アークナイツストーリー翻訳

【明日方舟】暗雲に散る火花 「レユニオン ~音はパチパチと」翻訳

1097年12月21日 8:44a.m.
スカル荒原 廃棄された古城

年代を特定することができない建物が険しい峡谷の中に聳え立つ、この古城の物語を知る者はもはや誰一人とていない。
しかしそんな廃墟の影で多くの者たちが今なお生活してる、そのおかげでこの寂れた土地も幾ばかりか活気を取り戻していた。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

ほらよ、ジャガイモだ。

Guard
Guard

収穫はどうだ?

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

……キャンピングカー一台でこんなにもジャガイモを生産することができた、見識が広がったよ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

こんな農場を見たのはこれが初めてだぜ……

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

えっと、なんだっけ、あの技術の名前は?

Guard
Guard

あはは……移動都市での水耕栽培農場はここ十数年でやっと普及し始めたものだから、見たことがないのも普通さ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

Guardはその辺詳しいようだな?

Guard
Guard

ロドスには色んな農場があったからな、色々と見てきたよ、だから分かると言っても少しだけかな。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

だがこんなキャンピングカー一台だけじゃ全員を食わせるのは無理だな。

Guard
Guard

まあ焦ることはない、カジミエーシュから学者さんたちの何人かが助っ人に来てくれたんだ、今は時間だけをかければいい。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

だがあの技術を知ってるのは、あのエンジニアとそいつのチームだけだぞ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

もしあいつらがいなければ、何もかも無駄骨だ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

やっぱりあいつらは信用ならんよ。

Guard
Guard

それはどうして?

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

感染者じゃないからだ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

あいつは妻と娘を鉱石病でなくしたから、俺たちを助けてるんだよな?

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

自分の暮らしが苦境に立たされたから、運命の不公平に怒りを覚えたから、感染者に共感したから、俺たちに手を貸した。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

なら仮にある日、あいつが新しい家庭を築いたら、新しい家族を持ったら、感染者を支持しちゃむしろ自分の暮らしに影響が出ちまう。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

そしたらあいつも人が変わるだろ?自分の暮らしと家族のために俺たちを裏切るはずだろ?

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

所詮は非感染者だ。こっちの立場を考えて味方に立つなんてことはありえないさ。

Guard
Guard

それはまだ起こっていない裏切りと悪行を仮説としてるだろ、“非感染者”全員を俺たちの敵として置くもんじゃない。

Guard
Guard

もし俺たちへの善意が、俺たちを助けてくれてる人が豹変したって仮定してみよう。

Guard
Guard

そうすれば俺たちは永遠に友と呼ばれる存在を得ることはできない。協力というのは信頼をもとに築かれるものだ、“レユニオン”って言葉も本来はそういった多様性を求めるって意味だろ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

だがあのタルラのような出来事を二度も起こすわけにもいかないだろ。

Guard
Guard

なら俺たちに必要なのはその応急措置だ、起るかもしれない危機に対する十分な用意のな、誰に対しても警戒するのではなく。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

分かったよ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

お前ますますパトリオットさんに似てきたな、周りから言われないか?

Guard
Guard

俺がパトリオットさんに似てるなんてとんでもない……

Guard
Guard

それより、服はどんな感じだ?

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

ちょいとサイズが小さいが、まあ着れなくもない。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

その布地、結構もつ種類のヤツだろ、いいじゃないか。

Guard
Guard

そうだな、それに安くて実用的だ、戦闘服にはもってこいだな。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

まさかこれを着れる日が来るなんて夢にも思わなかったぜ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

新しい服!新着を着るなんてマジで何年振りなんだろうな。

Guard
Guard

あのカラドン市内にいる感染者の従業員たちに感謝しろよ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

しかし分からねぇ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

なんでレユニオンのマークを外さなきゃならないんだ?

Guard
Guard

もうそのマークが必要なくなったからだ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

レユニオンはもう必要ないってことか?

Guard
Guard

そうじゃない。

Guard
Guard

明確な符号が必要なくなったってことだ、俺たちはもうなにかのマークで自分たちを示す必要はない。

Guard
Guard

俺たちがここに集まったのは、ある種の精神があったからであって、符号なんかのために集まったんじゃない。

Guard
Guard

だから俺たちは自分とその他の感染者を区別しちゃダメだ、むしろその人たちも助けて、感染者を支えてくれる力になってもらわなければならない。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

じゃあなんで第四小隊の連中はまだマークをかざしてるんだよ?

Guard
Guard

あいつらの活動は特殊だからだよ、第四小隊は俺たちのために目くらまししてくれているんだ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

それは……どういうことだ?

