ストーリー翻訳

【アークナイツ大陸版】イル・シラクザーノ IS-1「涙雨」行動後 翻訳

ソラ
ソラ

あなたは分かってないんだわ、あの人のことが。私には分かるもの。

エクシア
エクシア

お前はその“分かる”ってのを過信してしまっている。感情的になって見えた幻に目がやられちまったんじゃないのか?

ソラ
ソラ

サルヴァトーレは……クルビアの暗い路地から抜け出す資格はあるわよ。

エクシア
エクシア

あの男はシラクーザ人、どんな手を使うのか分かっちゃいないんだ、俺の妹よ。本当に俺たちに儲けさせてくれる保証なんてあるか?

エクシア
エクシア

あの男は面倒事を引っ下げて来るだけだ、俺たちをも巻き込んでな。

ソラ
ソラ

あの人は力で私たちを守ってくれるし、その力だって秩序によって厳しく管理されてる、それだけじゃまだ納得できないの?

エクシア
エクシア

そんなロマンあるもんじゃないよ。

ソラ
ソラ

いいえ兄さん、それは違うわ。確かに、ほかのシラクーザ人なら血と傷口を誇りの勲章として見立てていたでしょう。

ソラ
ソラ

けど、血がただの血であることを知っているのは、彼だけよ。

エクシア
エクシア

いや~、どうだったどうだった?アタシの演技?

ソラ
ソラ

正直に言っていい?

エクシア
エクシア

聞きたい聞きたい!

ソラ
ソラ

ひっど過ぎる!やっぱエクシアにこの役は合わないってば!

エクシア
エクシア

えぇー、けっこー役になりきれたと思ったんだけどなー。

ソラ
ソラ

演技はなりきればいいってだけの話じゃないの。

ソラ
ソラ

でもまあ台本からすれば、悪くはないかな!ほとんどミスは見れなかったし。

エクシア
エクシア

ちょっ、アタシへの要求低すぎない!?

ソラ
ソラ

クロワッサン、どうだった?

クロワッサン
クロワッサン

べらぼうによかったで!

クロワッサン
クロワッサン

ただ、お兄ちゃんに不満を表す時は、もーちょい感情を抑えたほうがよかったんとちゃう?

ソラ
ソラ

うーん、表現方法を変えるべきなのかな……ちょっと考えてみるね。

エクシア
エクシア

うへー、クロワッサン、いつの間にそんな演技に詳しくなったのさ。

クロワッサン
クロワッサン

毎週ソラはんが稽古してる様子を見に行ってるウチを舐めないでもらいたいわ。ウチはいっつものらりくらりと消えてまうどっかの大忙しなお二人さんとはちゃうねん。

エクシア
エクシア

むー、アタシはそんな何も言わずに消えたりしないってば。

クロワッサン
クロワッサン

あイヤ、別にそういう意味やなくて……

エクシア
エクシア

でもさ、それってきっと彼女を見つけられるって意味でもあるんでしょ?

クロワッサン
クロワッサン

まあ、せやな。

(拍手の音)

???
???

いやぁお見事、実に特色ある演技でしたよ。

ソラ
ソラ

えっ?

ソラ
ソラ

えーっと、あなたは……

ベン
???

ベンソンネキソスと申します。

エクシア
エクシア

えっとベン、なんだっけ……

ベン
ベン

ベンと、呼んで頂いて結構です。

エクシア
エクシア

おっけー!じゃベンさんね!

ソラ
ソラ

あのー、申し訳ないんですけど、もし用事がないんでしたらお引き取り願いますか?まだお稽古の途中ですので。

ベン
ベン

用事ならありますよ、今こうして演劇を鑑賞してる最中じゃないですか。

ソラ
ソラ

ウロウロしながらピザを食べてる人が劇を鑑賞してるとは思えないんですけど。

ベン
ベン

鑑賞時にピッツァを食ってはいけないルールなんてあるんです?

エクシア
エクシア

あー、劇場にそれっぽいのはあるかもよ?

ベン
ベン

けどそれはあくまで劇場が観客に設けたルールであって、舞台が観客に設けたものじゃないでしょう?

