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【アークナイツ大陸版】イル・シラクザーノ IS-2「誉れある者」行動後 翻訳

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

ここは……

ディミトリー
ディミトリー

おっ、やっと目が覚めたか。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

ここは……家か?

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

ディミトリー、なんでお前がここにいるんだ?

ディミトリー
ディミトリー

ラヴィニアさんがあんたをここまで運んできてくれたんだよ。

ディミトリー
ディミトリー

医者によりゃ、極度の疲労に加えてケガを受けたから気絶したんだとさ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

……

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

チッ。

ディミトリー
ディミトリー

リンゴ、食うかい?

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

食う。

ディミトリー
ディミトリー

だと思った。ほら、もう剥いてあるよ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

ラヴィニアは?

ディミトリー
ディミトリー

あんたをガードマンに渡したら行っちまったよ。

ディミトリー
ディミトリー

知ってるだろ、彼女が昔っからこの屋敷に入りたがらないのは。

ディミトリー
ディミトリー

あんたのためにここまで来てくれただけでも奇跡だよ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

……

ディミトリー
ディミトリー

カラッチは死んじまったか、まあ確かに面倒ではある。

ディミトリー
ディミトリー

あんたがケガを受けたことも周りに知られちまってるだろうし。

ディミトリー
ディミトリー

今ほかのファミリーから見りゃ、ベッローネ家はこの一瞬で勝機を失って、内憂外患な状態だ。

ディミトリー
ディミトリー

いつでも余所から噛みついてくるかもしれないぞ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

俺を襲った連中だが、生きてるヤツはいたか?

ディミトリー
ディミトリー

残念ながら。

ディミトリー
ディミトリー

死体を調べてもなーんも出てこなかったよ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

まあ、そうだろうな。

ディミトリー
ディミトリー

誰がやったと思う?

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

サルッツォはこれまでずっと手を出してこなかった、あいつらはずっとチャンスを待ってたんだ。向こうにとって今がその時だろうな。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

ロサッティは……ウォーラックが俺と一緒に襲われたから、あいつらも被害者側だと思うが……

ディミトリー
ディミトリー

だが、クルビアのファミリーつっても一枚岩というわけではない。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

ああ、内部で争ってる可能性は否めない。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

だが、ほかに可能性がないというわけでもない。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

チッ、まったくいい時期を選んでくれたもんだ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

とりあえず水をくれ。

ディミトリー
ディミトリー

まったく、いつもより注文が多いこった、横になってるくせに。

(ディミトリーがグラスに白湯を入れる)

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

……おい、白湯はわざとだろ?

ディミトリー
ディミトリー

あんたが正確な指示をくれないからだと思うが?

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

……分かったよ、お前はいつもそうやって不満を見せてくる。で、今度はなんだ?

ディミトリー
ディミトリー

テキサスの処置、俺は反対だ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

ラヴィニアはしっかりと物事を見極めてくれる人だ、清廉潔白な人を無闇に陥れるような真似はしない。彼女にも彼女なりの考えがあるんだ。

ディミトリー
ディミトリー

いいや、そういうことじゃない。俺が言いたいのはな、あいつはお前の武器にできたはずだ。

ディミトリー
ディミトリー

ドンがあいつをあんたに渡したってことは、ファミリーに危害を加える危険性はないってことだろ。

ディミトリー
ディミトリー

あんたはあいつをしっかり武器として扱うべきなんだ。

ディミトリー
ディミトリー

それが今はどうなった?ラヴィニアなんかにしょっ引かれちまってよ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

彼女だってファミリーのためを考えてああしたんだ。分からないとは言わせないぞ。

ディミトリー
ディミトリー

この危険な状況下でテキサスの名がついた厄介事を手に持ってちゃ、あんたはもっと余計な目に遭わされちまう、そこは認めるよ。

ディミトリー
ディミトリー

シラクーザにとっちゃ彼女の名は……あまりにも目立ちすぎるからな。

ディミトリー
ディミトリー

ラヴィニアの立場からしても、まあテキサスをそっちに預けたほうが何かと安全だろうな。

ディミトリー
ディミトリー

でも俺たちファミリーのほかの連中はどう思う?

