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【明日方舟】10章 破砕日輪 10-6「同族でなくとも」行動前 翻訳

……ロンディニウムに戻ってから186日目。
また三名の兵士が私たちに加わってくれた。二名は重傷。戦えるのはロッベンだけだった。
ここの区域だけでも、少なくとも何十名の兵士が敵に囚われている。
すでに陥落したロンディニウムにいる捕虜にされた兵士の数は計り知れない。
生きてるのかすら分からない。
生きてたとしても、私は素直に喜ぶべきなのだろうか。
毎日、せっかく生き延びれた人たちが一人一人と永遠の別れを告げる。一人一人の名前はできれば憶えておきたかった、でも実際、兵士たちが私を会いにきた時はすでに、口を開くことはなかった。
少しでも多くの人に彼らの声を聴かせてあげたかった。そして誰でもいいから……私の声も聴いてほしかった。
いつかこの記録が誰かに見つかりますように。
あなたたちの任務が無事に遂行されますように。
そしてどうか、またすぐロンディニウムに戻ってくることがありませんように……

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

ホルンさん、新入りの兵士たちを配置しておきました。

ホルン
ホルン

ありがとう、ブレイク。しばらくは彼らに任務を割り当てないようにしましょう、まずは二日ぐらい慣れさせてあげたいから。

ヴィクトリア兵
ロッペン

ホルンさん、私なら慣れなど必要ありません!今すぐにでも敵を倒して差し上げます!

ホルン
ホルン

……わかった。じゃあブレイク、ロッベンを四番隊に編入させて、交代しながら偵察に当たらせなさい。

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

分かりました、ホルンさん。最近ダブリンがまた活発になり始めてきましたからね、ちょうど人手が足りていなかったんですよ。

ホルン
ホルン

三番隊はまだ帰ってきていなかったわね。ロッベン、あなたは少しの間でも休んでおきなさい。

ヴィクトリア兵
ロッペン

私なら何かほかのことも……

ホルン
ホルン

いいから座ってて。私たちには多くても30分程度の時間しかないの、無駄にしないで。

ヴィクトリア兵
ロッペン

……分かりました。

ホルン
ホルン

あと、あなたの気持ちはよく分かるわ。

ホルン
ホルン

敵を殺してやりたいんでしょ?朝に起こったあの戦いだけじゃ物足りなかったかしら。

ヴィクトリア兵
ロッペン

そうです、こっちはまだ手が震えるばかりです!一矢でも多く撃ちたそうに!

ホルン
ホルン

……ロッベン、一つだけよく憶えといて。

ホルン
ホルン

私たちはなにも、ダブリンを、ましてやサルカズを消し去るためにここにいるわけじゃない。

ホルン
ホルン

生き残る、それが私たちの第一目標よ。

ホルン
ホルン

私たちだけじゃなく……ほかの人たちも、ね。

ヴィクトリア兵
ロッペン

ホルンさん……しかし私は……

ヴィクトリア兵
ロッペン

分かりました。

ホルン
ホルン

分かればよし。ほら、ちゃんと休んでおきなさい。

ヴィクトリア兵
ロッペン

……ホルンさん、その手に持っているのは?

ホルン
ホルン

備忘録よ。

ホルン
ホルン

適当に書いてるだけだから、気にしないで。

ヴィクトリア兵
ロッペン

確か、長い間ずっと独りで行動していたと、前に言っていましたよね。

ヴィクトリア兵
ロッペン

道理でそのような習慣が身に付くわけです……

ホルン
ホルン

あはは……それかもしくは、ずっとほかの人たちの隊長をやっていたからなのかな。

ホルン
ホルン

何を喋っても、誰も私に返事してくれなかったから、ずっと何かがぽっかり穴が開いた気がしていたの。

ホルン
ホルン

ただブレイクたちがダブリンからこのペンを奪ってきてくれて助かったわ、じゃないと今頃ナイフで下水管に文字を刻んでいたわよ。

ヴィクトリア兵
ロッペン

刻んで、いたんですか?

ホルン
ホルン

一番外側にある排水階層に行って探してみるといいわ、もしかしたら私が刻んだ『ヴィクトリアの歴史の一部』が見つかるかもしれないわね。

ヴィクトリア兵
ロッペン

それって……かなりの時間、刻んだことになるんじゃ?