ベン
ベン

表面的ではありますが、規範とは物事に対する畏敬の念を人々に抱かせるもの。しかし虚構でできた舞台の幕が上がれば、真に畏敬すべき思いも跡形もなく消え果てしまうものです。

エクシア
エクシア

えーっと……どういう意味?

ベン
ベン

あっ、一切れ如何ですか、スィニョリータ。

エクシア
エクシア

いる!

エクシア
エクシア

うえぇ、食感マジ最悪なんだけど!

ベン
ベン

この街で売ってる一番安物のピッツァですからね。ただまあ、ソースの味は悪くありません。

ソラ
ソラ

……じゃあその、先ほどまであたしの演技をご覧になっていたのでしたら、感想や評価を頂けませんか?

ベン
ベン

見たところあなたは感情の捉え方や表現を得意としていますが、ミュージカルとは些か差異があるのがポイントでしょうね。

ベン
ベン

あなたは明らかに舞台慣れしている、いや、慣れ過ぎている。それが却って、ミュージカルの役者として演技を十全に発揮できてなくなっている。

ベン
ベン

しかし、別にこれはあなたが悪いわけではありません。とはいえ、ミュージカルの舞台に立つ以上は、これを乗り越えなければならないでしょうね。

エクシア
エクシア

へー、おじさんって結構目利きがいいんだね、そんなナリだから分かんなかったよ。

ベン
ベン

考えてみてください、あなたはクルビア豪商人の娘で、サルヴァトーレはシラクーザからやってきた一文無しの移民。

ベン
ベン

彼はあなたが今まで出会ってきたどの男とも違う。あなたの身分にはこれっぽっちすら興味を持っていないが、いつもいつもあなたに目を配っている。

ベン
ベン

彼は誰よりも怠け者ではありますが、しかし誰よりも頭が冴えている。

ベン
ベン

まるで一ファミリーのドンになるべくして生まれたような男は、今や戻ることのできない危険な道を歩もうとしているのです。

ベン
ベン

そこでお聞きしますがスィニョリータ、あなたはそんな人を愛せますか?

ソラ
ソラ

愛せ……ます……

ベン
ベン

いいや、あなたは恐れている!彼を愛せば愛するほど、あなたは彼を恐れるようになっているのです!

ベン
ベン

あなたは何一つ、彼を傍に留めさせる保証は得ていないのだ。

ベン
ベン

彼から離れたほうがいい、彼は私のものではないと、そう直感があなたに訴えかけているのです。

ソラ
ソラ

……

ベン
ベン

それから何度も何度も、彼はあなたの人生におけるただの通りすがりの人でしかない、彼を諦めればもっといい人が見つかると、そう自分に言い聞かせている。

ベン
ベン

もし彼を追いかけてしまえば、あなたの人生はまるで砂嵐を往く船の如く航路を見失ってしまう。それをあなたは、何よりも理解しているはずです。

ベン
ベン

なのにあなたは、自分の決断は正しいのか間違っているのか、それだけは未だに分からないままだ。

ベン
ベン

だがしかし、それでもあなたは自分の親にこう怒鳴りつけたのです――

ソラ
ソラ

「血がただの血であるのを知っているのは、彼だけよ!」

クロワッサン
クロワッサン

お~。

エクシア
エクシア

おお!

ソラ
ソラ

そっか、こういう感じだったんですね……

ベン
ベン

やっと理解してくれましたか、スィニョリータ。

(ベンが立ち去る)

ソラ
ソラ

あたし……

ソラ
ソラ

エクシア、もう一回やるよ!

エクシア
エクシア

えっ、ちょっ、まずはひと口ぐらい水を――

クロワッサン
クロワッサン

へへ、ソラはんがこの状態になってもうたからにはもう逃げられへんで~。

クロワッサン
クロワッサン

ほなウチは飲み物でも買ってくるわ、食べ物もついでにな。

クロワッサン
クロワッサン

ベンはん、あんたもどう――

クロワッサン
クロワッサン

あれ、もうおらん?

通報した人
通報した人

あっ、やっと来た。お巡りさーん、こっちです!

