえて我が道を歩む二人の独立騎士が、今日このメジャーリーグ会場へと集って来てくれました!

ビッグマウスモーブ 
ビッグマウスモーブ 

カジミエーシュ騎士メジャーリーグは、テラ全土へ、騎士の美を示し、騎士の雄姿を見せつけましょう!

ビッグマウスモーブ 
ビッグマウスモーブ 

本日の一試合目は、ブレードヘルメット騎士団とミスト騎士団による対決が行われる!双方の十人の騎士たちは、一体それぞれの騎士団にどれだけのポイントを獲得できるのでしょうか!?

ビッグマウスモーブ 
ビッグマウスモーブ 

巨額の賞金プールも今この時ですらその金額を伸ばし続けています、カジミエーシュの各競技場で行われる消費は騎士への配分額としてメジャーリーグの賞金へと宛がわれるでしょう!

ビッグマウスモーブ 
ビッグマウスモーブ 

一体どの騎士団が一番多くのトロフィーを獲得できるのでしょうか?一体どの騎士が決闘から勝ち抜き、今大会のチャンピオン騎士になり得るのでしょうか?

ビッグマウスモーブ 
ビッグマウスモーブ 

刮目して――期待しましょう――!

5:43p.m. 天気/晴れ
大騎士領カヴァレルエルキ、チャンピオンウォール展示会場

代弁者マギー
代弁者マギー

サイズは如何かな?マルキェヴィッチさん?

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

……おかげさまで。

代弁者マギー
代弁者マギー

そうおっしゃらずに、身の丈に合う礼装に袖を通すことは、我々の通らねばならない道ですからね。

代弁者マギー
代弁者マギー

仕立て屋の連絡先はまだお持ちかな?これからもそこを利用すると思いますので。

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

……

代弁者マギー
代弁者マギー

すまないが、ワインを一杯頂きたい、どうも。

代弁者マギー
代弁者マギー

なにかお考えのようですね?

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

いえ、なんでも……

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

私はただ感嘆してるだけだと思います、こうも盛大な宴会場なものですので……

代弁者マギー
代弁者マギー

ふむ……“だと思う”とな。

代弁者マギー
代弁者マギー

きっとまだ正気に戻られていないのでしょう、チャルニーさんのことならこちらも遺憾に思っておりますよ。

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

……!

代弁者マギー
代弁者マギー

彼はとても真面目な方でした、会社の職員としてでも、連合会の代弁者としてでも、大いに力を尽くされた。

代弁者マギー
代弁者マギー

実を言うと私は彼のことを代弁者になった後から知りましてね、メジャーリーグの仕事方面において、私は新人で、彼は先輩でした。

代弁者マギー
代弁者マギー

彼は常識ある人間にいつも友好的に接していました、そうですよね?

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

おそらくは……

代弁者マギー
代弁者マギー

曖昧な言い分はもうよしてください、ほら、笑顔の一つでも見せてくださいよ。

(大歓声)

代弁者マギー
代弁者マギー

今日はまだ開会式の二日目です、それにチャンピオンウォールを展示する絶好日和ではありませんか、そこの駐在員が辛気臭い顔をしてはなりませんよ。

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

そ、そうですね、申し訳ありません……

代弁者マギー
代弁者マギー

その弱腰もいい加減よそう、マルキェヴィッチ、“あなた”なども結構だ、堅苦しくて、コミュニケーションがスムーズに行かん。

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

どうしました?なにか動きでもあったのですか?

代弁者マギー
代弁者マギー

ふむ。

代弁者マギー
代弁者マギー

騎士の特別ゲストがいらした、時間は……見てくれ、彼女はいつもよく時間を守ってくれる、ほかの騎士たちにも見習ってほしいものだ。

代弁者マギー
代弁者マギー

少しだけ失礼させてもらうよ、それと、今の君ならここにある飲み物を無料で飲められるんだ、一杯ぐらい楽しんでいくといい。

代弁者マルキェヴィッチ
代弁者マルキェヴィッチ

はい、わかりました……

代弁者マギー
代弁者マギー

甘美な微醺だ、楽しまなきゃ損するぞ。

代弁者マギー
代弁者マギー

ミス・ドロスト、またお会いしましたね。

ドロスト
ドロスト

ごきげんよう、時間通りでしょうか?