幻影射手
幻影射手

あいつらがマークをつけた服装を着てウルサスの東方で活動すれば、ウルサス人の注意を惹くことになる、レユニオンは東の荒野で彷徨うだけの有象無象になってしまったとウルサス軍を思い込ませることができるからな。

幻影射手
幻影射手

だがほかの連中はウルサスの注意を惹かずに済む、ましてや世界各国なんて。

幻影射手
幻影射手

今の俺たちがやってることは全て組織性が欠如した行為だって周りからそう見えてるはずだ。俺たちがレユニオンだってことも、俺たちを注視する人もいないさ。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

ビーンじゃないか!帰ってきたか!

幻影射手
幻影射手

ビーン、ただ今帰投した。

Guard
Guard

お疲れ!順調に進んでるか?

幻影射手
幻影射手

問題はない、レイド隊長がすでに設備品を格納庫に運んでってくれた。

Guard
Guard

それはよかった、前に状況が変わったって言うから、こっちは心配してたんだぞ。

幻影射手
幻影射手

確かにカラドン市内で予定外の状況が起こってしまったが、想定内だ。

エルヴァ
エルヴァ

おはようございます、Guardさん。

Guard
Guard

エルヴァ!お前も来てたのか。

エルヴァ
エルヴァ

トランスポーターの部隊もすでに到着しております。

Guard
Guard

クルビアの状況はどうなってる?

トランスポーター隊構成員
トランスポーター隊構成員

クルビアでの感染者の状況は……一言じゃ言い表せられないわね。

エルヴァ
エルヴァ

ほとんどの開拓地にいる感染者の生活は過酷なものです、私たちが提供できる支援も限りがあるかと。

エルヴァ
エルヴァ

しかしクルビア人が開拓者に土地を与えることもまた事実、感染者とて例外ではありません。

Guard
Guard

そうか……

トランスポーター隊構成員
トランスポーター隊構成員

都市の状況についてだけど、ティカロントの感染者が私たちに補給と住処を提供してくれるとのことだわ、タダではないけどね。

トランスポーター隊構成員
トランスポーター隊構成員

でも荒野にある醸造所のオーナーがタダでそれらを提供するって言ってくれたわ……頼りになる人ではあるけど、ちょっと変なとこがあるのが難点ね。

Guard
Guard

こりゃあ幸先いいな。

Guard
Guard

ご苦労だった、エルヴァ!

Guard
Guard

遊撃隊のほうはどうだ?アヴローラからなにか返事はなかったか?

レユニオン構成員
レユニオン構成員

アヴローラ隊長なら北原を探索する前に向こうの部隊に残るって言ってたから、今回はたぶん戻ってこないと思うぞ。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

しかし遊撃隊のほうから何人かのサルカズの戦士たちを寄越してくれた、すでにナインたちと合流してる。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

カジミエーシュ方面の担当者も昨日到着した、結構な人数を引き連れて来てたぜ。

Guard
Guard

ならそろそろ揃ったって感じだな。

Guard
Guard

俺はちょっと格納庫のほうを見てくるから、お前たちは先にナインのとこに行っててくれ。

レユニオン構成員
レユニオン構成員

分かった。

喧噪な機械音の中、とてつもなく巨大な積載マシンが廃棄された格納庫の中央に置かれている。
レユニオンの技師たちがせっせとその積載マシンを囲っている、格納庫の中は金属を切断する音と溶接する音にいっぱいだ。

レイド
レイド

軽く置くんだぞ!いいか、軽くだ!壊すんじゃないぞ!

Guard
Guard

ようやくそのエンジンを取り出すんだな。

レイド
レイド

おお、Guardじゃないか!

Guard
Guard

カラドンのほうはどうだった?町の感染者たちは元気にしてるか?

レイド
レイド

そうだなぁ、楽観的と言えばいいのかな。

レイド
レイド

あのアングスト議員ならともかく、町の議会の半分の議員は感染者地区の存続を維持したいって考えだ、感染者地区がこれからも居続けてくれれば、少なくとも状況が悪化することはない。

レイド
レイド

二か月前に、ある貴族が警備員に賄賂を送って、こっそり感染者地区にある発電設備を破壊したんだが、俺たちがそこに送っておいた仲間たちの中にエンジニアがいたおかげで、事態は軽く収まってくれたよ。

レイド
レイド

だが……向こうの感染者が直面する問題はまだまだ山積みだ、引き続き色々と助けが必要だろうな。

Guard
Guard

聞いた話によるとエンジンを運ぶ時に面倒事が起こったって?