ラヴィニア
ラヴィニア

私は警察ではなく、ヴォルシーニの都市裁判官です。ラヴィニアと呼んでください。

ラヴィニア
ラヴィニア

ついでに言うと、シラクーザに警察組織はありませんよ。

通報した人
通報した人

えっ、警察がいないんですか?

ラヴィニア
ラヴィニア

外国から来られた方なんですか?治安維持なら、彼らが担当ですので。

通報した人
通報した人

彼らって、誰なんです?私はただビジネスしにシラクーザへ来ただけですので、あまりこの国ついては詳しくないのですが……

ラヴィニア
ラヴィニア

彼らとはファミリーのことです。できることなら関わらないほうが身のためですよ。

通報した人
通報した人

は、はぁ……

ラヴィニア
ラヴィニア

それで、現場はどこですか?

通報した人
通報した人

あっ、それが……まあ自分で見たほうが早いと思います。ほら、そこのゴミ箱の後ろ。

ラヴィニア
ラヴィニア

……

ラヴィニア
ラヴィニア

遺体は五名、死亡して24時間は経過していないはず、恰好を見るにファミリーのメンバーのようですね。

ラヴィニア
ラヴィニア

待った……

通報した人
通報した人

どうしました?

ラヴィニア
ラヴィニア

……この人たち、今朝会ったばかりです。

ラヴィニア
ラヴィニア

ついこの前、ある公務員の人を襲ったのですが、少し顔を合わせただけで取り逃してしまいました。

ラヴィニア
ラヴィニア

しかしなぜこんなところに……この人たちのボスだった人もいない。

通報した人
通報した人

シラクーザが……危険な場所だってのは聞いたことありますけど、まさかこんなにも……

ラヴィニア
ラヴィニア

もしファミリー同士の争いだったら、必ず現場をキレイに処理するはずです。

ラヴィニア
ラヴィニア

これは彼らのやり方にそぐわないわ。

ラヴィニア
ラヴィニア

ここは何も見なかったことにしておきましょう、スィニョーレ、あなたの身の安全のためにも。

ラヴィニア
ラヴィニア

あとは私に任せてください。

通報した人
通報した人

あっ、は、はい!

通報した人
通報した人

クソぉ、今にもさっさと出ていきたいよ、こんな場所。

(通報した人が立ち去る)

ラヴィニア
ラヴィニア

……

(携帯の呼び出し)

バーテンのクソ野郎
???

やぁラヴィニアさん、まさかそっちからかけてくるなんて珍しいね。

ラヴィニア
ラヴィニア

ディミトリー、近頃街中で威張ってるようなヒットマンの類は見かけませんでしたか?

ディミトリー
ディミトリー

んー?んー……この時期にそんなことをする人はいないと思うけどね。

ラヴィニア
ラヴィニア

……ここ一か月起こった罪状を全部あなたになすり付けてやってもいいんですよ?

ディミトリー
ディミトリー

まあまあ、ちょっとした誤解だと思うよ~。

ラヴィニア
ラヴィニア

ついさっき、オルヴィエト大通りの裏路地で五人の遺体を発見しましたが、現場は処理されていません、ファミリーの仕業には見えないんです。

ラヴィニア
ラヴィニア

それに今朝、この横たわってる遺体の連中がある公務員を襲ったところに出くわしたばかりなんです。

ディミトリー
ディミトリー

へぇ、面白いこともあるんだね。

ラヴィニア
ラヴィニア

あなた方の権力闘争にはなんの興味もありませんが、少なくともここにはまだ秩序が保たれていることだけはくれぐれも忘れないように。

ディミトリー
ディミトリー

ここヴォルシーニはベッローネが仕切ってるんだ、それにあんたみたいな厳しい裁判官がいりゃ、忘れたくても忘れられないよ。

ディミトリー
ディミトリー

こんなこと、ベッローネファミリーにケンカ振ってるようなもんさ。誰もやりたがらないよ。

ディミトリー
ディミトリー

まっ、クルビア人を――

ラヴィニア
ラヴィニア

クルビア人を除けば、と言いたいのでしょう?

ディミトリー
ディミトリー

俺たちが定めたルールに縛られない人間なら、こんなこともしでかすかもな。

ラヴィニア
ラヴィニア

……何かあったら私に知らせなさい。

ディミトリー
ディミトリー

そんな義務負っちゃいないはずなんだけど?