代弁者マギー
代弁者マギー

ごきげんよう、またご参加して頂き感謝致します。

代弁者マギー
代弁者マギー

燭騎士の輝きがあれば、今宵の開幕パーティにより一層の彩りが加わると信じておりますよ。

6:15p.m. 天気/曇り
大騎士領カヴァレルエルキ、商業連合会本部ビル、応接室

プラチナ
プラチナ

……

プラチナ
プラチナ

…………

プラチナ
プラチナ

あの――

???
???

あ、大丈夫だよ、プラチナちゃん、俺たちもなにかするつもりはないから……ただ、仕事だもんな、そうだろ?

???
???

いつだってそういうフリはしておかないといけないからな。

プラチナ
プラチナ

……

プラチナ
プラチナ

私の過失でした。

???
???

はぁ、過失過失って……俺たちは普通のサラリーマンじゃないんだ、この業界にいると、“過失”って言えば下手したら命を失っちまうぞ。

???
???

本当さ。

プラチナ
プラチナ

……

???
???

今回はまだマシだったよ、耀騎士が感染者居住区に侵入してしまっただけだからな……あ、でもお前確かモニークの件でやらかしてたよな。

???
???

彼女の任務はドローンで違法居住地区を“ドン”“ドカーン”して、それからレッドパイン騎士団をゼロ号地に連れて行くはずだったな。

???
???

本当なら楽チンな仕事だったんだが、それがどうなった、耀騎士がお出ましになって、全部パーだ。

???
???

彼女かなりカンカンだぜ、わかるだろ?元からあんな性格なんだ、もし賞金獲得の邪魔なんかしたら、余計厄介になっちまう。

プラチナ
プラチナ

……モニークのターゲットなんて知らなかったから……

???
???

いいや、お前は知っていた。まあ知っていようが知っていまいがどっちも言い訳にしかならんけどな。

???
???

なぜならお前の任務は“感染者の追跡調査”だったからだ、俺は最初から言ってたぞ、そろそろ別の仕事に移る必要があるってな、違ったか?

プラチナ
プラチナ

……

???
???

まあまあまあ、そんな硬い顔すんなって、いや、それとも元からそんな顔だったかな、ペガサスちゃん?

プラチナ
プラチナ

……

???
???

毎月十七八回も休暇申請してくるヤツが真面目とは言えないだろうけど……はぁ、まあいい。

???
???

耀騎士が感染者居住区に突っ込んでいったことに感謝するんだな、手に弓を持った謎のキラーと殺りあったってニュースが新聞に出ていないんだからよ。

???
???

ほとんどのメディアは俺たちと提携してるからいいが、こういうネタを潰すのにも結構金がかかるんだぜ、あいつらは金になるチャンスを一瞬たりとも見逃さないからな。

プラチナ
プラチナ

……責任は負います。

???
???

そういう自覚があるのならいいことだ、まあこれが何回も起こったら背負いきれなくなるがな。理事会からそんな給料もらってないんだろ?

プラチナ
プラチナ

申し訳ございませんでした。

???
???

はぁ、もうわかったよ、俺もグチグチ言うのは得意じゃないんだ。

???
???

俺たちはまだいい同僚仲間でいられるよな?

プラチナ
プラチナ

そう思っているのでしたら、そのように致します、ロイ様。

ロイ
ロイ

おいおい、そんな風に呼ばれちゃ水臭いだろ?“プラチナ”のセントレアちゃん……ほら、名前を呼ばれちゃなんだから悲しいだろ?やっぱりニックネームで呼ぼうや、ペガサスちゃん。

プラチナ
プラチナ

ペガサスならカジミエーシュにごまんといますけど。

ロイ
ロイ

お前のことを指してるって分かってくれればいいんだよ……そうだ、それともう一つ、今度のこれは真面目話だ。

プラチナ
プラチナ

あなたの口から出たことで、真面目じゃない話として聞いたことなんて一度もありませんよ。

ロイ
ロイ

ならお前はちょっと俺に誤解してるようだな、俺がお前に伝えてるのはどれも些細なことだ、大事に関してはと言うと……あはは。

ロイ
ロイ

そうだなぁ。お前、シェブチックの息子を見逃してやったらしいな?