レイド
レイド

ちょっと想定外のことが起こってな。

レイド
レイド

あんたがこの前予測してたように、感染者地区の存在は確かに色んな連中の目の敵にされていた、だがこっちも色々と解決できたよ。

Guard
Guard

こっちを脅かす人でもいるのか?

レイド
レイド

安心しろ、今のところこっち側の人間だってことはまだバレていない、だが何人かは雲隠れしておかないとマズイかもしれないな。

レイド
レイド

それとだが、あの旧輸送通路はもう使えなくなった、地上で起こった爆発が原因で構造層が崩れて、通路の存在がバレてしまった。

レイド
レイド

だからこれから数か月は、カラドンでの活動を控えなきゃならない。

レイド
レイド

一度でも俺たちの存在がバレてしまったら、感染者地区の存続に重大な影響を及ぼしかねないからな。

Guard
Guard

そうしておこう。

レイド
レイド

だがあの事故のおかげで、俺たちもこうして無事にこのエンジンを運ぶことができた、一切の痕跡を残さずにな。

レイド
レイド

それと正直に言うが、こいつは本当に飛べるのか?

Guard
Guard

それなら問題ない、俺は昔こういった積載マシンに乗ったことがあるからな。

Guard
Guard

それにクルビアの都市部では、もっと小型のヤツを使ってる人だっているんだ、確かジャイロコプターとかって名前だったかな……

レイド
レイド

ジャイロコプターなら俺も昔ウルサスの軍にいた頃、偵察用の単座型を見たことがある、オートバイより一回り大きいサイズだったよ。

レイド
レイド

しかしこんな大型な飛行装置を見たのは初めてだ。

レイド
レイド

どっからこんなものを手に入れたんだ?

Guard
Guard

ゴミ拾いから拾ってきたって言ったら信じるか?

レイド
レイド

ふざけないでくれ、こっちは真面目に聞いてるんだ。

Guard
Guard

ゴミから拾ってきたってのは本当だ。

Guard
Guard

七年前にクルビア軍は新しい飛行装置の開発を計画していたんだが、資金の問題で作れたのがこのプロトタイプだけで、計画は頓挫してしまった。

Guard
Guard

そこからこの格納庫に放置すること七年。今じゃクルビアはこいつを処分しようとしている、だから軍はまた軍用物資の廃棄処分計画を別の第三者の企業に委託したんだ。

Guard
Guard

だがクルビアには処分する必要がある軍事研究の計画があまりにも多すぎてな、武器の弾薬から車両装備まで盛りだくさんだ、だから資金の節約のために、こういった作業は一貫してまとめてから外注してるんだ。

Guard
Guard

まあ当然だが、その委託を請け負った企業はきちんと軍の要求に従って装置を処分しなかった、あいつらはこの飛行措置を適当に解体した後、ある“荒野のゴミ収集商人”に売りさばいたんだ。

Guard
Guard

そしてその“荒野のゴミ収集商人”がこの“ゴミ”を俺たちに売ってくれたってわけよ。

レイド
レイド

……ここにプロトタイプがあるってことはどこで知ったんだ?

技師のアンドレ
技師のアンドレ

そりゃもちろんあのDijkstraのクソガキから教えてもらったんだよ。

レイド
レイド

Dijkstra?あの“ハッカー”なんて呼ばれてる怪しいクルビアの術師からか?

レイド
レイド

流石というべきかなんと言うべきか。

Guard
Guard

どうだい、アンドレさん、エンジンは使えそうか?

技師のアンドレ
技師のアンドレ

そりゃ使えるさ、パワーも十分だしな。

技師のアンドレ
技師のアンドレ

だがちょいとサイズがオーバーしちまってる……直接組み入れたらバランスに影響が出ちまうかもしれないな。

レイド
レイド

本当にヴィクトリア産のエンジンをクルビア産の飛行装置に付けても問題はないんだろうな?

技師のアンドレ
技師のアンドレ

こいつを飛ばすのはそう難しい話じゃないはずだ、方法ならいくらでもある。

Guard
Guard

いつもすまないね。

技師のアンドレ
技師のアンドレ

しかしパイロットはどうする?こいつはただの車じゃないぞ、パイロットがいないと話にならないだろ?