ラヴィニア
ラヴィニア

それも“ベッローネファミリーへケンカを振ってる”と見なしてもいいと言うのなら、従わなくて結構ですよ?

ディミトリー
ディミトリー

はいはい、レオンに伝えておくよ。まっ、どうせあいつも暇だろうし。

(携帯が切れる)

ラヴィニア
ラヴィニア

……

ラヴィニア
ラヴィニア

……政府職員への襲撃、それと突如と現れた殺し屋。

ラヴィニア
ラヴィニア

この二つ、何か関係があるのかしら……

顔に打ち付けてくるほどの湿った空気。
裁判所への帰路の途中、近頃発生した事件がラヴィニアの頭の中で幾度となく過っていく。
それらすべてを覆い被さっているのが何なのか、彼女には分かっていた。しかしここシラクーザではそれが当たり前なのだ。彼女含めて、ここに住まう人たちはみなそれに慣れ切ってしまっている。
そんな中、裁判所の前に止めてあったマイカーを見たラヴィニアは、堪らずため息をついた。
彼女の車に塗料がぶっかけられていたのだ。周りに止めてある車両と比べて、格段に目立っている。
これでもまだ優しいほうの悪意だ。
昔の彼女であれば、こういった行為に心底やるせない気持ちでいっぱいになっていたはずだが、今はこの降り続ける雨のほうが悩ましいばかりである。
無論、洗車代もそうではあるが。

(ラヴィニアとラップランドがぶつかる)

ラヴィニア
ラヴィニア

あっ、すみません。

ラップランド
ラップランド

気を付けてね、裁判官さん。

ラップランド
ラップランド

今日も雨は止みそうにないんだ。足元に気を付けなきゃ、すっ転んじゃうかもよ。

ラヴィニア
ラヴィニア

……お気遣いありがとうございます。ただ、あなたも傘はお持ちになれていないようですね。

ラップランド
ラップランド

傘をさすのはあんまり好きじゃないんだ、ボクとしては雨に打たれたいものなんでね。

ラヴィニア
ラヴィニア

そうですか、ならそちらも足元にはお気をつけてください。

(ラヴィニアが達ち去る)

ラップランド
ラップランド

……

カポネ
カポネ

なんでわざわざあの女にちょっかいかけたんだ?

ラップランド
ラップランド

なんでちょっかいをかけたって思えるんだい?まさかキミ、ボクを少しは理解したとでも思ってるのかな?

カポネ
カポネ

……聞かなかったことにしてくれ。

ラップランド
ラップランド

まっ、ちょっかいをかけたのは本当だけど。

カポネ
カポネ

……

ラップランド
ラップランド

あの女、全身からボクのよく知っている大っ嫌いな匂いをしていたよ。

カポネ
カポネ

そうかよ。しかしだ、お前からベッローネファミリーに潜入するよう言われたけどよ、これじゃ向こうに疑われて終わりなように気もするんだが。

ラップランド
ラップランド

ボクが知りたいのは今この街で何が起こってるのか、なぜベッローネがテキサスを連れ戻したかだけだ。

ラップランド
ラップランド

そこでキミたちはどう潜入するつもりなんだい?下っ端のヒットマンとして始めて、どんどん出世してからベッローネのお抱えになるつもりなのかな?

カポネ
カポネ

少なくともガンビーノならそう考えてるはずだ。

ラップランド
ラップランド

効率が悪いね。

ラップランド
ラップランド

少しは交渉材料でも見つけたらどうなの?

ラップランド
ラップランド

でガンビーノは?

カポネ
カポネ

……例の仲介人んとこに行って、手柄を立てに行きやがったよ。

ラップランド
ラップランド

ハッ、ほらぁ、シラクーザでどう出世街道を登っていくのかあいつのほうがキミよりよっぽど理解してるじゃないか。

カポネ
カポネ

否定はしない。

カポネ
カポネ

俺はもう長い間ずっと龍門で暮らしてきたんだ。まさかシラクーザがてんで変わっていなかったなんてよ、もうすっかりここでの暮らしが鈍っちまったぜ。

ラップランド
ラップランド

またすぐに慣れるさ、ガンビーノみたいにね。

ラップランド
ラップランド

キミだってシラクーザ人なんだもん。

カポネ
カポネ

それでお前、本当にあいつがまたここで成り上がっていくのを放っておくつもりなのかよ?