プラチナ
プラチナ

……その時すでにチャルニーは解雇処分されていましたので、彼の言うことに耳を貸して、子供一人を手にかける必要はなかったかと。

ロイ
ロイ

ほう、素直だな、まあ心配すんな。

ロイ
ロイ

チャルニーも可哀そうな人だったが、厄介なのはそれじゃないんだ……簡潔に言うと、シェブチックが失踪した。

ロイ
ロイ

合成樹脂騎士は名門とは言わないし、どちらかと言うと騎士競技で這い上がって来た典型例ではあるが……

ロイ
ロイ

本来なら始末するつもりもなかったが、仮にもあいつはロアーガードの財産だ、ほかの連中に先を越されてはまずい。いずれ連合会から文句を言われちまう。

プラチナ
プラチナ

誰の仕業かわかりましたか?

ロイ
ロイ

感染者だよ。

プラチナ
プラチナ

……あの、分からないんですが、感染者騎士の数人がかりだけで、そこまでできるのでしょうか?

ロイ
ロイ

さあね、プラチナちゃん、それこそ俺たちで明らかにしなくちゃならないことだ。

ロイ
ロイ

ただ一点だけ勘違いしないでくれよ。

プラチナ
プラチナ

なんでしょうか。

ロイ
ロイ

俺たちが今から直面するのは、カジミエーシュ全土にいる感染者たちだ、“ただの数人”ってだけじゃない。

ロイ
ロイ

ミェシェンコ工業からはすでに新しい地区ブロックを八つも交付してくれた、ゼロ号地もそろそろ使えそうになる。

ロイ
ロイ

言っただろ?これから忙しくなるって。

プラチナ
プラチナ

了解しました。

ロイ
ロイ

……うんうん、わかったのなら結構。オホン。それと……

プラチナ
プラチナ

……

ロイ
ロイ

ふぅ……今日は熱いな、そう思わないかい、ヘルメットを被らなくていいのはラッキーだったぜ……

プラチナ
プラチナ

……?

ロイ
ロイ

なんだ、俺の変化がわからないのか?

プラチナ
プラチナ

……あ。

プラチナ
プラチナ

髪の毛染めました?

ロイ
ロイ

尻尾もだよ、ていうか全身、どう?似合う?

プラチナ
プラチナ

お似合いです。

ロイ
ロイ

そんな面倒臭そうな顔をしながら言われてもねぇ。

プラチナ
プラチナ

そちらの個人的なことですので、私が質問するほど必要もないのでは?

ロイ
ロイ

でもさぁ、お前は“プラチナ”だぜ、真っ白い髪の毛に、真っ白い恰好。モニークだってヴィクトリア人で、生まれつきの青い髪に、全身ラズライト色の制服だ、お似合いじゃないか。

ロイ
ロイ

だが俺だけ真っ黒なんだぜ、もしモニークの傍に立ったら便所掃除の人みたいになるだろ、俺だけチームカラーに合わないっていうかさ。

ロイ
ロイ

だから企業の印象も考慮して、染めてみたってわけよ、はは。

プラチナ
プラチナ

……あなたが……

ロイ
ロイ

ん?

プラチナ
プラチナ

あなたが喜んでるのならいいんじゃないでしょうか。

1:22p.m. 天気/晴れ
大騎士領カヴァレルエルキ、都市区域の狭間、感染者居住区

(ソーナが駆け寄ってくる)

ソーナ
ソーナ

……ただいま!

ユスティナ
ユスティナ

……結構時間かかったね、ソーナ。

ソーナ
ソーナ

いや~、ちょっと色々起こってね。

ユスティナ
ユスティナ

……

ユスティナ
ユスティナ

灰豪から聞いた、あの時のあの“工業事故”で、耀騎士に助けられたんでしょ?

ソーナ
ソーナ

あはは、これが有名人の影響力ってことなのかな、なんかもうみんな知ってるような感じするけど……

ユスティナ
ユスティナ

彼女は……

ユスティナ
ユスティナ

彼女はどんな人だった?

