アークナイツストーリー翻訳

【明日方舟】阿呆船 SN-3「静寂な街道」行動後 翻訳

(爆発音)

聖徒カルメン
聖徒カルメン

報告通りだな、これが一体どういう生物なのか興味が湧いてきた。

Mon3tr
Mon3tr

(警戒する唸り声)

聖徒カルメン
聖徒カルメン

どうどう……何もせぬさ、可愛いヤツめ、どうやら人の言葉も理解できるらしい。

グレイディーア
グレイディーア

あの恐魚には別のナニかが寄生していた……ですけれど、今まで陸で見たのはこれが初めてですわね。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

“溟痕”だ、イベリアではそう呼ばれている。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

大静寂の後、イベリアの沿岸に住む者たちは極たまに海が発光する現象を目にする。一番古い目撃情報は十七年前だ。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

こちらの科学研究者たちは、ある種のプランクトンが爆発的に増殖した際に起こす現象だと考えている。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

せっかく君がここにいるので聞きたいのだが、エーギル人も……この不安を誘う現象を見たことがあるのかね?

グレイディーア
グレイディーア

エーギルでこのような現象は極稀にしか発生しませんわ。ですけれど蛍光を発する植物かしら?そういった観賞用植物なら科学院の荘厳なガーデンには欠かせませんわよ。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

ほう、エーギルも“鑑賞”をするのか。

グレイディーア
グレイディーア

“溟痕”――言い得て妙な名称だこと。この現象は即ち、海の陸に対する接触そのもの。

グレイディーア
グレイディーア

この蔓延る“溟痕”、本質的にもわたくしたちがサルヴィエントで見た恐魚とは同じもの。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

ほう……つまり、この自然現象もまた、“恐魚”の一種の生物的な形態というのか?

グレイディーア
グレイディーア

イベリアの生物学者さんたちもまだまだですわね。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

……状況は想定してるよりも複雑だ、だが最悪とまでは行かない。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

裁判所が目にし、殺し、そして捕らえた恐魚の種類はここ毎月ほとんど変化している。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

一番早い発生は第三海岸線で起こった。だが四五日しか経っていないというのに、我々が直面してきた宿敵共はどれも異形な姿と化していた。

ケルシー
ケルシー

海は今まさに陸に侵略してきている。私が言ったように、海は自らの方法で俊略しているのだろう。

ケルシー
ケルシー

ただ今は、ロドスのオペレーターの救助に向かわせて頂きたい。

グレイディーア
グレイディーア

一緒に向かいますわ。

ケルシー
ケルシー

結構だ、君とハンターたちはなるべく迅速に脅威の排除に取り掛かってくれ、現状それが一番有効だ。

グレイディーア
グレイディーア

……彼女への待遇ですけれど、イベリアならもっと丁重に扱うのかと思っておりましたわ。

(ケルシーが立ち去る)

聖徒カルメン
聖徒カルメン

無論ケルシーは丁重にもてなすべき対象だとも、だが今はより明確な敵が出現している、優先順位というものだよ。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

それで君はどうするつもりかね、エーギルの執政官殿?このまま我々にエーギルの傲慢の相手をさせるつもりかね?

グレイディーア
グレイディーア

10分だけ時間をくださいな。その間に今ある問題はすべてわたくしが片付けます、その後はほかのハンターたちと合流させてもらいますわ。

グレイディーア
グレイディーア

どうやって灯台に向かうかは、その後にまた話しましょう。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

では私はここに残ろう。この礼拝堂はすでに法を失って久しいが、それでも誰かがキレイに保ってくれている。

聖徒カルメン
聖徒カルメン

この礼拝堂がこの先の戦いの唯一の光となろう。そのためにもイベリア裁判所がここを守る、私一人でな。

ティアゴ
ティアゴ

おい、何かあったのか?

逃げ惑う町民
くたびれた町民

ティ、ティアゴ!あんたどこに行ってたのよ!?

逃げ惑う町民
くたびれた町民

アビサルの信徒が急に現れたんだよ!それにバケモノもよ、たくさん!

逃げ惑う町民
くたびれた町民

あっ……それと……

ティアゴ
ティアゴ

それとなんだ?あいつらはなんで町を襲ってるんだ?

ティアゴ
ティアゴ

アマヤは……アマヤはどこにいる?バケモノにやられたのか?