技師のアンドレ
技師のアンドレ

少なくとも操縦には二人必要だ、こんな高級品を操縦できるプロなんざクルビアでもそうそうお目にかかれないだろ。

Guard
Guard

ナインもそれについて考えてくれている、だがDijkstraが言うにはなんとかなるらしい。

技師のアンドレ
技師のアンドレ

それと、パイロット以外にも色々と解決しなきゃならん問題もある。

技師のアンドレ
技師のアンドレ

電子制御システムも一新せにゃならん、こればっかしは取り換えるほかない、私なんかが弄って直せるような品物じゃないよ。

技師のアンドレ
技師のアンドレ

普通の積載装置のものではたぶんダメだ、掘削プラットフォームのメインコントロールシステムみたいな回路が必要になるだろう。

技師のアンドレ
技師のアンドレ

それと源石エンジンの断熱フィルムも交換しなきゃならん。

技師のアンドレ
技師のアンドレ

ナインには前にこれらのパーツを要求しておいたんだが、向こうはもう用意できているんだろうか。

Guard
Guard

心配いらない、あと数日すればある商人がそのパーツを送ってきてくれる。

技師のアンドレ
技師のアンドレ

商人?前に会ったあのバケツ頭のことか?あんなものを売りさばくなんてえらく度胸がある野郎だな?ああいう品々は厳重に管理されてる技術の結晶だろ、どうやった手に入れたんだ?

ナイン
ナイン

彼なりの入手ルートがあるそうだ、あんまり詳しくは聞かないでやってくれ。

Guard
Guard

ナイン!来ていたのか。

技師のアンドレ
技師のアンドレ

そうか、そういうことなら聞かないでおくよ。

ナイン
ナイン

その商人のことなんだがGuard、レイド隊長と一緒に会ってやってくれ。

ナイン
ナイン

こちら側の人に現場で状況を確認してほしいとのことだ、「ブツが来た場所をきっとよく知ってるはずだ」とな。

Guard
Guard

あの変人め……

 

Guard
Guard

分かったよ。

1097年12月24日 6:44p.m.

Guard
Guard

こんな場所で待ち合わせかよ。

レイド
レイド

本当に信用できるのか、あの人は?

Guard
Guard

どうだろうな……少なくともナインからは一目置かれている。

Guard
Guard

俺たちもそいつから色々買ってるだろ、だからあの商人を色々と手助けしてやってるとも言い換えられる。

Guard
Guard

あいつは変人だ、お前も会えば分かるよ。

レイド
レイド

信用ならんな……ああいった正体の分からない荒地の行商人は。

遠くから、奇妙なヘルメットを被った人がゆっくりと彼らのもとへ近づいてきた。
そんな彼の背後には、身なりがボロボロで、全身に粗造な鎧を着こんだ大男たちが付き従っている。

レイド
レイド

……もはや信用できませんって顔に書いてるような人だな。

キャノット
キャノット

おはよう、こんにちは、そしてこんばんは、我が友よ。

キャノット
キャノット

ミスターGuard!また会ったな!景気がよさそうじゃないか。

Guard
Guard

お友だちを引き連れて来たのは意外だけどな、それよりもモノを乗せたトラックとかが見当たらないが?

Guard
Guard

キャノットさんよ、俺たちが求めてるブツは……どこにあるんだい?

キャノット
キャノット

まあそう焦るな、我が友よ。

キャノット
キャノット

ブツならもうすぐ現れるさ、今はまだこちらの手元にないだけだ。

Guard
Guard

それはどういう意味だ、キャノットさん?

キャノット
キャノット

焦るなと言ったろ、友よ、もうじきここに来てくれる。

数分後、西の地平線で、数台の武装車両からなった列がゆっくりと姿を現し、荒地で砂埃を巻き上げる。

キャノット
キャノット

ほら来たぞ。

Guard
Guard

望遠鏡を貸してくれ。

Guard
Guard

……

Guard
Guard

みんな隠れろ!車に源石野砲を積んでいるぞ!

エルヴァ
エルヴァ

あのマークは……ヴォルヴォドコチンスキーの車両部隊だ!

Guard
Guard

これはどういうことだ、キャノット!

キャノット
キャノット

君たちが必要としてるブツならあれだよ、我が友よ、真ん中にあるあの大型積載マシンは見えるね?

キャノット
キャノット

そこには工業プラットフォームで使われる源石エンジンと電子制御装置が一式積まれている。クルビアからレムビリトンに運ばれてるブツだ。

Guard
Guard

クルビアの武装車両を俺たちに襲えって魂胆か。

Guard
Guard

あの装甲車は少なくとも大型軍用積載マシンが乗っける主砲でないと穴は開けられない、これも狙いだったんだな?

キャノット
キャノット

まあまあ落ち着いて、我が友よ、君たちは私の顧客だ、お客さんの手を煩わせるわけがないだろ?