ディミトリー
ディミトリー

きっとこう思うはずだ。ベッローネ家の若旦那であるレオントゥッツォは、テーブルクロスが敷かれたおままごとに夢中になり過ぎて、すっかり軟弱者になってしまった。

ディミトリー
ディミトリー

ナイフを上手く扱えないだけでなく、あまつさえそいつを失ってしまった。

ディミトリー
ディミトリー

ベッローネ家も地に落ちた。これから誰であろうと、噛みついてきたヤツには必ず仕返ししてやる、ってな。

ディミトリー
ディミトリー

なあレオン、ヴォルシーニのニュータウンはあんたが建設部でやってる下らねえ“事業”にゃ留まらねえんだ、あれはベッローネが手にするべきだと思うぜ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

……

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

それがお前の本心か。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

俺だってそれなりの考えはあるんだ、ディミトリー。

ディミトリー
ディミトリー

ほう、詳しく聞こうじゃないか。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

……

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

いいだろう。お前は俺の一番の兄弟なんだし、俺のコンシリアリ(相談役)でもあるもんな。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

襲われた時から、俺は何か違和感を覚えていたんだ。カラッチが死んだと聞かされた時、ようやくそれがはっきりしたよ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

さっき俺に、“誰がやったと思う”と聞いたな?

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

俺が思うに、サルッツォでもロサッティでもないはずだ。

ディミトリー
ディミトリー

そりゃまたどうして?

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

襲ったヤツは、あまりにも俺を理解していたからだ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

どうすれば迅速かつ確実にベッローネと俺を潰すことができるか、それをそいつは知り尽くしている。

ディミトリー
ディミトリー

それってまさか――

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

これからしばらく数日の間、俺は引き籠もっておく。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

養生もしないといけないしな。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

相手は今回の襲撃で、俺たちの足並みは乱れたと思っているはずだ。なら、そのまま思わせておけばいい。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

真犯人が尻尾を見せてくるその時まで、な。

ディミトリー
ディミトリー

じゃあつまり、ラヴィニアにテキサスを預けたのもわざと、ってわけか。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

そうだ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

彼女がどうテキサスを使うかは彼女に任せる。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

今後しばらくの間は、俺たちファミリーにちょっかいをかけてくることも多くなってくるはずだ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

その際は誰が後ろでちょこまかとやってるのか調べておいてくれ。

ディミトリー
ディミトリー

……分かった。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

どうだ、この答えで満足したか?

ディミトリー
ディミトリー

もちろん。

ディミトリー
ディミトリー

しっかりと考えがまとまっているんだったら、俺はそれを実行するまでだよ。

ディミトリー
ディミトリー

だって、あんたがここのボスなんだからな。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

そうこなくては。

(ディミトリーが立ち去る)

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

……失望させてくれるなよ、ディミトリー。

(ウォールラックに電話を掛ける)

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

ウォーラックか、俺だ。

ウォーラック
ウォーラック

レオン、聞いたぞ、ケガを負ったって。大丈夫なのか?

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

平気だ。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

昼間に起ったことについてだが、色々と話がしたい。

レオントゥッツォ
レオントゥッツォ

それに……あの名前のことについても、そっちとしては聞きたいはずだろ。

ウォーラック
ウォーラック

……“テキサス”か。

ヴォルシーニ刑務所

ラヴィニア
ラヴィニア

つまり、あの時あなたは引き留められていたということですか。

ラヴィニア
ラヴィニア

それは誰なんです?

テキサス
テキサス

古い知り合いだ。

ラヴィニア
ラヴィニア

知り合い?よりによってあのタイミングで?

テキサス
テキサス

……

ラヴィニア
ラヴィニア

あなた、こういった場面には結構慣れていて?