逃げ惑う町民
くたびれた町民

あいつら……あいつら……

逃げ惑う町民
くたびれた町民

無差別に町民を襲ってはいないわ、戦ってるのは……一人の……審問官だけよ。

ティアゴ
ティアゴ

――

逃げ惑う町民
くたびれた町民

裁判所へ密告した人ならいないよ!ティアゴ!本当だってば!

逃げ惑う町民
くたびれた町民

あの広場であのバケモノの死体を見つけてからそう間もなく、審問官は現れた。今思い返すと、もしかしたら彼らがやったんじゃないかって……あっ。

ジョディ
ジョディ

どうしたました、ティアゴさん?あっ……こんにちは。

ジョディ
ジョディ

二人とも顔色が……

ティアゴ
ティアゴ

ジョディ、ついて来い。

ジョディ
ジョディ

ティアゴさん?

ジョディ
ジョディ

静かにしてくれ。

逃げ惑う町民
くたびれた町民

ティ、ティアゴ、本当に私たちがやったんじゃないからね……いくら足が速くても、こんな短時間で裁判所までたどり着けるはずがないもの。

ティアゴ
ティアゴ

……わかってる。今はジョディの安全が優先だ、こいつにも事態を理解してほしい。

ティアゴ
ティアゴ

どうせ一週間前に、あるいか一か月前に裁判所へ向かったヤツがいたとか、そういうことなんだろう。邪教徒の噂も結構長い間伝わってたしな。

逃げ惑う町民
くたびれた町民

す、少なくとも私じゃないわよ!私も夫も違うから!

ジョディ
ジョディ

まさかフアンさんでしょうか?裁判所に狙われていたとか?

逃げ惑う町民
くたびれた町民

……あんた……

逃げ惑う町民
くたびれた町民

フアンが深海教会の人間だって……知ってたの?いつからそれを?

ティアゴ
ティアゴ

ジョディ!行くぞ!

ジョディ
ジョディ

あっ……はい。

(ティアゴとジョディが走り去る)

逃げ惑う町民
くたびれた町民

ティアゴ!

逃げ惑う町民
くたびれた町民

ああ……行っちゃった。

男性の町民
警戒する町民

あいつならもう放っておけ、それで町はどうなってるんだ?

逃げ惑う町民
くたびれた町民

さあね。あの審問官とよそ者がバケモノたちと戦ってるわ、私たちじゃどうにもならないわよ。

男性の町民
警戒する町民

チッ……もし審問官がバケモノを片付けちまったら、今度は俺たちが裁かれちまう。

逃げ惑う町民
くたびれた町民

そ、そんなことないはずよ……ちょっとあんた、なんかいかがわしいことでも考えてるんじゃないでしょうね?

男性の町民
警戒する町民

あの審問官、いっそバケモノと共倒れになっちまえばいいんだ……

逃げ惑う町民
くたびれた町民

そんなこと思っても言うんじゃないわよ!

男性の町民
警戒する町民

でもよ、今まで働いてる連中が恐魚に襲われたことなんてほとんど聞いてこなかっただろ……それに比べて裁判所だ、あいつらは俺たちをどれだけ痛めつけてきた?

逃げ惑う町民
くたびれた町民

で、でも……

男性の町民
警戒する町民

じゃあ裁判所が来た場合、お前はどうやって自分は深海教会のモンじゃないって証明するんだよ?

逃げ惑う町民
くたびれた町民

……なにか方法はないの?

男性の町民
警戒する町民

……あの審問官はかなりのやり手だ……疑いを晴らしたきゃ、あいつらに一番怪しいヤツを差し出せばいい。

男性の町民
警戒する町民

例えば、深海教会と関わってそうなエーギル人とかな。

海のバケモノ
恐魚

グゲゲ……

怪しげな信徒
殿を務める信徒

……ほかの者たちはみな、無事に脱出できたか。だがアマヤの姿が見えない。

怪しげな信徒
殿を務める信徒

審問官以外にも、狩人までがいる。アマヤの口から聞いたことがあるだけの狩人が。

怪しげな信徒
殿を務める信徒

だがここは陸地だ、審問官ほどの相手ではない。

怪しげな信徒
殿を務める信徒

アマヤを探して、連れてきてくれ。それから狩人たちを足止めするんだ。

怪しげな信徒
殿を務める信徒

さあ、行きなさい。ほかの兄弟と姉妹たちはすでに無残にも殺された、私たちが最後の一派だ、これ以上審問官に同胞たちを殺させるわけにはいかない。

海のバケモノ
恐魚

(同調するかのように頭部を捻る)

ティアゴ
ティアゴ

ジョディ、はやくしろ!