ソーナ
ソーナ

あら、珍しいね、ユスティナが他人に興味を抱くなんて。

ユスティナ
ユスティナ

……故郷。

ユスティナ
ユスティナ

私の実家には、競技場があった。

ユスティナ
ユスティナ

そこの小さな競技場では試合なんか行われることはなかった、ただ周りの勢いに乗って建築しただけ。

ユスティナ
ユスティナ

私はあの時から……騎士に憧れを抱き始めていた、耀騎士の伝説もそこで聞きながら育ってきた。

ユスティナ
ユスティナ

もう何年も前になる。

ソーナ
ソーナ

そうなの?それ初耳なんだけど。

ユスティナ
ユスティナ

じゃあ君は小さい頃自分がどういう子供だったか私に聞かせたことある?

ソーナ
ソーナ

ギクッ!それは確かにそうかも、じゃあお互いこれから昔話とか話したほうがいいかな?

ユスティナ
ユスティナ

……遠い道のりだった。

ユスティナ
ユスティナ

あんな遠い道のりを経て大騎士領までやってきたのは、故郷を追憶するためなんかじゃない。

ソーナ
ソーナ

そんな硬いこと言わないでよ、ちょっくら身の内を明かすだけじゃない。

ユスティナ
ユスティナ

身の内を明かす……うん。

ユスティナ
ユスティナ

私たちが堂々とスイーツ店に座れる日が来たら、午後の時間をまるごと使って語り明かそう、灰豪と野鬣も呼んで、午後はずっと。

ソーナ
ソーナ

……いいね。

ユスティナ
ユスティナ

それで……彼女はどんな感じの人だった?

ソーナ
ソーナ

それについてだけど、実を言うとね、うーん、ちょっと挨拶を交わした程度なんだよね。あっちがアタシの顔を憶えてるかどうかすら怪しいと思うな、状況が状況だったからね。

ユスティナ
ユスティナ

……

ソーナ
ソーナ

そ、そんなガッカリしないでよ、アタシだって無冑盟が殺しに来てる最中に呑気にチャンピオンとお喋りなんかできないでしょ?

ソーナ
ソーナ

でも、彼女はアタシみたいな感染者を助けてくれた、アタシが誰かに狙われてると知っていながらね。

ユスティナ
ユスティナ

……うん。

ユスティナ
ユスティナ

きっと彼女は本当にあの耀騎士なんだろうね。あの……感染者たちが想像してる耀騎士なんだ。

ソーナ
ソーナ

なによそれ――そんなことより、そっちが助けたあの可哀そうな人はどうなった?あの親父さんのことだけど。

ユスティナ
ユスティナ

彼なら――

???
???

俺がどうなったかって?

合成樹脂騎士
合成樹脂騎士

……こっちはいつでも準備はできているぞ、感染者。

合成樹脂騎士
合成樹脂騎士

あの低俗な人殺しどもに代償を払わせてやる。

年長な騎士
年長な騎士

アーミヤさん、それとロドスのドクターさん、どうぞお入りください、ここが皆さんのお部屋になります。

年長な騎士
年長な騎士

お二人のお部屋は上の階にございます、医療項目にご参与くださるお医者様の方々のお部屋なら十二階にございます。

アーミヤ
アーミヤ

ありがとうございます、マダム。

年長な騎士
年長な騎士

ふふ……そう畏まらなくても結構ですよ、アーミヤさん。

年長な騎士
年長な騎士

まさかロドスの指導者が、こんな若くて可愛らしいコータスの女の子とは思ってもいませんでした、若さとはいいものですね。

アーミヤ
アーミヤ

そ、そんなことは……

ドクター
ドクター

・ロドスにとってアーミヤは必要不可欠な存在です。
・アーミヤはずっととても努力していますよ。

アーミヤ
アーミヤ

ど、ドクター……

年長な騎士
年長な騎士

うふふ、照れてらっしゃるのですか?