ホルン
ホルン

……冗談よ。

ホルン
ホルン

こういう話はまた今度にしましょ。いつでも近くにダブリンが戻ってくるかもしれないから、私はちょっと目を休むことにするわ、あなたもそうしておきなさい。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

将軍、ダブリンのあのフェリーンが来ました、将軍にお会いしたいと。

マンフレッド
マンフレッド

一人でか?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

はい、ほかの者は連れてきていません。

マンフレッド
マンフレッド

連れてこい。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

ただ将軍、ヤツのアーツは厄介でして……

マンフレッド
マンフレッド

私はその程度のアーツも相手にできない、お前の目にはそう映っているのか?

サルカズの戦士
サルカズの戦士

いいえ、決してそのようなことは!将軍、あなたはテレジス様と同じく、私が最も敬服する戦士でございます!

マンフレッド
マンフレッド

ならさっさとやるべきことを済ませろ。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

はっ!

ヘドリー
ヘドリー

……

マンフレッド
マンフレッド

ヘドリー、お前は残れ。

マンフレッド
マンフレッド

聴罪師のトランスポーターに会ってから、お前も覚悟はできているはずだ。お前に任せたい仕事がある。

ヘドリー
ヘドリー

あの舟からターゲットとなる人物を連れ出す仕事か?

マンフレッド
マンフレッド

お前はヤツらとつるんだことがあるんだろ。

ヘドリー
ヘドリー

傭兵だからな。だが傭兵はいちいちつるんだ相手の顔を憶えたりしないさ。特別に値がつくクビじゃなければな。

マンフレッド
マンフレッド

知り合いはいつだって相手しやすい、そういうものだろ?

ヘドリー
ヘドリー

……そうかもな。

マンフレッド
マンフレッド

あのバベルのアサシンはすでに中央にいる。今は聴罪師が彼女を食い止めてくれているはずだ。

マンフレッド
マンフレッド

そこでだ、ヘドリー……ほかにどんなメンツがいたか、当ててみないか?

ヘドリー
ヘドリー

市内の傭兵はまだそのメンツの痕跡を見つけていないはずだが。

マンフレッド
マンフレッド

向こうならいずれ動き出すさ。

マンフレッド
マンフレッド

この半年間、我々はヴィクトリアでずっとあの舟の位置を追跡し続けてきた。だがヤツらはいつだって我々の一手先を進む、挙句の果てにいつの間にかロンディニウムへ接近してきた。

マンフレッド
マンフレッド

何故だと思う?

ヘドリー
ヘドリー

……

ヘドリー
ヘドリー

可能性なら一つだけ思い浮かぶ。ロンディニウムにあいつらの協力者がいることだ。

マンフレッド
マンフレッド

協力者……そうだな、協力者。

マンフレッド
マンフレッド

おそらくその協力者なんだが、すでに何年も前に配置されていたのだろう。それにかなり深く潜り込んでいるはずだ。さもなくば我々の目から逃れられるものか。

ヘドリー
ヘドリー

……理にかなった推測だ。俺がすれば、あの士爵……あの医者の手段は予想し難いものだからな。

マンフレッド
マンフレッド

ヘドリー、最近捕らえた抵抗者の身元詳細をもう一度隈なく調べ上げるんだ。

ヘドリー
ヘドリー

我々はその協力者をすでに捕らえていると?

マンフレッド
マンフレッド

仮にロドスの人間がまだこの付近をうろちょろしているのであれば、そうせざるを得ない理由があるはずだ。

1:15p.m. 天気/曇り
ロンディニウム、サディオン区、地下構造空間

フェスト
フェスト

ついたぜ。

戦士のビル
戦士のビル

なにモンだ!?

フェスト
フェスト

ビルさん、オレだ、戻ったんだよ。

戦士のビル
戦士のビル

なんだお前かよ。さっきロックロックを見かけたぞ、一緒に任務に出たはずなんじゃ?

フェスト
フェスト

あー、あいつは別件で先に戻ったんだ。

戦士のビル
戦士のビル

お前の後ろにいる人たちは……おい待て、サルカズがいるぞ!?