キャノット
キャノット

ここは最高の観光スポットだ、君たちはただここで見ていればいい。

Guard
Guard

……

十数分後、武装された車両部隊がゆっくりと峡谷を走り去っていく。
フルオートバリスタと源石野砲が周囲に現れるであろう生きとし生きる者すべてに照準を合わせている。
堅牢無比な合金装甲を装着し、強力な馬力を備えた大型車両が凹凸激しい岩砂漠を押し潰しながら走り去る。
ここテラの荒地では、ああいった武力を備えなければ無事目的地に到着する保証はないのだ。
それに荒地において、如何なる物事に絶対はない。
そこへ突如として、峡谷の砂地から8メートルはあるだろう巨岩が立ち上がった、砂はまるで滝のように流れ落ちていく――
いや、あれは巨岩ではない、砂地に潜んでいたあまりにも馬鹿げたサイズをしたハガネカニだ。
巨大なカニが車列へと猛突進していく。
武装された車両の野砲大砲がハガネガニに対して容赦なく砲弾を吐き出す、連射バリスタも絶え間なくカニの関節の弱点となる部位に矢を射る。
しかしそれでもこの巨大なカニの動きを緩めることはできない。
巨大な爆発音が響く中、ハガネガニが猛烈な勢いで大型積載マシンの側面に体当たりした。
激しい衝突により、この全身武装された装甲トラックは横転してしまい、周りの護衛についていたもう一台の車両を下敷きにしてしまった。
そして立て続けに、峡谷から狂暴な雄叫びと金属の打撃音が響いてきた。
数百人はいるであろう奇抜な恰好をした戦士たちが岩壁と巨岩の影から車列を目掛けて突っ込んでいく。
彼らは源石結晶体で作った簡易的な爆弾を投げ、巨大な自製のバリスタをはぐれてしまった敵に目掛けて打ち込む。
武装車両の護衛に務めていた人たちが混乱な中で四方に逃げ惑う。
懸念なき戦いはすぐさま終わりを迎えるのであった。

Guard
Guard

……

キャノット
キャノット

……あの友人たちにはもう少し穏便に済ませてほしいものだ、商品までを壊してしまわないか心配だよ、あとでじっくりチャックしてやれねば。

キャノット
キャノット

だがまあ、こちらとしても対面時に直接ブツをそちらに渡したいとは思っていたんだが、いかんせん手元に届かなくてね……

キャノット
キャノット

あの車列は昨日天災を避けるためにちょいとばかり時間を引き延ばすことになったから、峡谷に着いたのも今日になってしまったんだ。

レイド
レイド

(武器を取り出す)

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

(武器を取り出す)

キャノット
キャノット

……その反応、なにやら誤解が生じてしまっていないかい?

Guard
Guard

キャノットさん、まさかラスティハンマーのメンバーだったとはな、こっちはそんなこと一度も聞かされちゃいないんだが。

レイド
レイド

レユニオンはまだ野盗どもと一緒につるむとこまで落ちぶれちゃいないぞ。

キャノット
キャノット

おいおい!それは傷つくな。

キャノット
キャノット

それに時と場合ってもんがあるだろ。

キャノットの背後で、ラスティハンマーの戦士たちも武器を取り出した。

???
ラスティハンマーの戦士

口には気を付けろ、脳天を潰したらてめぇらも大人しくなるだろうよ。

レイド
レイド

こっちは構わないぞ、やれるものならな?

キャノット
キャノット

まあ待ってくれ!両者ともに落ち着くんだ!

キャノット
キャノット

双方とも武器を下ろしてくれ!今日はケンカしにきたわけじゃないんだ、そうだろ?

キャノット
キャノット

どちらも明確な目的あってこの荒地に来ているんだ、獣みたいに考えなしにお互い噛みつくんじゃないよ。

キャノット
キャノット

ほら、ミスター・ガレス、武器を下ろしてくれ、前にも言ったろ、交渉は私に任せろと。

エルヴァ
エルヴァ

ガレス……?

???
ガレス

その声は……エルヴァなのか???

エルヴァ
エルヴァ

本当にガレスさんなんですね!生きていただなんて!

???
ガレス

こっちもまさかこんなとこでお前に会えるとは思ってもいなかったぞ!

???
ガレス

そんな恰好をしてちゃ見分けもつかないもんだな。

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

ガレス?あの“早抜き”のガレスか!この野郎生きていたとはな!

レユニオンの戦士
レユニオンの戦士

お前……ラスティハンマーに加わってたのか?