年長な騎士
年長な騎士

本当に可愛らしい子、私にも孫娘がいたら、きっとあなたぐらいになっていたでしょうね。

アーミヤ
アーミヤ

あっ……

年長な騎士
年長な騎士

あらあら、お顔まで真っ赤。

年長な騎士
年長な騎士

けど、ごめんなさいね、皆様は特殊なご身分をされておりますので、面会は分割で行わせて頂きますね。

アーミヤ
アーミヤ

はい……お構いなく、こちらも理解しておりますので。

年長な騎士
年長な騎士

ですので……“グラベル”。

セノミー
セノミー

なんなりと。

年長な騎士
年長な騎士

こちらは第四階級の征戦騎士、“グラベル”と呼んであげてください、あなたと同じく若くて頼りになる青年の騎士でして……

グラベル
グラベル

……お初にお目にかかります。

年長な騎士
年長な騎士

お二人のカヴァレルエルキでの身の安全は彼女が担当致します、なにかございましたら、彼女にお任せください。

年長な騎士
年長な騎士

各国からいらした賓客や、御社のような秀でた提携パートナーがメジャーリーグ期間中に被害に遭わせるわけにはいきませんのでね。

アーミヤ
アーミヤ

はい、承知しております。

年長な騎士
年長な騎士

ありがとうございます、では皆様のご休憩をお邪魔するわけにもいきませんので、残りの時間は若い方々にお任せ致しましょう。

年長な騎士
年長な騎士

グラベル、しっかりとロドスの皆様をお守りするのよ。

(年長な騎士が去る)

グラベル
グラベル

承知致しました。

グラベル
グラベル

では……私は外で待機しておりますので、なにかございましたら、いつでもお呼びくださいませ。

アーミヤ
アーミヤ

わかりました、えっと、グラベルさん。

グラベル
グラベル

……

ドクター
ドクター

・アーミヤアーミヤ、なんかじっと見られてない?
・……
・あの、まだ何か?

グラベル
グラベル

一つ……近づいてもよろしいですか?そう、そのまま、はい。

グラベル
グラベル

……ちゅっ――

アーミヤ
アーミヤ

――!?

グラベル
グラベル

あら?お顔が赤いですよ?これは初対面の時の挨拶なんです、他意はありませんよ。

グラベル
グラベル

では、カジミエーシュ騎士のグラベル、どうぞよしなに、うふふ。

(グラベルが立ち去る)

アーミヤ
アーミヤ

……

アーミヤ
アーミヤ

さ……さっき……

ドクター
ドクター

・“初対面の挨拶”、そう言ってたな。
・……
・カジミエーシュ人は変わった挨拶をするものだな……

アーミヤ
アーミヤ

オホン、キスは一部の貴族の間で行われてる挨拶の形式であると聞いたことあります……な、なら騎士の間でも……

アーミヤ
アーミヤ

そういう意味ですよね……?たぶん……

アーミヤ
アーミヤ

……ふぅ……

ドクター
ドクター

・緊張してる?
・……
・やっと終わった。

緊張してる?……やっと終わった。
アーミヤ
アーミヤ

あっはい……少しだけ。

アーミヤ
アーミヤ

けど最初にお会いした監察会の騎士の方々と比べれば、さきほどのお婆さんはとても優しかったです。

アーミヤ
アーミヤ

……ドクター?疲れたのですか?

アーミヤ
アーミヤ

そうですよね、カジミエーシュについてから、ずっと契約とか礼節の対応をしていましたからね。

[アーミヤ]今のうちに少しだけ休んでおきましょう、ドクター。

アーミヤ
アーミヤ

あはは……ドクターも肩の力が抜けてきましたか?

アーミヤ
アーミヤ

医療任務も担当するのでしたら、さきほどのお婆さんのような融通を効かせてくれる騎士ならいいんですけどね。

アーミヤ
アーミヤ

でも、これはこれでせっかくのチャンスですよ。

アーミヤ
アーミヤ

カジミエーシュの大騎士領では、数年ごとに急速発展した移動都市の中から三つ選んで、大騎士領の中枢区画都市と合併すると聞きました。

アーミヤ
アーミヤ

そう考えれば、なんとも驚きですね。

ドクター
ドクター

・外にある広告を照らすランプはどれも明るいな。
・ここはもっと厳かな都市とばかり思っていた。

アーミヤ
アーミヤ

あっ……それ私も意外でした。

アーミヤ
アーミヤ

ニアールさんからご実家のことは聞き及んでいますが、まさかカジミエーシュの中心部がこんな都市だったなんて予想外です。

アーミヤ
アーミヤ

……

ドクター
ドクター

・街に出たいか?
・買い物でもしたいのか?