ラップランド
ラップランド

ダメなのかい?キミだってそうすればいいじゃないか、思う存分にね。ボクからは絶対に手出しはしないよ。

カポネ
カポネ

……ますますお前が何を考えてるのか分からなくなってきちまったぜ。

ラップランド
ラップランド

ボクなら今は雨を楽しんでいる最中だよ、雨は嫌い?

カポネ
カポネ

ガンビーノは大っ嫌いだろうよ、それだけだ。

カポネ
カポネ

んで、なんか情報でも手に入ったのかよ?

ラップランド
ラップランド

知りたいの?

カポネ
カポネ

はいはいそういうやつかよ。それで、知るにゃ俺は何をすればいいんだ?

ラップランド
ラップランド

キミは運がいい、ちょうど運転手を必要としてたんだ。

カポネ
カポネ

……はぁ。

ディミトリー
ディミトリー

さあ入ってくれ、番狂わせさん。

(ガンビーノがディミトリーに襲いかかる)

ガンビーノ
ガンビーノ

そら、生きて帰ってきてやったぜ、このバーテンのクソ野郎が。

ディミトリー
ディミトリー

いいね、中々やるじゃないか。でもあんたも、八年前龍門に行ったあんたのお友だちのカポネも、まだまだだね。

ガンビーノ
ガンビーノ

イヌっころが、あんま調子に乗んじゃねえぞ!

ディミトリー
ディミトリー

やっぱあんたは噂通り、自分の持つべきものと持つべきでないものをよく分かっていないみたいだ。

ディミトリー
ディミトリー

最後のシチリアーノはそうやってスィニョーラからの庇護を失ったんだろ、違うか?

ディミトリー
ディミトリー

今のシチリアーノに、自分のそのちっぽけな誇りを守る以外何ができるんだい?

ガンビーノ
ガンビーノ

……

ディミトリー
ディミトリー

よく聞いておけよガンビーノ、俺はあんたやカポネが何しにシラクーザへ戻って来たかは興味ないんだ、後ろに誰がついていることもな。

ディミトリー
ディミトリー

俺が欲しいの実力、それと行動力だけだなんだよ。

ガードマン
ガードマン

そうかよ、んで俺たちの行動力はどうだったんだ?

ディミトリー
ディミトリー

あんたらはここのモンじゃないが、キモは中々据わってる、悪くない。

ディミトリー
ディミトリー

だからこれからも至ってシンプルだ。報酬はやる、もしいい仕事ができたのなら、もっとやる。

ディミトリー
ディミトリー

ベッローネに会いたいんだろ?俺を満足させてくれたら、ちゃんと会わせてやるさ。

ガンビーノ
ガンビーノ

ならその際はテメェが悔やんでも悔やみきれねえぐらい、いい仕事をしてやるさ。

ディミトリー
ディミトリー

シチリアーノのそういった骨の髄までの諦めの悪さは嫌いじゃないよ、本当さ。

ディミトリー
ディミトリー

今のシラクーザは逆にそういうのが少なくなっているからね。

ディミトリー
ディミトリー

だからあんたは使ってやるよ、ガンビーノ。

ディミトリー
ディミトリー

そん時になったら分かるさ、俺は決して後悔しない人間なんだってな。

パーティが間もなく開始する中、早々に入口で客人らを迎える人が立っていた。

ルビオ
???

ようこそ、スィニョーレ・ベアット。

尊大な役人
尊大な役人

君は――

ルビオ
ルビオ

ルビオだ。先週のパーティで一度会ったことがある。

尊大な役人
尊大な役人

あぁ思い出した、食品安全部部長のルビオか。いやすまない、最近記憶力が悪くてね。

尊大な役人
尊大な役人

君がいるということは、今日のパーティも色々と美食にありつけられそうだな。

ルビオ
ルビオ

そんなとんでもない。いやまあ、今日は客人がいらっしゃるからな、確かに色々と仕込みをさせてもらったよ。

尊大な役人
尊大な役人

そうか、それは楽しみだ。

通報した人
横柄な役人

ベアット、こっちだ。

尊大な役人
尊大な役人

おう。では、先に失礼させてもらう。

通報した人
横柄な役人

さっきの人は?