テキサス
テキサス

龍門でも、たまにこうやって尋問されることがあるからな。

ラヴィニア
ラヴィニア

龍門……

テキサス
テキサス

とにかく、私は何もやっていない。

ラヴィニア
ラヴィニア

……犯人はみんなそう言います。

ラヴィニア
ラヴィニア

でもまあ、私はあなたがやったとは思っていませんよ、チェッリーニアさん。あんなことをして、あなたに何かメリットがあるとは到底思えませんので。

ラヴィニア
ラヴィニア

それに、レオンからも聞いています。色々理由はあるけど、あなたは信用できるって。

ラヴィニア
ラヴィニア

……なるほど、あなたがあの名門が大勢集まる場所に出現したのは、元からベッローネがその舞台を用意していたからだったのですね。

ラヴィニア
ラヴィニア

しかし、今の状況においては、あなたを私の傍に置いたほうが一番でしょう。

テキサス
テキサス

レオントゥッツォを守ろうとしているんだな。

ラヴィニア
ラヴィニア

あなたもですよ、テキサスさん。

ラヴィニア
ラヴィニア

こうすれば……ほかのファミリーの目を分散させられるかもしれませんからね。きっとこの襲撃を受けて、ベッローネは何か手を打つと思っていることでしょう。

ラヴィニア
ラヴィニア

そうやって思わせておいたほうが……私も何かと動きやすくなるので。

テキサス
テキサス

お前、本当に裁判官なのか?

ラヴィニア
ラヴィニア

なぜそう思うんです?

テキサス
テキサス

ファミリーのことを、あまりにも知り尽くしているように見えるから。

ラヴィニア
ラヴィニア

……裁判官ですよ、私は。

ラヴィニア
ラヴィニア

シラクーザでこの職分を全うするには、必ずと言っていいほどファミリーはどうやって食っているのかとか、彼らを理解する必要があるのです。

ラヴィニア
ラヴィニア

たとえ理解したくないと思っても。

テキサス
テキサス

いや、そうじゃなくて。私が言いたいのは、法の執行者が裁く相手を理解するのは当然だ。

テキサス
テキサス

だが今までのシラクーザにお前みたいな裁判官がいるなんて、私は聞いたこともない。

ラヴィニア
ラヴィニア

……

ラヴィニア
ラヴィニア

誤解しないで頂きたい、チェッリーニア・テキサス。

ラヴィニア
ラヴィニア

私は別に、ファミリー間を抑止するためにあなたをここへ連れてきたわけではありません。余所から見れば、私はそういう立場にいるように見えるかもしれませんが、私にはどうだっていい。

ラヴィニア
ラヴィニア

あなたはまだこの街に来たばかりなんですから、まだ何も分かっていないのでしょう。カラッチ部長がどれだけ重要な人物だったのかを。

ラヴィニア
ラヴィニア

彼はとても尊敬に値する人でした。本当なら今出来上がってる新しい都市をよりよいものにしてくれるはずの人だったのです。

ラヴィニア
ラヴィニア

街を整備するという意味だけでなく、市民たちに別の暮らしを与えてくれるという意味においても。

ラヴィニア
ラヴィニア

けど、彼はもう死んでしまった。

ラヴィニア
ラヴィニア

そんな彼を殺した犯人を、私は捕らえて裁いてやりたいのです。

ラヴィニア
ラヴィニア

自分たちの命令に従わない操り人形なら一人ひとり消し去ることができると、向こうはそう思っていることでしょうが。

ラヴィニア
ラヴィニア

私が必ず思い知らせてやりますよ。彼らが消し去っているのはただの人形ではなく、みんな生きた人間だということを。

(アルベルトがラップランドと電話越しに話す)

アルベルト
アルベルト

それで、カラッチが死んだのにお前は何も関わっちゃいないと。

ラップランド
ラップランド

うん。

アルベルト
アルベルト

しかも犯人が誰なのかも分かっていないと。

ラップランド
ラップランド

そうだよ。

アルベルト
アルベルト

おまけにベッローネがなぜテキサスを連れ戻してきたという私からやった任務も、まだまったく糸口を掴めていないと。

アルベルト
アルベルト

そしてそんな何もできていないにも関わらず、私が会議を開く際にお前を呼び戻しても無視ときた。

ラップランド
ラップランド

この時期は何かと渋滞がヒドイからね。

アルベルト
アルベルト

ラップランド、私は七年前にお前を家から追い出し、サルッツォの名を剥奪した。それがどういう意味なのか分かっているのか?