???
ガレス

おお、お前たちもいたのか!

一触即発の状態だった戦士たちは顔を見合って困惑している、先ほどまで対峙していた双方が突如と奇妙でなんとも言い難い雰囲気に陥ったからだ。

???
ガレス

みんな落ち着てくれ!こいつらのことは知ってる!

???
ガレス

武器を下ろすんだ、こいつらは悪い奴らじゃない!

エルヴァ
エルヴァ

本当にガレスさんだ……

エルヴァ
エルヴァ

てっきりもう……

???
ガレス

話せば長くなるからな……

キャノット
キャノット

ほら、お互い知り合いだったじゃないか、もしかしたら数千年前までは親戚だったかもしれないな、とりあえず場所を変えて話さないか?

キャノット
キャノット

以前君たちの別のリーダーと私で結んだ協定に従って、これらの商品は君たちの……基地まで送っておいたほうがいいのかな?

キャノット
キャノット

となればミスター・ガレス、すまないが何人かの兄弟たちを連れて私と一緒に来てくれ、車内に積んであるブツを送り届けよう。

???
ガレス

わかった。

レイド
レイド

どうする、こいつを俺たちの基地に入れていいのか?

Guard
Guard

あいつはすでに俺たちの基地には何度も来ている、今はナインの判断を信じよう……

レイド
レイド

やれやれ……

キャノット
キャノット

美しい!実に美しい!

キャノット
キャノット

本当にこのデカブツを直したとはな、大したものだ。

ナイン
ナイン

前にも言ってただろ、我々にはその実力があると。

キャノット
キャノット

レユニオンが多くの人たちの想像を超える実力を持つのは確かだ、やることはやる人たちだな君たちは。

キャノット
キャノット

では手はず通り、ほんの少しだけの手数料を頂こうか、精錬源石錠四十個、それで問題ないな?

ナイン
ナイン

ご配慮に感謝する、ミスター・キャノット。

Guard
Guard

……

レイド
レイド

なにを企んでいるんだ、ブリキ頭?たったの精錬源石錠を四十個だけだって?

キャノット
キャノット

君が私を信用していないのは不適切だと言えるぞ、友よ。

キャノット
キャノット

協力というのはお互いの信頼の上に成り立つ、であればこうも言い換えられるはずだ、長い間協力し合っている以上、君もそろそろ私を信用してくれてもいいんじゃないのかね。

キャノット
キャノット

今回の件は投資だと思っておいてくれたまえ、君たちならもっとうまくやれるし、なんなら規模もますます大きくなると私は信じているよ。これからお互いが協力し合う機会もますます多くなるだろうな。

キャノット
キャノット

教えてくれないかね、君はこの飛行装置からなにが見えている?

レイド
レイド

飛行装置?

キャノット
キャノット

私にはチャンスが見えているのだよ!

キャノット
キャノット

こいつさえあれば、君たちは200km毎時のスピードでこの荒野を駆け抜け、移動都市を行き交うことができる、テラの大地でこんなことができる組織なんてそうそうない。

キャノット
キャノット

君たちがこの装置でなにをしようとしているのかは聞かないでおこう、だがそれでも慎重に使用してもらいたいね、壊してしまったら修理が大変だからな。

Guard
Guard

ご助力に感謝するよ、キャノットさん。

キャノット
キャノット

当然だとも、我が友よ、これからも順調であることを願っているよ。

エルヴァ
エルヴァ

ラスティハンマー……自分が想像してたのとは全然違っていましたね。

???
ガレス

みんなラスティハンマーを誤解してるんだ、あいつらは外からの……“文明”からの評価なんざまったく気にしちゃいないからな。

エルヴァ
エルヴァ

あの……一つ聞きたいことがあります。

???
ガレス

なんだ?

エルヴァ
エルヴァ

イーラさんは一緒じゃないんですか?彼女は……

エルヴァ
エルヴァ

彼女はどうされたんですか?

???
ガレス

ああ、イーラのことか?

???
ガレス

心配すんな、あいつのことならなんてことはない。

???
ガレス

ただ……ちょっと身体の具合が悪くてな。

エルヴァ
エルヴァ

鉱石病が悪化したんですか?

???
ガレス

いやいやいや、鉱石病じゃない、そんな心配すんなって。

???
ガレス

あいつ……妊娠したんだ。

エルヴァ
エルヴァ

えっ……妊娠?

???
ガレス

そうなんだよ、想像つかないだろ、あははは、しかもパパは俺なんだぜ!