尊大な役人
尊大な役人

食品安全部部長のルビオだ。

通報した人
横柄な役人

はぁ?あの恰好で部長?てっきりただのコンシェルジュだと思ってたから、来るとき無視しちまったよ。

尊大な役人
尊大な役人

まあ目を配るほどの人物でもないのは確かさ、所詮はただのピエロだからな。

通報した人
横柄な役人

と言うと?

尊大な役人
尊大な役人

あいつはファミリーの人間じゃないんだ。だから一生頑張ったところで、精々食品安全部部長とかいう地味な部門のトップ止まりなのさ。

尊大な役人
尊大な役人

だがあいつが部長になってから、あちこちファミリーに取り入れてもらうようになっている。おかげでそこそこ名を上げたてはいるみたいだがな。

尊大な役人
尊大な役人

今じゃヴォルシーニ内の大小様々なパーティで出される食品は、全部そこからの提供だ。

尊大な役人
尊大な役人

にしては体面なんか気にしないで、ああやってよく入口に立って客人らを迎えてるみたいだが。

通報した人
横柄な役人

なるほどね。まっ、ああいった面の厚さは、少しは学ぶ価値があるかもしれないね。

ルビオ
ルビオ

……

(携帯の音)

ウォーラック
???

おめでとう、ルビオ。

ルビオ
ルビオ

えーっと……なんのことかな?

ウォーラック
???

聞いたぞ、今夜のパーティにはあのレオントゥッツォの坊主も参加するそうじゃないか。

ウォーラック
???

ベッローネのボンボン、あのカラッチのお気に入りなんだぜ。昔じゃこんなパーティになんか参加しようともしなかった大物だぞ。

ウォーラック
???

これはお前が出世するまたとない機会だ、違うか?

ルビオ
ルビオ

……ふふふ、ウォーラックさん、どうやらワシが数日前に送ったステーキ、お気に召してくれたみたいだね。

ルビオ
ルビオ

さもなきゃ、こうしてわざわざ電話してまで冗談を言いにくることもないだろ。

ウォーラック
ウォーラック

ふっ。

ウォーラック
ウォーラック

今はもう昔じゃなくなったさ、ルビオ。俺がまだロッサーティのこの街のボスとして威張り散らしてるように見えるかもしれんが、こっちもこっちでルールってモンを守らなきゃならん。

ウォーラック
ウォーラック

例えば今、俺はあんたのことをフラテッロ(兄弟)って呼ばなきゃならない、とかな。

ルビオ
ルビオ

いつもお世話になっているよ。

ウォーラック
ウォーラック

みんな仲良く手を貸し与える、いいことだ。何かあったらテーブルの上で解決する。

ウォーラック
ウォーラック

俺たちだって毎日ドンパチやり合いたいわけじゃない、そうせざるを得ないってだけなんだ、そうだろ?

ルビオ
ルビオ

そりゃごもっともで。ウォーラックさんもいつもご苦労なことだしね。

ウォーラック
ウォーラック

輸送部部長はベッローネの人間だ、いつも俺を避けやがるが、こっちが下手に手を打つわけにもいかなくてな、ったく。

ウォーラック
ウォーラック

だが貿易部の部長は賢い、あいつとは仲良くやらせてもらってるよ。だからロッサーティも全力であいつを支援している。

ウォーラック
ウォーラック

で今日のパーティの主役、建設部部長のカラッチはよく分からん。ベッローネのガキが傍にくっ付いてるとは言え、どことも関係はそこそこで悪くはないんだ。

ウォーラック
ウォーラック

だからルビオ、食品の安全も大事なことだが、あんたも賢い人間でいてくれよ。

ルビオ
ルビオ

もちろんさ、心配はいらんよ。

(レオントゥッツォが車から降りてくる)

