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【アークナイツ大陸版 × モンハン】秋葉は火を逐う CF-6「飛行禁止区域」行動後 翻訳

ヤトウ
ヤトウ

ノイルホーン、聞こえていたら応答しろ、ノイルホーン。

ヤトウ
ヤトウ

……繋がらない、信号がひどすぎる。

ヤトウ
ヤトウ

柏生さん……

ヤトウ
ヤトウ

任務を遂行する際は、足枷を連れて行きたくないのが私のたちでな。だからもし私たちのスピードについて来れないのなら、この場に留まるか、あるいはキャンプまで引き返していただきたい。

柏生義岡
柏生義岡

ばか者が、貴様らについて行くつもりなどないわ。

ヤトウ
ヤトウ

もしリオレウスを探しにいくのであれば、勝手に私たちの傍から離れないでほしいんだ。私はあなたの安全も確保しなければならないからな。

柏生義岡
柏生義岡

貴様――

ヤトウ
ヤトウ

オトモアイルー、続きを。

オトモアイルー
オトモアイルー

ニャ、事情はこうだ。

オトモアイルー
オトモアイルー

わしが付き従っている“ハンター”殿のもとに、とある王室の者からの依頼が来てな。なにやら不機嫌になったからリオレウスの紅玉を装飾品に用いたいとのことで、わしらはその依頼を引き受けてリオレウスを探しにいったわけだ。

ヤトウ
ヤトウ

不機嫌になったからって……君たちのところでリオレウスを討伐する理由はどれもそんなに適当なものなのか?

オトモアイルー
オトモアイルー

……あの依頼人はあくまで例えニャ。

オトモアイルー
オトモアイルー

ともあれ、わしは火山の近くにある森の中であのリオレウスを見つけた。

オトモアイルー
オトモアイルー

だが追いかけようとした時に、突如と謎の力に巻き込まれてしまってな。気が付いた時にはすでにこちら側へ来てしまっていた。

ヤトウ
ヤトウ

その力とやらがどういったものだったかは、まだ憶えているか?

オトモアイルー
オトモアイルー

まったく印象に残っていない……ニャ。

ヤトウ
ヤトウ

リオレウスのような生物ですら連れてくることができるとなると、その力も脅威と見なしたほうがよさそうだ。だが今は……いったん置いておこう。続きを話してくれ。

オトモアイルー
オトモアイルー

ここへ来てしまった当初は周りが見慣れる環境だったこともあって、ずっとリオレウスを尾行し、気付かれぬように彼の行動を観察していた……ニャ。

オトモアイルー
オトモアイルー

そこでリオレウスがとある洞窟を見つけ、そこへ入ったあとに出てきてから彼に異常が来してしまったことが観察して分かった。

ヤトウ
ヤトウ

洞窟?それは山の内部に通じているのか?

オトモアイルー
オトモアイルー

そうニャ。

ヤトウ
ヤトウ

その洞窟にどういった特徴があったかは憶えているか?

オトモアイルー
オトモアイルー

残念だが、わしが見た限りではいたって普通の洞窟だった。だがリオレウスはそこに入ってから彼に異常が現れたとは確かニャ。

オトモアイルー
オトモアイルー

わしも中に潜って調べはしたのだが、奥のほうは……

オトモアイルー
オトモアイルー

とても複雑な地形をしていたせいで、いくら試してもリオレウスの居場所を突き止めることはできなかったニャ。

オトモアイルー
オトモアイルー

わしが思うに、リオレウスはおそらく洞窟のどこかにある大きな空間を巣にしている。そこは洞窟の入口から近いところにある、比較的広々とした空間のはずニャ。

ヤトウ
ヤトウ

露華村の裏山にある洞窟のことも考えれば、その洞窟は山にある洞窟と繋がっている可能性が大きいな。どうりでリオレウスがそこにも現れたわけだ。

ヤトウ
ヤトウ

ほかにも聞いておきたいことがあるんだが……君も見たように、私たちは以前からリオレウスと苦戦を強いられてきた。実際は……かなり苦戦したよ。

ヤトウ
ヤトウ

今もなおヤツに対して有効打を出せない状況だ。今度リオレウスと対峙することになっても楽観的な思考を保つことはできそうにない、おそらくかなりでかい代償を払うことになる。

オトモアイルー
オトモアイルー

理解できるニャ。

ヤトウ
ヤトウ

そこで聞きたいのは、君のリオレウスに対する理解度からして、この先私たちがヤツを討伐する場合の勝算はどのくらいあるんだ?

ヤトウ
ヤトウ

それか、ほかにも私たちが勝てる可能性を引き上げてくれる方法はないのだろうか?