アーミヤ
アーミヤ

えっ!?い、いえ、ただこんな栄えた都市はめったに来ないな~って思ってただけです。

アーミヤ
アーミヤ

なんせ、感染者がこんな栄えた都市の後宮ホテルに住めることなんて、とてもとても珍しいことですから……

アーミヤ
アーミヤ

ロドスが医療業務関連の契約を結べなかったら、おそらくこんなおもてなしは受けられなかったはずです。

アーミヤ
アーミヤ

それと……

アーミヤ
アーミヤ

ニアールさんが今どうしてるか……心配です。

ドクター
ドクター

・突然ロドスを離れると言った時は、びっくりした。
・……
・彼女は耀騎士だ、ここは彼女の故郷でもある。

突然ロドスを離れると言った時は、びっくりした。……彼女は耀騎士だ、ここは彼女の故郷でもある。
アーミヤ
アーミヤ

……はい。

アーミヤ
アーミヤ

でもニアールさんを信じてあげないとですね、あれは彼女の判断なんですから。

アーミヤ
アーミヤ

それでも無事でいてほしいです……

アーミヤ
アーミヤ

シャイニングさんとナイチンゲールさんも一緒に行きましたので、たぶん……大丈夫ですよね?

 

アーミヤ
アーミヤ

……はい!ニアールさんを信じてあげなくちゃですね。

アーミヤ
アーミヤ

彼女は耀騎士――カジミエーシュ騎士の頂上に君臨する一人、ですよね?

アーミヤ
アーミヤ

あっ……!ドクター、外のモニターを見てください。

アーミヤ
アーミヤ

あ、あれってニアールさん?

マリア
マリア

お姉ちゃん、出来たよ!

マリア
マリア

この前言ってくれた意見に基づいて、武器の重心を調整して、伸縮機能も追加したから、これなら……

マリア
マリア

……お姉ちゃん?

マーガレット
マーガレット

……

マリア
マリア

どうしたの?

マーガレット
マーガレット

あ、マリア……すまない、もう一度言ってくれるか?

マリア
マリア

お姉ちゃんがボケっとするなんて珍しいね、どうしたの?

マーガレット
マーガレット

……ロドスにいた時、噂は聞いていた。

マーガレット
マーガレット

本当にここは……色々と変わったんだな。

マリア
マリア

うん……家具とか色々売っちゃったからね。

マリア
マリア

叔父さんはあんな態度してるけど、彼がいなかったら、去年にもこの家から引っ越さなきゃならなかったはずだよ。

マリア
マリア

昨日、騎士協会の人がまた催促にきていたよ……私でもお姉ちゃんでもいい、とにかく騎士団の代表として出場するか、あるいは一族を代表して出場しろって、さもないと……

マーガレット
マーガレット

……心配するな、私がなんとかする。

マリア
マリア

へへ、お姉ちゃんはそうでなくっちゃ。

マリア
マリア

あ、そうだ、これお姉ちゃんの武器ね、コーヴァル師匠と一緒にもう調整してあるから。

マリア
マリア

でも、ここ数日間試合はなかったはずだよね?なんでこんな損傷が激しいの……?まるで爆発を受けたかのような……

マーガレット
マーガレット

今まで考えもしていなかった、大騎士領には、これほどまで感染者がいたとはな。

マリア
マリア

……お姉ちゃん?