ラップランド
ラップランド

もちろんさ。ボクみたいな言うことを聞かない道具を消す際、手を鈍らせないためでしょ。

アルベルト
アルベルト

中々分かっているじゃないか。だが分かっていながらも、お前はいつもそれに見合った行動をしちゃくれないみたいだな。

ラップランド
ラップランド

ちょっとあの可哀そうな裁判官に警告してやるだけでしょ、本当にそんなのでボクが必要になるわけ?

アルベルト
アルベルト

……なぜその裁判官に警告してやらなきゃならんのだ?

ラップランド
ラップランド

あのお坊ちゃまが引き籠もってしまったのなら、当然あの固いことしか言わない裁判官がベッローネの代表を務めることになるでしょ。

ラップランド
ラップランド

それにパパのそういった性格じゃ、ベッローネが本当にあれで弱みを見せるわけがないと思ってるはずだ。

ラップランド
ラップランド

だったらあの裁判官をちょっとくらい脅して、ベッローネの内情を探ってやろうとは思わない?

アルベルト
アルベルト

やることが分かっているのなら、結果を見せろ。

(アルベルトが電話を切る)

ラップランド
ラップランド

パパの命令に背いたりはしないから安心しなよ。まっ、求めてるものがボクと同じだったらね。

ラップランド
ラップランド

ボクの大大大好きなパパ。

ソラ
ソラ

サルヴァトーレ!私は一体どうすればいいの!

ソラ
ソラ

親族の縛りから私を解放させてくれたことを感謝すればいいのかしら?それともあの感染した労働者たちが手に血を染める前に、食い扶持を分け与えてくれたことに?

ソラ
ソラ

それでもあなたは、私の父を殺した!

ソラ
ソラ

いいえ、父の罪状を私に言い聞かせなくても、私には分かるわ。私とあなたの身体にある傷は、どれも父からのもの。あの労働者たちが死んだのも、父が搾取し続けた結果。

ソラ
ソラ

でも、でもよ!

ソラ
ソラ

サルヴァトーレ、私は本心からあなたを感謝しているわ。あなたは私を救ってくれた、ほか大勢の人たちも。

ソラ
ソラ

なのに、あなたの身に染みる血の匂いはどんどん濃くなっていくばかり……

ソラ
ソラ

私たち、もうここを離れましょう、サルヴァトーレ。私を連れてって……誰にも邪魔されない静かな場所に、連れてってくれないかしら?

ソラ
ソラ

でも、きっともう遅いのかもね。

ソラ
ソラ

サルヴァトーレ、あなたがクルビアへやってきたあの日から、もしくはあなたがそのナイフを磨き上げたあの日から……

ソラ
ソラ

すべては起こってしまうように運命づけられてしまった。もう引き返すことはできない、そうなんでしょ?

ソラ
ソラ

もし私がこのヴィヴィアンだったら、サルヴァトーレを許せるのかな?

ソラ
ソラ

でも、もし許せたとしても、この心のしこりは生涯二人の中から消えてなくなることはないんだろうね。

カタリナ
???

その通りよ、スィニョリータ。

ソラ
ソラ

へ?

カタリナ
???

二人が最後に結ばれたとこはね、後世で脚色された箇所なの。

カタリナ
???

けど現実、本物のサルヴァトーレは最後、そのヴィヴィアンと結ばれることはなかった。

カタリナ
???

それにヴィヴィアンの父もそう。お金持ちじゃないところは同じだけど、彼は家族全員をとても愛していたわ、特にヴィヴィアンのことはね。

ソラ
ソラ

そうなんですね……

カタリナ
???