オトモアイルー
オトモアイルー

そう簡単には出せないニャ……通常のリオレウスと比べて、彼はいささか苛立ちすぎている。少しの刺激を与えれば、なおのこと強い攻撃欲求に突き動かされてしまうニャ。

オトモアイルー
オトモアイルー

この前も、攻撃方法が変わってしまうぐらい彼の感覚器官がさらに敏感になっていたことも発見した。これこそわしが言っている異常化してしまったところだ……ニャ。

オトモアイルー
オトモアイルー

貴殿もわしも、今は閃光玉もしびれ罠も持っていないニャ。ほかにリオレウスを足止めできる方法は思いつかない。

ヤトウ
ヤトウ

つまり勝てる可能性は小さい……ということか?

オトモアイルー
オトモアイルー

ニャ、リオレウスへさらにダメージを与えたいと考えているのなら、ほかに方法がないわけではない。見ていて分かったのだが貴殿……もしや双剣の扱い方をあまり心得ていないのでは?

ヤトウ
ヤトウ

双剣とは……この一対の奇妙な武器のことか?確かに意識して扱おうとしても、あまり効果は実感しないな。

オトモアイルー
オトモアイルー

貴殿の手中にあるその双剣は、きっとわしらのところから来た武器。加えて出来栄えもかなり優れておる、きっと凄腕の武器職人が作ってくれた逸品なのだろう……ニャ。

ヤトウ
ヤトウ

……

職人ネコ
職人ネコ

ニャ?

オトモアイルー
オトモアイルー

双剣には双剣の扱い方というものがある、わしが詳らかに教えてあげよう。もし正確に扱うことができれば、目に見えてリオレウスへ与えるダメージも大きくなる。ただ……

ヤトウ
ヤトウ

ただ?

オトモアイルー
オトモアイルー

ここに至るまで、わしはリオレウスがこの地における境遇を観察してきた。そこで考えてしまうのだが……本当にリオレウスを討伐する必要はあるのだろうか?

ヤトウ
ヤトウ

それはリオレウスを仕留めるべきではないという意味か?

オトモアイルー
オトモアイルー

わしが思うに、強い力を持つ“ハンター”というのは生態系のバランスを保つための肝心な存在ニャ。狩猟というのはその地の生態系に影響をもたらす、だからこそ熟考の末に行わなければならないのだ。

オトモアイルー
オトモアイルー

今までの観察にもとづけば、リオレウスの活動範囲は村からも比較的遠くにあるのだから、彼の活動が村に危害をもたらすことはない。なにより……この地の生態系は健全と言うにはほど遠い状態だ。

オトモアイルー
オトモアイルー

草食動物の数が増えすぎているせいで、目に見えて森林破壊が著しいものとなっている。リオレウスならその草食動物の拡大を防いでくれるのだから、環境に対して無益というわけではない……ニャ。

オトモアイルー
オトモアイルー

もしわしの住むところでなら、依頼で必要としている分だけ素材を手に入れることさえできれば、わしは無害なモンスターを敵と見なすことはせん。

ヤトウ
ヤトウ

私たちもリオレウス討伐を目的とする任務を受けているわけではない。あくまで命に関わるほかの脅威――鉱石病を解決することが目的だ。ただ今のところそれと関連してる手掛かりがどれもリオレウスのほうを向いてしまっている。

ヤトウ
ヤトウ

鉱石病の発生源を突き止め、村に対する脅威を解消することができるのなら、こちらもあのバケモノを任務事項に加えるつもりはないさ。

柏生義岡
柏生義岡

おい貴様ら……

ヤトウ
ヤトウ

その原因を突き止めるためにも、私たちは……

柏生義岡
柏生義岡

聞こえぬのか貴様らァ!

オトモアイルー
オトモアイルー

狩人殿?

ヤトウ
ヤトウ

放っておけ。

柏生義岡
柏生義岡

どれもこれも……貴様らのせいだ!

ヤトウ
ヤトウ

なにを言って……

柏生義岡
柏生義岡

(矛を向ける)

柏生義岡
柏生義岡

このクソッタレめが!すべて貴様らのせいだ!

ヤトウ
ヤトウ

柏生さん、なんのつもりだ?

柏生義岡
柏生義岡

なぜだ?なぜこうも儂の言葉を聞き入れようとしない?