フェスト
フェスト

ちょちょちょちょ落ち着け――

アーミヤ
アーミヤ

……

フェスト
フェスト

この人たちは指揮官が待ってるあの人たちかもしれないんだって!

戦士のビル
戦士のビル

……指揮官は協力者を待っているはずだろ?協力者なら、なんでこんな魔族ばっかなんだ!

フェスト
フェスト

ビルさん、もう勘弁してくれよ、指揮官はどこにいるんだ?今すぐ会わせてくれ。

戦士のビル
戦士のビル

……

フェスト
フェスト

頼むぜビルさん。オレがこれっぽっちも裏切るとでも?

戦士のビル
戦士のビル

それはない。ここはみんなお前を本当の兄弟として見ているからな。

フェスト
フェスト

じゃあロックロックからここを守れって言われたんだろ?それならもう何人か呼んで見張ってもらったっていい、そいつらと一緒に行くよ。

戦士のビル
戦士のビル

……わかった、そうしよう。

戦士のビル
戦士のビル

それとお前ら、下手なマネはするんじゃないぞ。見ているからな、サルカズめ。

クロージャ
クロージャ

んー……アーミヤちゃん、アタシ達なんか今まで以上に歓迎されていないようだね。

ドクター
ドクター

・私もそう思う。
・……
・こりゃ協力を結ぶのに苦労しそうだな。

フェスト
フェスト

いや~ごめんな。いつもこんなんじゃないんだよ、ちょっと何人かしら……サルカズに敏感でさ。

フェスト
フェスト

指揮官が説明してくれたらきっとよくなるからよ。さあ、ついてきてくれ、すぐこの先で会議してんだ。

???
怒る青年の声

聞こえていなかったのか?あいつら、都市防衛砲台で検問所を吹っ飛ばしたんだぞ!これ以上ここにいるのは危険だ!

???
冷静な中年女性の声

でもサディオン区を離脱すれば、人員救助は難しくなるわよ。

???
怒る青年の声

俺だってみんな助けたいさ、したくないとでも?だがそんな俺たちの仲間が今どこに閉じ込められているのか知ってんのかよ?まさかサルカズの目の前で一軒一軒部屋を探すつもりか?

???
冷静な中年女性の声

それについてはフェストとロックロックがずっと消息を探してくれているわ。

???
怒る青年の声

それじゃあ遅いんだよ!状況が変われば、俺たちが苦労して作った拠点もいつだってサルカズ共に破壊されちまうんだぞ!

???
冷静な中年女性の声

基地は死んでも、人は残る。

???
怒る青年の声

軽々しく言えたもんだぜ!そりゃそうさ、少しずつここを作り上げたのはお前ら商売人じゃないんだからよ!

ドクター
ドクター

・言い争っているな。
・ちょうどいいタイミングに来たんじゃないのか?

言い争っているな。ちょうどいいタイミングに来たんじゃないのか?タブ名
フェスト
フェスト

あはは、まあちょっとな。

フェスト
フェスト

大丈夫だ、指揮官は気にしちゃいないさ。

タブコンテンツ
フェスト
フェスト

オレたちは色んなところから人が集まってきてるから、時々こうして意見が合わなくなる時もあるんだ、でも安心してくれ、みんな心は一つだ。

フェスト
フェスト

いくら言い争っても、指揮官さえいれば、最後は全部まとまっちまう。

ドクター
ドクター

・みんな彼女を信頼しているんだな。
・そんなにすごいお方なのか?

フェスト
フェスト

ああ……オレたちのほとんどは彼女に助けられた人なんだ。指揮官がいなきゃ、とっくにサルカズやダブリンに殺されちまってたよ。

フェスト
フェスト

たとえばロックロック、あいつの親父さんは都市防衛軍の情報を頑なに吐かなかったから、傭兵たちにリンチされて殺された。

フェスト
フェスト

そんでオレはサルカズに手を貸したくなかったからなんだ。最初は何人かの仲間と一緒に西のハイバリー区からずっと逃げてきたんだが、配管の中で餓死しそうになったことがあってな……