純粋な悪人はそう多くいないの、違うかしら?

カタリナ
???

だから彼が自分の愛する人だったとしても、自分の父がたくさんの悪行をしでかしたとしても、どれもそう簡単に許せることじゃない。

カタリナ
???

ヴィヴィアンはね、最後にサルヴァトーレから離れる選択をしたのよ。別の街に移って、そこで本当に自分を愛してくれる人と出会って、新しい暮らしを始めたの。

カタリナ
???

でも彼女は生涯、サルヴァトーレという男を忘れることはできなかったわ。

カタリナ
???

だからこのお話はある意味、彼女の願いを叶えるようなものね。

ソラ
ソラ

ヴィヴィアンのこと……すごく理解してらっしゃるんですね?

カタリナ
???

ええ……まあ。

カタリナ
カタリナ

カタリナよ、美しい女優さん。

カタリナ
カタリナ

新入りかしら?私よくここに来るのだけれど、今日初めてあなたを見たわ。

ソラ
ソラ

はい、ソラって言います、龍門から来ました。

カタリナ
カタリナ

へぇ、龍門?面白いね。

カタリナ
カタリナ

龍門へ行って駆け上がる役者は少なくないけど、あなたみたいに龍門からやってくるパターンは珍しいわ。

ソラ
ソラ

流れに逆らうメリットもあるかなーと思ったので。

カタリナ
カタリナ

それは同意見ね。

ソラ
ソラ

あのカタリナさん、そのヴィヴィアンって人についてなんですけど、現実で彼女がどうなったのかもう少しだけ教えてくれませんか?

カタリナ
カタリナ

ヴィヴィアン……ヴィヴィアンは、結局最後までサルヴァトーレのことを忘れられなかったわ。

カタリナ
カタリナ

たぶん彼女の息子が原因なんでしょうね。息子もね、サルヴァトーレと似たような人生を歩み出したの――ファミリーの一員になって、一歩一歩成り上がってドンになっちゃって。

カタリナ
カタリナ

それからそのファミリー、サルヴァトーレと仲違いしちゃったのよ。

カタリナ
カタリナ

ただヴィヴィアンが止めに入ってくれたおかげで、二人とも殺し合いにならずに済んだわ。むしろ、盟友にもなっちゃったのよ。

ソラ
ソラ

それって、もしかして脚本に書かれてるロッサーティファミリーのことですか?

カタリナ
カタリナ

その通りよ、脚本はもう全部読んだの?

ソラ
ソラ

あっ、はい……ちょっと個人的な理由で。あたしもできるだけ、テキサスファミリーのことについて知りたかったので。

カタリナ
カタリナ

じゃあこのお話なんだけど、どうだったかしら?

ソラ
ソラ

えっと……少し、認められない箇所もありました。

カタリナ
カタリナ

あら、例えば?

ソラ
ソラ

例えば、サルヴァトーレの孫娘のところとか……

エクシア
エクシア

ソラ―、スタイリストが衣装を見てほしいって言ってるよー!

ソラ
ソラ

あっ、うん!分かった!

ソラ
ソラ

ごめんなさい、ちょっと失礼させてもらいますね。

カタリナ
カタリナ

構わないわ、またいつでも会えることなんだし。

エクシア
エクシア

ソーラー!

カタリナ
カタリナ

大丈夫よ、今度またじっくり話しましょ。

ソラ
ソラ

あっ、はい!

(ソラが走り去る)

カタリナ
カタリナ

……サルヴァトーレの孫娘、か。

カタリナ
カタリナ

ふふッ。

(ウォールラックが近寄ってくる)

ウォーラック
ウォーラック

まーた劇場で時間を無駄にしていたのか、ドン。

カタリナ
カタリナ

何度も言ってるでしょうが、ウォーラック。時間を無駄にしてるわけじゃないの。

ウォーラック
ウォーラック

そんな脚本を書き上げるために、ほとんどの仕事を俺に投げつけやがって、それでも一ファミリーのドンのすることかよ?しかも自分にカタリナなんて偽名まで付けやがってよ。

カタリナ
カタリナ

何か問題でも?