ジョディ
ジョディ

は、はい……

ジョディ
ジョディ

(町があちこち壊されてる……あれも……恐魚の仕業なのかな?)

ティアゴ
ティアゴ

裁判所さ。

ティアゴ
ティアゴ

……!

ティアゴ
ティアゴ

それに大審問官かもしれない。部下も連れずに一人でアビサル教徒の古巣にガサを入れに来やがった、そうなりゃロクな相手でもねえ。

ティアゴ
ティアゴ

グラン・ファロで恐魚と邪教徒が現れた以上、弁明の余地もない。

ティアゴ
ティアゴ

ほら、ちゃんと持て。あとお前の親父さんのランタンもだ、ちゃんと持っておけよ。

ジョディ
ジョディ

ボク――

ティアゴ
ティアゴ

ジョディ・フォンタナローザ、お前はもう大人だ。お前にすべてを打ち明かしたのは、お前に新しい暮らしのチャンスを掴んでほしかったからだ。

ティアゴ
ティアゴ

俺ァ……ずっとお前に打ち明かしたかったんだ。お前に真実を教え、お前にここから出て行ってほしかった、でも俺ァ……

ジョディ
ジョディ

知ってますよ、ティアゴさん……あなたはボクの父みたいな人、そしてグラン・ファロはボクたちの家。ここを出て行けば……ボクはすべてを失う。

ティアゴ
ティアゴ

だが遅かれ早かれここを出るんだ。若い連中はみんな出て行きたがってたさ、お前以外はな。

ティアゴ
ティアゴ

さあ、送るよ。恐魚はおっかないモンだが、対処は知ってる。審問官の目を掻い潜って抜け出すには今しかない……

(ドアを叩くような音)

ティアゴ
ティアゴ

この音はなんだ?

ジョディ
ジョディ

……ドアのほうみたいですね?

ティアゴ
ティアゴ

ああ……ん?

ティアゴ
ティアゴ

……なっ……テメェら!恐魚よりもテメェらのほうがよっぽど人食いだぜ……!

ティアゴ
ティアゴ

なんとか言え!ペテロ!マヌエル!テメェらだろ、外にいるのは!ワカメみたいな臆病者め――!

ジョディ
ジョディ

て、ティアゴさん、どうしたんですか?

ティアゴ
ティアゴ

ドアを塞がれちまった。

ジョディ
ジョディ

え?でも、えっ、なんで?

ティアゴ
ティアゴ

なんでだって?お前がエーギル人だからさ。

ティアゴ
ティアゴ

きっとほかの窓とかも塞がれちまってる。上に登るぞ、屋上から出よう。

スペクター
スペクター

あなた、わたくしを知ってるのですか?

アマヤ
アマヤ

ローレンティーナ……その様子、シスターの装いはどうしたのですか?結構似合っていたのに。

アマヤ
アマヤ

あぁ、あなた……拠り所を見つけたのですね。そしてほかの狩人たちにも見つかって、連れて行こうとしていると?

スペクター
スペクター

ローレンティーナ……わたくしの名前。

アマヤ
アマヤ

万物の主の名前でもあります。

スペクター
スペクター

万物の主?

アマヤ
アマヤ

海、あるいは海で起こりうる物事を指す存在です。

アマヤ
アマヤ

精神状態があまりよろしくないですね、それではいけませんよ……あぁあなた、もしかして一度目を覚ましたのですか?クイントゥスを殺した時でしょうか?

スペクター
スペクター

クイン……トゥス……?

アマヤ
アマヤ

あなた、海に一度触れたというのに、そのままエーギルには戻らなかったのですか?あなたたちは総じてずっと帰りたがっていたと思っていたんだけれど。

アマヤ
アマヤ

それとも……陸にはまだあなたたちに導きを、ゆっくりとあなたたちに企ててもらえる人がいるとか?