フェスト
フェスト

けど結局、指揮官がオレたちを見つけくれたってわけ。

フェスト
フェスト

オレたち一人一人を絶望から救い出し、そして繋ぎ合わせてくれたのが彼女なんだ。

フェスト
フェスト

みんな尊敬してるんだぜ、なにより彼女ならオレたちをどんな苦境をも乗り越えさせてくれるって信じてるんだ。

???
怒る青年の声

指揮官、あなたはどっちですか、移転するのかしないのか。

???
冷静な中年女性の声

指揮官、今すぐ救助活動を展開したほうがよろしいかと。

???
ほか何名かの声

指揮官……

???
若い声

ハンマー、テイラー、二人共落ち着いて。

???
若い声

時間は刻一刻と迫ってきている、ここでの言い争いは何も生まれないよ。

シージ
シージ

この声は……

インドラ
インドラ

ヴィーナ、どうしたんだ?

シージ
シージ

いや、なんでもない、ただの聞き違いだろう。

アーミヤ
アーミヤ

フェストさん、最後に話されたあの方が指揮官でいらっしゃるのですか?なんだか……すごく若いですね。

フェスト
フェスト

驚いただろ?オレが最初指揮官に会った頃も、お前と同じことを思ったさ。

フェスト
フェスト

なあコータスのお嬢ちゃん、さっき初めてお前に会った時、お前がリーダーだって俺が言ったのを憶えているか?その理由が直にわかるよ。

フェスト
フェスト

さあ、オレたちの指揮官とご対面だ。

クロヴィシア
若い声

諸君、各々の気持ちはよく理解しているわ。ただし、言い争う必要のない論点が一個だけある。

クロヴィシア
若い声

それは私たちの仲間であれば、必ず救い出すことよ。

クロヴィシア
若い声

私たちが戦士たちを放っておいてしまったら、この先誰が我々と共に戦ってくれるというの?

クロヴィシア
若い声

私たちが仲間を見捨ててしまったら、この先誰が我々に救いの手を差し伸べてくれるっていうの?

クロヴィシア
若い声

私たちはロンディニウム市民自救軍。我々はロンディニウムを救う前に、まずは私たちの知ってる人たちを、生きている人たちを救い出さなければならない。

掲げ上げられたその手はとても細く、小さく、幼かった。しかし沸き立たんとする怒りと焦りを抑え込むほどのパワーを有していた。
会議の現場が静まり返る。
みな、自分たちの指揮官に目を向ける。とても自然に、あたかもこの痩せ細い肩がはたして重苦しい希望を背負いきれるのかどうか、誰も最初から疑ったことがないかったかのように。
見覚えのある場面だ。
多くのロドスオペレーターたちがそう思った。彼らも期せずして同じように、自分たちの目の前に立つこのコータスに目を向けたのだ。

ロドスオペレーター
ロドスオペレーター

フェストの言ってたことが理解できましたよ。

クロージャ
クロージャ

うんうん、確かに似てる~、そうだよね?

ドクター
ドクター

・そうだな。
・……
・それでも違うところもあるさ。

アーミヤ
アーミヤ

……

アーミヤ
アーミヤ

皆さん……静かにしましょう、会議の邪魔になっちゃいますよ。

クロヴィシア
若い声

どうやら具体的な救援方法を考える前に、何名かの友人と会わなくてならないようね。

クロヴィシア
若い声

フェスト、こちらまで案内してちょうだい。

フェスト
フェスト

あっ……はい、指揮官!

クロヴィシア
若い声

初めまして、ロドスの皆さん、ずっとお待ちしていました。

クロヴィシア
若い声

私はクロウェシア、ロンディニウム自救軍の指揮官を務めています。

サルカズの戦士
サルカズの戦士

将軍、ダブリンの指揮官が見えました。

マンフレッド
マンフレッド

……マンドラゴラ殿。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

……

マンドラゴラ
マンドラゴラ

マンフレッド……将軍。

マンフレッド
マンフレッド

ここへ来たということは、何か私と重要なことを話し合いたいからなのだろうな。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

フンッ……何もかも知ってるくせに……

マンドラゴラ
マンドラゴラ

あんたホントにサルカズなの?ほかのサルカズとはてんで違うわね……人をおちょくらないところとか。

マンフレッド
マンフレッド

マンドラゴラ殿、今のはサルカズたちにとって一種の侮辱とも捉えられる発言だぞ。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

……どうとでも解釈なさい。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

どうせこっちは……謝罪しに来たんだから。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

ほう、謝罪?