エルヴァ
エルヴァ

えっ……えっ?まさかお二人は……

???
ガレス

心配すんな、ラスティハンマーのみんながあいつの世話を見てくれている。この荒野じゃ、新しい命ってのはいつだって大地の祝福と嵐を受けることになるからな。

エルヴァ
エルヴァ

いや、心配してるのはそれじゃなくて。

エルヴァ
エルヴァ

はぁ、しかし思いもしませんでした、まさかお二人がね……ははは。

エルヴァ
エルヴァ

まあとにかく、おめでとうございます。

???
ガレス

ありがとうよ。

???
ガレス

実は俺、すごく迷ってたんだよ……すごく。

???
ガレス

こんな無責任に新しい命を、苦痛と一緒にこの世に生み落としていいものなのかってな。

???
ガレス

でも結局、イーラは母親になりたいって言ってくれた。

???
ガレス

だから俺も決心したよ、あの子がどんな運命を辿ろうと、俺はこの身を犠牲にしてでもあの子を守るって、あの子を育てるって。

???
ガレス

俺よりも立派な人に育てるって。

エルヴァ
エルヴァ

すごいですね……尊敬します。

キャノット
キャノット

そろそろ出発だ、ミスター・ガレス、ここでの仕事はもう終わったぞ。

???
ガレス

ああ、分かったよ。

???
ガレス

じゃあそろそろ行くよ、エルヴァ、まさかまたお前に会えるとは、今日はいい日なのかもしれないな。

???
ガレス

しっかり生きるんだぞ、エルヴァ!

エルヴァ
エルヴァ

そちらこそ。

キャノット
キャノット

友人と昔話をしていたのかい?なら焦ることはないよ、もう少しだけ話してでも構わないぞ。

???
ガレス

いいんだ、もうそれなりに話したからな。

キャノット
キャノット

では出発しよう。

キャノット
キャノット

わざわざここで私を待ち構えていたとは、まだなにか話すことでもあったのかな?

キャノット
キャノット

まったく君たち二人の気配を察知できなかったよ。

ナイン
ナイン

レユニオンの天災トランスポーターを舐めてもらっては困るな。

エルヴァ
エルヴァ

……キャノットさん、私のこと憶えていますか?

キャノット
キャノット

もちろんだとも、ミス・エルヴァ。

キャノット
キャノット

これまで会った人は誰だって憶えているさ、この一年で結構サマ変わりしたな、エルヴァだってことが分からないほどだったぞ。

キャノット
キャノット

古い友がみんなこうして元気にしているのは、実に喜ばしいことだ。

ナイン
ナイン

お前は会った人全員のことを“友”と呼ぶのが好きなようだな。

ナイン
ナイン

その言葉にどれだけの誠意が籠ってるかは分からないが。

ナイン
ナイン

ならお互い“友”というわけで。

ナイン
ナイン

ここを発つ前に、一つだけ答えてもらいたい、正直にな。

ナイン
ナイン

「協力はお互いの信頼の上に成り立つ」、お前はそう言ったようにな。

ナイン
ナイン

互いに信頼できる答えが欲しい。

キャノット
キャノット

もちろんだ、言ってくれたまえ、ミス・ナイン。

ナイン
ナイン

なぜ我々に手を貸している?

ナイン
ナイン

冗談なら結構だ、その場逃れの詭弁での誤魔化もやめてもらいたい。

ナイン
ナイン

本心を言ってくれ。

キャノット
キャノット

ふふふ……

ブリキ缶を被った男が苦笑いした。
そしてしばしの間沈黙してしまい、重厚な兜に潜んでいる濁った瞳が目の前にいるこのレユニオンのメンバーを注視している。

キャノット
キャノット

別にわざとこうした遠回りな言い方をしてるわけではないのだよ、分かってもらえるかな、ミス・ナイン?

キャノット
キャノット

この大地において、誰しもありのままの言葉を受け入れられるわけではないからな。

キャノット
キャノット

“良言は口に苦し、ウソは密の味”だ、ミス・ナイン。

ナイン
ナイン

レユニオンにウソや欺きはいらない。

キャノット
キャノット

この荒野を進み、テラ各国を行き交う中、君はなにを見てきたのかな?