アマヤ
アマヤ

ローレンティーナ、私たちはなぜこんなタイミングで出会ってしまったのでしょうね?

スペクター
スペクター

あなたの手、とても冷たいですね。

アマヤ
アマヤ

かつての私たちはなんでも話し合える仲だった、本当よ。

アマヤ
アマヤ

でも今は……

(遠くからスカジが呼びかける)

スカジ
スカジ

スペクター!

アマヤ
アマヤ

……あなたがまだ私の名を覚えていてくれたら、また私のところに来てくださいね。

アマヤ
アマヤ

私はもう陰ながら決心しました。もしあなたが目覚めて私のもとへやってきたら、すべてを教えましょう。

アマヤ
アマヤ

また会いましょう、ローレンティーナ。

(アマヤが立ち去る)

スペクター
スペクター

……あっ。

スペクター
スペクター

……

スカジ
スカジ

……あの人は誰?

スペクター
スペクター

知らない人です……でも彼女は……私を知ってるようでした。

スカジ
スカジ

彼女からは匂いがしない、少なくともクイントゥスのようなシーボーンではなさそうね。

スカジ
スカジ

そんなことより。

スカジ
スカジ

今は恐魚を片付けて、隊長と合流しましょう。

男性の町民
ドアを塞ぐ町民

おい、近くに恐魚はいないよな?

逃げ惑う町民
手を貸す町民

い、いないわ……あっても死体だけ、とても静かよ。裁判所が全部片づけてくれたのかしら?

男性の町民
ドアを塞ぐ町民

願ってもないことだ、それよりもういっちょ手を貸してくれ。こいつらを中に閉じ込めるんだ。おい、誰か審問官に知らせてくれ!

逃げ惑う町民
手を貸す町民

わ、わかった……これならもうビクともしないはずよ!でも町はこんな有様なのに、どうして町長にこんな仕打ちを?

男性の町民
ドアを塞ぐ町民

町の有様が収まったら、審問官は今度俺たちに剣を突きつけてくるからだよ――お前ちょっと礼拝堂まで様子を見に行ってくれ、できたら審問官を呼んできてほしい。

逃げ惑う町民
手を貸す町民

わ、私が行くの?でももしまだバケモノが潜んでいたら……

逃げ惑う町民
手を貸す町民

あれ?屋上に人影が?

男性の町民
ドアを塞ぐ町民

なんだと――?

男性の町民
ドアを塞ぐ町民

ティアゴとジョディだ!逃げられた!はやく追え、追うんだ!

ティアゴ
ティアゴ

はやく、逃げるんだジョディ!

ジョディ
ジョディ

わ、わかってます!

ティアゴ
ティアゴ

町の外まで逃げろ!審問官にバレないようにな、後ろにいるクソ共にも捕まえられるな!

ジョディ
ジョディ

はい!

ティアゴ
ティアゴ

ハァ……ハァ……そのまま、町の外、北だ、北にトランスポーターの中継点があるから、そこで――

ジョディ
ジョディ

分かりました!

ティアゴ
ティアゴ

お前のカバンに――ぜぇ、ぜぇ――金を入れておいた!ほかの街へ、国に逃げるんだ!

ティアゴ
ティアゴ

は、はい!

ティアゴ
ティアゴ

ジョディ!

ジョディ
ジョディ

聞いてます!

ティアゴの走りが遅くなっていく。
彼はこの茫然としたエーギルの少年の、必死に街中を逃げていく後ろ姿を見ていた。

ティアゴ
ティアゴ

ふり、振り返るな!逃げろォ!

ティアゴ
ティアゴ

そうだ……ジョディ。それでいいんだ……振り返るんじゃないぞ。

???
迫りくる声

あいつらを町から逃がすな!あのエーギル人を裁判所に渡すぞ!

ティアゴ
ティアゴ

……お前の言う通りだ、ジョディ。

ティアゴ
ティアゴ

ここは俺たちの家。いくら時間をかけても、いくら文句を言ってもそこだけは変わらねえ。

ティアゴ
ティアゴ

(エーギル語)達者でな、ジョディ!

男性の町民
迫りくる町民

ティアゴ!あのエーギル人をどうした――

(ティアゴが町民を殴り飛ばす)

ティアゴ
ティアゴ

こんのぉ腰抜け野郎どもが!