ウォーラック
ウォーラック

いいや。名前が変わっても、あんたは俺が敬愛してやまないドン・ジョバンナ・ロッサーティだよ。

ジョバンナ
ジョバンナ

あなたが不満なのは分かっているわよ。

ジョバンナ
ジョバンナ

でも――

ジョバンナ
ジョバンナ

私の気に留めるようなことなんて、この街なんかにある?

ウォーラック
ウォーラック

……

ウォーラック
ウォーラック

昔はなかったが、今ならあるぞ。

ウォーラック
ウォーラック

カラッチが死んだ。

ジョバンナ
ジョバンナ

あら、そう?

ジョバンナ
ジョバンナ

けど、カラッチって元々ほかのファミリーが互いを牽制するために推し上げられた一般人なんでしょ?

ジョバンナ
ジョバンナ

それが死んだってことは、ベッローネにはこの街を仕切る能力が足りていなかったって、それだけのことでしょ。

ウォーラック
ウォーラック

チェッリーニアに似た女が、急にレオントゥッツォの傍に現れた。

ジョバンナ
ジョバンナ

……

ジョバンナ
ジョバンナ

誰だって?

ウォーラック
ウォーラック

テキサスだよ、チェッリーニア・テキサス。

ジョバンナ
ジョバンナ

ウォーラック、あなた冗談を言うようなタイプの人間じゃないはずよね。

ジョバンナ
ジョバンナ

それに知ってるでしょ。私、テキサスで冗談を言う人が一番嫌いなの。

ウォーラック
ウォーラック

だから冗談じゃねえってば。

ウォーラック
ウォーラック

ベッローネがどうやってあんな人を見つけてきたのかは知らねえが、あの髪色はどう見ても……

ウォーラック
ウォーラック

あんたのその写真に映ってる人とそっくりだったぞ。

ジョバンナ
ジョバンナ

彼女、死んでいなかったのね……

ウォーラック
ウォーラック

今はレオントゥッツォの傍にべったりだけどな。

ジョバンナ
ジョバンナ

あの時の清算、もしどこかしらのファミリーが庇ってくれていなかったら、生きてるはずがなかったわ。

ジョバンナ
ジョバンナ

……それがもしベッローネだったとしても、筋は通ってる。

ジョバンナ
ジョバンナ

どうやら、ベッローネと話をしなくちゃならなくなったわね。

ウォーラック
ウォーラック

だがジョバンナ、これは明らかにあいつらの罠――

ジョバンナ
ジョバンナ

ウォーラック。

ウォーラック
ウォーラック

……すまん、ドン・ロッサーティ。

ジョバンナ
ジョバンナ

罠というよりかは、陰謀かもしれないわね。

ジョバンナ
ジョバンナ

あなたもウダウダしてないでシャキッとしなさいな、ウォーラック。

ジョバンナ
ジョバンナ

もしあの時本当にベッローネがチェッリーニアを守ってくれたのなら、こっちからそこに行ってお礼ぐらい言ったって構わないでしょ?

ジョバンナ
ジョバンナ

分かったら用意してちょうだいな、“商談”は終わりよ。私自らヴォルシーニへ向かうわ。

ウォーラック
ウォーラック

……分かった、手配しておく。

ジョバンナ
ジョバンナ

はぁ、どうやら新しい脚本を書き上げるにはもう少し時間がかかりそうね。

(ジョバンナが立ち去る)

ウォーラック
ウォーラック

……

ウォーラック
ウォーラック

カラッチの死は俺たちにとってチャンスだったんだ。それを知らないあんたじゃないだろ、ドン。

ウォーラック
ウォーラック

なのに、あんたはいつまで経ってもテキサスという名にご執心だ。

ウォーラック
ウォーラック

このままじゃ、ロッサーティファミリーはいずれ潰れちまうぞ。

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