キャノット
キャノット

よければ私がこれまで見てきたものを教えてやろう。

キャノット
キャノット

クルビアの開拓地で、私は感染者と貧しい者が干からびた荒野と恐ろしい獣たちから藻掻いてるサマを見た……

キャノット
キャノット

彼らは血肉と引き換えに人の尊厳を得ていたよ、だが屍の下に埋もれていた黄金はクルビアという名のバケモノを作り上げてしまった。

キャノット
キャノット

ヴィクトリア人に至っては、保守保身に回るばかりでね、あそこの貴族はどれも醜く貪欲で、所持する財力と権力は同じお偉いさんたちにしか使われていなかったよ。

キャノット
キャノット

ヤツらの目に映る感染者というのは生きた人間ではなく、陰謀を企てるための道具、政敵の喉を掻っ切るナイフでしかない。

キャノット
キャノット

そんな“テラ最強の国家”の中でさえも、文明が進歩した痕跡はちっとも見受けられなかった。

キャノット
キャノット

二年前、あるサーミの雪祀が“終末は来られた”と悲痛な思いで声を上げていたが、クルビア人はそんなサーミ人の警告にちっとも耳を傾けなかった。

キャノット
キャノット

クルビア人が言うにはあの雪祀はイカレてるらしい。だがどうやってその人がイカレてるって判断するんだい?

キャノット
キャノット

サーミ人が直面してる狂った暗闇を、サーミ人の悠久なる抗争を、ヤツらクルビア人はまったくもって理解していないんだ。

キャノット
キャノット

狂ってるのは果たしてこの大地なのだろうか……いいや、狂ってるのはこの世界が直面しようとしてる真実のほうだ。

キャノット
キャノット

極北の北原に潜んでいる影、広大で深い海を飲む込む闇、さらには大地の下に埋もれてる古の災いたち。

キャノット
キャノット

だが残念なことに、この大地の上に住まう人々は依然として封建的な陸の孤島で身を寄せ合い、石と棍棒で互いを征服し合おうと忙しなくしているばかりだ。

キャノット
キャノット

我々に残された時間はそう多くない、この世界は今もバラバラに崩れようとしている、いち早く変革をもたらす必要があるのだよ!

ナイン
ナイン

それが我々に手を貸した理由か?

キャノット
キャノット

そんな感じかな、理由のうちの一つではあるが。

キャノット
キャノット

ラスティハンマーだろうとレユニオンだろうと、現状を変えようとする集団、ビルが傾く場面をその目で見て、逃げ惑い、自分を救おうとする人々だろうと。

キャノット
キャノット

誰かしらいつかは行動を起こさなければならない。

キャノット
キャノット

私は今まで色んな人に、色んな組織に手を貸してきた、ラスティハンマー、レユニオン、サーミのサイクロプスたち、サルゴンの神秘学の学者たち……

キャノット
キャノット

だが非常に残念なことに、この大地において、今のところ問題解決への“答え”を導き出した組織は一つもいない。

キャノット
キャノット

だが少なくとも私から君たちに方向を指し示すことはできる。

キャノット
キャノット

是非はどうであれ、試してみないことはないはずだ。

ナイン
ナイン

……

ナイン
ナイン

キャノット殿、今話したことがすべて真実であれ、こちらはまだ納得いっていない。

ナイン
ナイン

レユニオンは動いてくれるとお前は言うが、我々がこの大地を危機から救うために動くことはない、我々の仕事ではないからな。

キャノット
キャノット

分かっているさ、だがレユニオンは一つのキッカケになる、私はそう信じているよ。先にエンジンを動かさない限り、悠長に行き先を決めることはできないからな。

ナイン
ナイン

ならお前が求めてる相手は我々でなくロドスなのかもしれないな、ああいった理想主義者がひしめき合ってる場所でしかお前が探し求めてる人間はいない。

キャノット
キャノット

ロドスだけではすべてを変えることはできないさ、たとえロドスがこの大地の精鋭を全員集結させたとしても、まだまだ数が足りない。

ナイン
ナイン

ヤツらがカジミエーシュでやったことは聞いているか?

キャノット
キャノット

知ってるさ、その場に私もいたからな。

キャノット
キャノット

あれは確かにいい一手だったよ、だが我々が対峙してる局面は広大だ、一度だけいい駒を差したところで最終的な勝敗に影響を及ぼすには至らない、それをプレイヤーは一番よく知っているはずだ。

キャノット
キャノット

たとえあの耀騎士であっても、彼女の灯台のような燦燦と輝く心の炎をもってしてでも大地全土を覆い隠す暗雲を晴らすことはできない。

キャノット
キャノット

まあ当然ではあるが、こんな苦しみと憎しみまみれの世界で、まだああいった人たちがいてくれたことにはホッとするがな。

キャノット
キャノット

「暗き暗雲の果て、そこには依然と火花が舞い散る」、私はそう信じたい。

この記事を書いた人
おーちゃん

フロストノヴァ推し

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ゲームのサイハテ
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