男性の町民
迫りくる町民

なっ……なんの真似だ!ええいクソ!このままじゃ裁判所に異端として見られちまうぞ!昔のように!

ティアゴ
ティアゴ

恐魚よりも裁判所がおっかないってか!?クソッタレ!自分らの同胞よりも恐魚のほうを望んでいるって言うのかッ!

男性の町民
迫りくる町民

俺たちはもう裁判所に一度は痛めつけられた、そういうお前は二度目をご所望だって言うのかよ!

(町民がティアゴを殴る)

ティアゴ
ティアゴ

ぐはッ……ペッ、ぬるいパンチだぜ……

男性の町民
迫りくる町民

お前なァ――ま、待て、なんだあれは……あいつら……まだいんのかよ!?

海のバケモノ
恐魚

(不気味な蠢き声)

男性の町民
迫りくる町民

れ、礼拝堂に戻らなきゃ……審問官の傍なら安全――

(ティアゴが町民を殴る)

ティアゴ
ティアゴ

はっはァ!お返しだ、この腰抜け野郎!

男性の町民
迫りくる町民

――がはッ、ゲホゲホッ、なにしやがんだテメェ!?恐魚が見えてねえのか!?

ティアゴ
ティアゴ

恐魚がいるからなんだってんだッ!?

ティアゴ
ティアゴ

グラン・ファロが食われちまうのが怖いのか?テメェらなんぞ……大いなる静謐よりもよっぽども恐ろしいわ!

ティアゴ
ティアゴ

私利私欲のために弱者を貪って、自分の弱さを隠して全部エーギル人に濡れ衣を着せやがって、この血も涙もない連中が!

男性の町民
迫りくる町民

――ば、バケモノが迫ってきた――もうテメェと話してらんねえ!

ティアゴ
ティアゴ

当然だぜ、弱虫どもが!テメェらはいつだって懲罰軍の腰巾着だったさ、マノーリンが、エーギル人の仲間たちが連れて行かれた時から!

ティアゴ
ティアゴ

この人殺しが!

(ティアゴが町民を殴る)

男性の町民
迫りくる町民

――

男性の町民
迫りくる町民

――テメェがあの朗らかなエーギルの女を愛していたからって、俺たち全員を巻き込むんじゃねえ!

ティアゴ
ティアゴ

来いや腰抜け野郎!テメェの歯ァ全部叩き折ってやる!

(ティアゴが町民を殴る)

海のバケモノ
[恐魚

(鋭い呼吸音)

殴り合う二人。血はそこら中に撒き散るが、恐魚はただ二人を横切っていく。目に映っていないかのように。
分かり合えない、相容れない二人だ。

ジョディ
ジョディ

ハァ……ハァ……

ジョディ
ジョディ

ティ……ティアゴさん……?

ジョディ
ジョディ

ハァ……ハァ……

ジョディ
ジョディ

ティアゴさん――?

ジョディ
ジョディ

……ハァ……なんで……

ジョディ
ジョディ

もど……戻らなきゃ……

???
???

(エーギル人)止まれ、エーギル人。

ジョディ
ジョディ

あっ、はっ、はいッ!

ウルピアヌス
ウルピアヌス

お前がグラン・ファロにいる最後のエーギル人、ブレオガンの末裔だな。

ジョディ
ジョディ

は……はい?ブレ……なんですか?

ウルピアヌス
ウルピアヌス

恐魚はお前を殺し、そして裁判所はお前を閉じ込める。ついて来い、お前が必要だ。

ジョディ
ジョディ

……あなたも彼らの仲間なんですか?えっと、その、恐魚のボス的な?

ウルピアヌス
ウルピアヌス

違うッ!俺はかつての科学院すら深く興味を示したという失われた伝承を探しているのだ!