柏生義岡
柏生義岡

いったいなぜ?貴様ら……何があろうと森の中に入っていき、人の言葉を理解せぬ畜生のように暴れ回りおって。

柏生義岡
柏生義岡

今のザマを見てみろ。あのバケモノの前では手も足も出せなかったくせして、しきりに儂の邪魔立てをして、獲物を横取りしてきおって。しかも自分たちは守ってるなど戯言を……

柏生義岡
柏生義岡

それが今はどうだ!?貴様らが儂の言うことに従わなかったせいで、あの小僧は行方不明に!バケモノだって今もピンピンしているではないか!

ヤトウ
ヤトウ

今はリオレウスとまともに対峙できる方法を探している。この前の失敗ならいたって普通のことだ。

柏生義岡
柏生義岡

貴様に何が分かる?口では達者なことを言って、実際は何も成し遂げられないような役立たずどもめ!

柏生義岡
柏生義岡

それにだけに飽き足らず、今度は訳の分からん腰抜けのような理由でリオレウスを討伐するべきではないだとぉ……?これからは一転して、儂の獲物を救うことにしたとでもいうのか?

柏生義岡
柏生義岡

なるほど分かったぞ……貴様ら、わざと儂をおちょくっているのだな?この死に損ないの老いぼれをおちょくっておるのだな……

柏生義岡
柏生義岡

儂がまだあいつのことを憶えているからと!貴様らがなんとしてでも記憶から消し去りたいことを憶えているから!だから貴様らはこんなことをして儂を痛めつけているのだ……

柏生義岡
柏生義岡

あいつにしでかしたようにな!儂の皮を剥ぎ、血を吸い尽くし、骨を砕き、胸をこじ開け、骨の髄を引き抜こうと……

柏生義岡
柏生義岡

どうなんだ貴様ら……どうなんだ!

ヤトウ
ヤトウ

申し訳ないが、なにを言ってるのかサッパリだ。

ヤトウ
ヤトウ

武器を下ろして、私たちと同行しよう。今は無駄話をしている場合ではない。

柏生義岡
柏生義岡

そこを動くな!

ヤトウ
ヤトウ

あなたに何ができると?

柏生義岡
柏生義岡

出ていけ、もといた場所にとっとと帰れ!

柏生義岡
柏生義岡

帰れ!帰れェ!

ヤトウ
ヤトウ

それはできない相談だ。

ヤトウ
ヤトウ

もう一度言うが、私はあなたの命令に従う筋合いはない。

柏生義岡
柏生義岡

*極東スラング*、なぜだ?なぜまたこんなことになるのだ?

柏生義岡
柏生義岡

まったく忠告を聞き入れずに……ほかの者を守ろうとするのだ?

柏生義岡
柏生義岡

いったいなぜ?身のほども知らぬどアホが!自分の考えを他人に押し付けることしかできぬのか!?

ヤトウ
ヤトウ

……

柏生義岡
柏生義岡

誰も貴様らの保護など求めておらんわ!自分がしでかした選択は自分が背負う!そのツケだって自分から招いたものだ!

柏生義岡
柏生義岡

よそ者風情が、余計なお世話だ!よそ者ならよそ者らしく、そこで大人しく見ておればいいものを!

柏生義岡
柏生義岡

あのバケモノを殺すことは……儂にしかできぬこと、儂だけに許されたことだ……

柏生義岡
柏生義岡

もし……これ以上踏み入ってくるのであれば、まずは貴様にその痛みを味わわせてやるわい!

ヤトウ
ヤトウ

いいや、あなたにはできないさ。

ヤトウ
ヤトウ

あなたにそれができる勇気はない。

柏生義岡
柏生義岡

止まれ!

ヤトウ
ヤトウ

あなたの言ってることなら、私からすればさほど意味はないさ……その狩猟矛だってそう……あなたがそれを握っていたところで、私がそれを脅威と見なすことはない。

ヤトウ
ヤトウ

今もこうして少しずつあなたに近づいていようと、その矛がピクリともしないようにな。

柏生義岡
柏生義岡

これは警告だ!

ヤトウ
ヤトウ

諦めてくれ、あなたにそんなことはできない。

ヤトウ
ヤトウ

どうしても時間を浪費してくるのであれば、ここではっきりと伝えておこう。今後も邪魔立てをするつもりならあなたを排除すると。

柏生義岡
柏生義岡

なっ……止まらんか!

ヤトウ
ヤトウ

仮に本当にそんなことを考えていたのなら、私たちが負傷している隙に家の中で私とノイルホーンを片付け、自身の獲物へ対する独占欲を満足させてやれるはずだったんだが、あなたはそうしなかった。

柏生義岡
柏生義岡

これ以上進むでない……貴様ァ!