マンドラゴラ
マンドラゴラ

さっき下の検問所で起こったことよ、うちの人とそちらの人との間でちょっとした誤解が生じたみたい。

マンフレッド
マンフレッド

……誤解。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

だから……ここで、もう一度確認したいの……私たちとの間で結ばれている協力関係を。

マンフレッド
マンフレッド

もう一度言わせて頂こうか、マンドラゴラ殿。我々の間には別に必ずこれを遵守せよという事項は存在しない。

マンフレッド
マンフレッド

ダブリンがサルカズのロンディニウムにおける行動を一切阻害しない限り、貴殿らはいくらでもここら一帯に停留しても構わん。

マンフレッド
マンフレッド

だから貴殿としては……これを一つの暗黙の了解として見なしてくれればそれでいい。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

……それは、憶えているわ。

マンフレッド
マンフレッド

ふむ、だが忘れていても気にすることはないさ。先ほど起こったあの些細な騒動だが、一先ずは貴殿への警告としておこう。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

……

マンドラゴラ
マンドラゴラ

感謝……するわ。

マンフレッド
マンフレッド

まあそう急いで詫びに入るな。サルカズは貴殿らと違って根に持つタイプでな。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

見返りはなに?まさかアタシの命かしら?そうしたいのなら……

マンフレッド
マンフレッド

そうしたいのなら、貴殿はここには来れていないさ。

マンフレッド
マンフレッド

いや……貴殿が数か月前に赴いた西方大聖堂の階段に、足を踏むことすら叶わなかっただろうな。

マンドラゴラ
マンドラゴラ

ッ……

マンフレッド
マンフレッド

ダブリンの細やかな誠意、我々はそれが見たいのだよ。

マンフレッド
マンフレッド

だが、我々から奪ったヴィクトリア兵を返すような、あるいは脱走したヴィクトリア市民を一人二人誘拐するような“誠意”ではないぞ。

マンフレッド
マンフレッド

我々もそろそろ……真っ当な協力関係を結ぼうじゃないか。

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

ホルンさん!

ホルン
ホルン

どうしたの?

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

お邪魔してすいません、でもサリーが……もうもたないんです!あいつの負傷した足がパンパンに腫れて、もう膿も……

ホルン
ホルン

……

ホルン
ホルン

三番隊は?

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

まだ戻ってきていません、今朝は外が混乱していましたから、帰還に時間を取られているんじゃないかと。

ホルン
ホルン

ここにはあと何人残ってる?

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

新入りも加えて、戦えるヤツは全部で十七人です。

ホルン
ホルン

二番隊はここに残ってて、あなたたちも引き続き偵察にあたりなさい。

ホルン
ホルン

それ以外の五人ほど人を借りるわよ、もう一度ダブリンの住処に行ってみる。

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

しかし……それでまたマンドラゴラとばったり会ったらどうするんです?

ホルン
ホルン

……もうサリーは待てないのよ。

ホルン
ホルン

彼は今すぐ応急薬が必要だわ。鎮痛剤と解熱剤がなければ、おそらく今日の午後にも……

ホルン
ホルン

みんなまだ何か金目になる物は持ってるの?ん?毎日必要分の食料を交換するだけで、手一杯?

ホルン
ホルン

じゃあダブリンとじゃなくて、まさかサルカズと交渉するつもり?

ホルン
ホルン

それとも……一般人に助けを求めるのかしら?もし彼らが私たちに手を貸したら、敵にどんな仕打ちを受けるか、知らないあなたたちじゃないわよね?

ヴィクトリア兵
ヴィクトリア兵

はぁ……

ホルン
ホルン

ため息したところで戦友の命は戻ってこないわよ。

ホルン
ホルン

ほらほら、さっさと片付ける、使える武器もはやく持ちなさい、今すぐ出発するわよ。

ホルン
ホルン

ロッベン、さっき殺し足りないって言ってたでしょ?ラッキーだったわね、だってほら、もうそのチャンスがやってきたんだもの。

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