ルビオ
ルビオ

おっとお客人がいらっしゃった、それじゃまた後でな。

ウォーラック
ウォーラック

おう。

テキサス
テキサス

……

(回想)

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

お前が中々の腕の持ち主なのは分かっている、テキサス。だが生憎、俺はあまり暴力は好きじゃなくてな。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

暴力に走るのは一番効率の悪いやり方だからだ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

だから、もし暗殺の仕事を数件こなせばシラクーザを出られると期待しているのであれば、お前を失望させてしまうかもしれない。

テキサス
テキサス

……何をすればいいのか、それだけを教えてくれればいい。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

カラッチ、ヴォルシーニ建設部の部長だ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

彼は新しい移動都市の区画建設の責任者でな、こちら側の人間なんだ。その人を、お前に警護してもらいたい。

テキサス
テキサス

政府の役人をか?

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

言いたいことは分かる。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

「政府とはサラ・グリッジョが囲む円卓のテーブルクロスのようなものだ」。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

スィニョーラが言ったその言葉に、どこのファミリーの面々も深く感慨を受けたものだよ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

そしていつの間にか、俺たちはそんなテーブルクロスの上に置かれた食器やら花瓶やらを気にしなくなったんだ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

だが今、俺はそういったもの気にしなきゃならなくなってしまった。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

クルビア人が新しいモノを持ち帰ってきたからな。その中で一番俺を不安にさせたのは、あいつらが持ち帰ってきた技術ではない、一番不安に感じるのは――

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

あいつらのやり方だ。シラクーザのとはまったくもって異なってる。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

シラクーザの役人共は昔からここにいるファミリーたちに歯向かえないでいる、それをあいつらはよく分かっていた。だから役人たちを無理やり従わせようとはいない。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

役人どもには、時には目を瞑ってもらうか、あるいは融通を利かせるようにしたんだ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

それで俺たちには何ができる?あの役人どもを殺したところで、根本的に問題を解決したことにはならないこの場面で。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

連中に殴り込むか?いいや、あいつらは自分の弱みを曝け出すほどのバカじゃない。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

いくら俺たちがここに強い影響力を与えることができていても、あいつらに手を出すことは不可能だ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

龍門で何年も暮らしてきたお前なら、こういった出来事について少しは親近感を覚えるんじゃないのか?

テキサス
テキサス

……ああ、龍門に戻ったと思えるぐらいにはな。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

フッ、だがここシラクーザの人たちはまだほとんど気付いていないんだ。クルビア人のやり方が、いずれは大きな波紋を呼ぶことになると。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

知っているか、テキサス?このやり方のロジックを真の意味で理解した時、俺は――

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

心の底から感銘を受けてしまったよ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

暴力や争いではなく、利益と交渉術を武器にしているあいつらに。

テキサス
テキサス

つまり、お前も多少なりともそいつらのやり方を学んだというわけか。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

学んだ?いいや違うさ、テキサス……俺ならあいつらよりもっと上手くやってみせる。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

そこでカラッチは俺の、言わば手札みたいなもんだ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

近頃街中ではいきなり、政府の役人を対象とした暗殺が増えてきている。まだ誰が後ろで糸を引いてるか判明できてはいないが、そんな中、俺はカラッチ部長の安全を確保する必要がある。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

彼は結構面白い人間でな。車じゃなく徒歩での移動を好むんだ。裏で彼に守りをつけてやってはいるが、やはりどうにも安心できない。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

だからお前にはパーティ会場へ向かう彼の警護にあたってもらいたい。心配するな、話ならすでにつけている。

テキサス
テキサス

……

(回想終了)

テキサス
テキサス

(ターゲットはすでに前の道を通った。ほかの場所ではファミリーのものが七人も警護にあたっている。)

テキサス
テキサス

(問題はなさそうだ……)

テキサス
テキサス

(!?)

(ラップランドが近寄ってくる)

ラップランド
ラップランド

やっぱりボクの言った通りだ、これからいいことが起こるって。

ラップランド
ラップランド

やあテキサス、ミルフィーユは如何かな?

この記事を書いた人
おーちゃん

フロストノヴァ推し

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