ウルピアヌス
ウルピアヌス

彼が残した宝とやらは、灯台でも大きな船でもない。末裔だ。

ウルピアヌス
ウルピアヌス

それがお前という可能性が出た。お前が俺の求めていた最後の手掛かりなのだ。

ジョディ
ジョディ

何を言ってるのかさっぱり分からない……

ウルピアヌス
ウルピアヌス

……お前の両親は何をしていたのだ?そして祖父母は?あのティアゴという親方はお前の実の父ではないのだろ。

ジョディ
ジョディ

ボクの両親は……

ジョディ
ジョディ

二人は……イベリアの眼のために、失踪しました。

ウルピアヌス
ウルピアヌス

……その不幸は理解できるさ、若いの。だがあえて言わせてもらう、その不幸がエーギルを救えるキッカケとなった、お前がエーギルを救うのだ。

ウルピアヌス
ウルピアヌス

ついて来てくれ、同胞に手荒なことはしたくない。

ジョディ
ジョディ

あの、本当に何を言ってるのかさっぱりです。そんな急に言われても頭が……

ウルピアヌス
ウルピアヌス

ついてくるんだ。

ジョディ
ジョディ

……

(爆発音)

ウルピアヌス
ウルピアヌス

なッ!

ジョディ
ジョディ

なに!?なんですか!?

エリジウム
エリジウム

落ち着いて、助けに来たよ。

エリジウム
エリジウム

行こう。

ウルピアヌス
ウルピアヌス

煙幕、小賢しい真似を……そうと知ればあの時に殺っておくべきだった。

ウルピアヌス
ウルピアヌス

そいつを連れてどうするつもりだ?お前は何も理解していないだろ、リーベリ。

???
???

その通りだ、エーギル人。ここには多くの謎がある。

ウルピアヌス
ウルピアヌス

……

大審問官
大審問官

そして貴様は、法に背いた輩だ。納得できる釈明がなければ、ここから半歩とて動けると思わないことだな。

大審問官
大審問官

それを重々理解してくれたまえよ。

エリジウム
エリジウム

……追ってきてない、よかった~、審問官が来てるタイミングで君を連れて行って正解だったよ……もしかしてもうおっぱじめてるのかな?

ジョディ
ジョディ

……

エリジウム
エリジウム

……おーい、もしもーし?

ジョディ
ジョディ

あっ、えっ、ごめんなさい……ボク……町に戻らないと……

エリジウム
エリジウム

町にいる恐魚なら大方片は付いてるけど、雰囲気はおかしいし、ケルシー先生とも連絡が取れないから、今は戻らないほうがいいと思うよ。

エリジウム
エリジウム

それに……町を出るつもりじゃなかったのかい?

ジョディ
ジョディ

……いえ……それは……

ジョディ
ジョディ

審問官が町に来て、ボクが連れて行かれると心配したティアゴさんが……

エリジウム
エリジウム

……裁判所か……

エリジウム
エリジウム

じゃあさっきの人は?なんで君を連れて行こうとしてたの?

ジョディ
ジョディ

……

エリジウム
エリジウム

ごめんごめん、言いたくなかったらいいよ。

エリジウム
エリジウム

ちょっとだけ時間をくれるかな?ボク一人でケルシー先生を探しに町に戻ったほうがいいか、それとも先に君を逃がしたほうがいいか考えておきたいんだ。

ジョディ
ジョディ

一緒に行きます、エリジウムさん。

エリジウム
エリジウム

……いいのかい?そのティアゴさんはやっとの思いで君を逃がしたかったんじゃ?

ジョディ
ジョディ

……こんなに裁判所の人がウロチョロいたら、どの道逃げられませんよ。

エリジウム
エリジウム

それで君は命を差し出すほどの覚悟はできているのかい?

ジョディ
ジョディ

えっ?それはどういう……

エリジウム
エリジウム

君は明確な目的すら持っていない、ただ覚悟という響きに憧れてグラン・ファロに戻ろうとしてるだけなんじゃないかな?

エリジウム
エリジウム

それは勘弁してもらいたいね、それよりも……ほかの町民も連れて、一緒に逃げ出したほうがいいよ。

エリジウム
エリジウム

ボクたちが遭遇してるのは森にいるようなオリジムシなんかじゃないんだ――こんなこと言いたくないけど、君たち一般人がいてもただの足手纏いさ。

ジョディ
ジョディ

ボクはただ逃げてるだけじゃダメだと思って……それに……ボクにはやり遂げるべき使命があるように思えるんです。

ジョディ
ジョディ

ボクは小さい頃からここで、伝承を聞き、海岸線を見て、両親が残した手記を読みながら育ってきました。だからこんな形でお別れしたくないんです……ボクは……

ジョディ
ジョディ

ボクにとって、ここが故郷なんですから……

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