マーガレットは口を閉じて遠方に目を向けた、聳え立つビル群へ。
だが彼女はあのゴミで埋もれた暗い地下で煌めいた、輝く光を忘れられなかった。

マーガレット
マーガレット

……今は感染者でも騎士になれるんだったな、血騎士は確かに大したお方だ、結果だけを見るに、彼は多くの感染者を厄運から逃してくれた。

マーガレット
マーガレット

だが“騎士”のあるべき姿とは言えない、感染者も、身に患ってる病のせいで、あんな蔑まれながらオモチャにされるべきではない。

マリア
マリア

……

マリア
マリア

ソーナはたぶん……感染者たちを助けてあげたかっただけだと思うよ。

マリア
マリア

工場が動く限り、採掘場が採掘を止めない限り、都市が発展する限り、最下層にいる感染者の数は増える一方……

マリア
マリア

本来なら、彼らは荒野に追放されるはずだった……でもレッドパイン騎士団が資金を繰り出して彼らを買い取った。帰る場所もない感染者たちを。

マリア
マリア

コーヴァル師匠からそう教えてくれたよ……

マーガレット
マーガレット

だがそれだけではなにも変わらない、相変わらずこの都市において彼らに居場所はないままだ。

マリア
マリア

うん……似たようなことなら、むかし一部の感染者騎士たちもこっそりああいうことをしてたよ、でも大勢の感染者が都市に潜むことなんて商業連合会が許してくれるわけがない。

マーガレット
マーガレット

……なら監察会が許してくれるとでも?

マーガレット
マーガレット

あの執政貴族とて感染者が堂々と自分たちの都市を渡り歩いてるところなんて見たくないと思っている、ヤツらも自ずと手段を取るはずだ。

マリア
マリア

最近テレビで感染者に関するニュースがよく報道されるよ、それと鉱石病関連の研究とか会議とかも……

マーガレット
マーガレット

ヤツらは恐怖を撒いているんだ。

マーガレット
マーガレット

メディアはそうやって、一般大衆に感染者への恐怖心を植え付けている、採決された感染者騎士法案が再び失効されようがな――

マーガレット
マーガレット

――それに、もっと恐ろしい点は、このメディアの画策が……ほぼ実現しようとしているところだ。

ムリナール
ムリナール

……

???
???

そんな辛気臭い顔ばかりしていても、金が見ずぼらしいポケットに入ることはないぞ。

???
???

耀騎士は今とてもいいことをしているんだ、都市の隅に潜んでいる感染者たちを助けようとしている、素晴らしいことじゃないか――

ムリナール
ムリナール

それでその後はどうなる。

ムリナール
ムリナール

彼女はあの人たちのために活路を見出してくれるか?鉱石病を治療してやれるのか?ずっと感染者のためにこの社会に立ち向かってやれるのか?

???
???

どうだろうな。

ムリナール
ムリナール

冷やかししに来たのならとっとと帰れ、トーラン。

ムリナール
ムリナール

お前はほかにやることがないのか?なら大騎士領から出て行け、自分のねぐらに帰るといい。

トーラン
トーラン

姉妹共々無事でいたんだ、それで俺を追い出すってか?

ムリナール
ムリナール

報酬ならすでに支払っただろ。

トーラン
トーラン

あれぽっちの金なんざお小遣いにしかならねぇよ……俺たちの間ではどういう取引がされてるのかそっちだって知ってるだろ、ムリナールの旦那。

ムリナール
ムリナール

……誰が私の部屋に入っていいと言った?

トーラン
トーラン

ふーん、いい絨毯だな……リターニアの高級品か、明日にでも売っぱらっちまうんだろ?

ムリナール
ムリナール

お前とは関係ない。

トーラン
トーラン

あのサルカズの騎士二人の来歴は目星がついたぜ、同族として、あの“騎士”たちの結末には同情しちまうよ。

トーラン
トーラン

だが言っておく、これはもう俺たちが事前に話し合った商売の範疇にはない……俺の仕事はここまでだ。

トーラン
トーラン

せっかくカヴァレルエルキに来たんだ、俺にも俺の目的がある。本当ならお前さんを説得してやろうと思ってたが――どうやら無理っぽいな。

ムリナール
ムリナール

……

トーラン
トーラン

おいおい、そんな顔すんなよ、俺たちの関係はもう昔のまんまじゃねぇんだ、ムリナール様よ。

トーラン
トーラン

俺はただのさすらいのバウンティハンター、ここ大騎士領にとって、俺は何者でもない、けどお前さんは――ふむ、いや、これは失礼。

トーラン
トーラン

お前さんも何者でもないようだな、ならお互い仲良くいこうや。

ムリナール
ムリナール

……

ムリナール
ムリナール

…………

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