ヤトウ
ヤトウ

あるいは同じ人間を傷つけたくないと、そう理解することもできるのかもしれないな。なにせここまであなたは、単に私たちを追い出そうとすることだけに留まっているのだから。私には分かるよ。

ヤトウ
ヤトウ

なんなら少し前にリオレウスと対峙していた時、あなたは私を戦いの場から押しのけたことで邪魔立てをしてきた……本当は私たちを危険な目に遭わせたくないだけなのだろう。

柏生義岡
柏生義岡

バカを言うな!

柏生義岡
柏生義岡

止まれ!これが最後だぞ!

ヤトウ
ヤトウ

狩猟に再び戻った狩人であるのなら、最小限の犠牲で獲物の脅威を排除することが最優先すべき選択肢ではないのか?

ヤトウ
ヤトウ

あなたたちはこの残酷な大自然と長年争い続けてきたんだ、そのような判断力を失ったわけではないだろ。

ヤトウ
ヤトウ

あなたはずっと私たちと共に狩りをすることを拒み続け、村の安否や戦力差など顧みることもなく独りで獲物を相手してきた。これは明らかに私たちを守ろうとする行いと矛盾している。

ヤトウ
ヤトウ

そこで一つ予想を立てた。あなたがリオレウスを討伐しようとしているのは、単純にあなた個人の執念がそうやって突き動かしているからではないのかと。

柏生義岡
柏生義岡

黙れィ!

ヤトウ
ヤトウ

その表情、当たったみたいだな。

ヤトウ
ヤトウ

ならこちらも確認することができたよ。あなたの行いは狩りに対する欲望から来ているものではなく、単に怒りと憎しみに駆り立てられ、盲目的にリオレウスを追いかけているだけだ。

ヤトウ
ヤトウ

となれば、それはただ単にあなたの私利私欲からきた行い……

ヤトウ
ヤトウ

今のあなたは、狩人と呼べるような人ではない。

柏生義岡
柏生義岡

あれは……あれは儂の獲物だ!狩人でもない貴様如きが、なんの資格があって狩人と判断してやれることができるか!

柏生義岡
柏生義岡

止まれ!止まれと言っておるのだ!

ヤトウ
ヤトウ

もし今言ったことをすべて否定するのであればお望み通り、どうぞ私に狙いを定めているその武器を突き刺してきてもらっても構わない。

ヤトウ
ヤトウ

私はここまで近づいたんだ。そう、ここまで。あなたのすぐ近くまで。

ヤトウ
ヤトウ

さあ、やってくれ。

ヤトウ
ヤトウ

私を殺してみろ。

柏生義岡
柏生義岡

くッ!

柏生義岡
柏生義岡

儂は――

柏生義岡
柏生義岡

儂は……

ヤトウ
ヤトウ

柏生さん、いったい何があなたをそこまで執着させているんだ?

ヤトウ
ヤトウ

柏生明の存在か?

柏生義岡
柏生義岡

貴様……どこでその名を知った?

ヤトウ
ヤトウ

彼はおそらく、もうあの村にはいない。違うか?

ヤトウ
ヤトウ

彼とはどういう関係だ?同じ苗字であるのなら、友人などではないはずだ。写真を見るに、彼はあなたや村長よりもずっと若い。昔は狩人をやっていたのだろう、あなたが持ってる矛に彼の名前が彫られている。

ヤトウ
ヤトウ

もしかして、家族だったのか?

柏生義岡
柏生義岡

もう喋るな……

ヤトウ
ヤトウ

以前からあなたはひっきりなしに“お前たち”と呼んできたのだが、あなたから見て、私は彼とどこか似通っているところでもあるのだろうか?

ヤトウ
ヤトウ

もしかして……過去に彼はあなたの意見を聞き入れないまま狩りへ赴き、取り返しのつかないことが起こって、あなたのもとから去ってしまったのではないだろうか……

ヤトウ
ヤトウ

その後あなたは後悔し、苦しみに苛まれることになった……ひたすら狩りでその鬱憤を晴らすことしかできず……

柏生義岡
柏生義岡

黙れ!貴様に……貴様に何が分かる……

ヤトウ
ヤトウ

分かるさ。

ヤトウ
ヤトウ

過去に囚われることは気持ちのいいことではないし、そういった感情は誤った判断をさせてくる。あなたの執念も過去を変えることはできないし、あなたをその場に引き留めてしまうだけだ。

ヤトウ
ヤトウ

しかしだ、ここで目を見開いてくれないだろうか?今はぐだぐだと過去を振り返っている場合だと思うか?

ヤトウ
ヤトウ

あなたは私を殺せない。ならここでわだかまりを下ろし、一致団結してリオレウスと立ち向かおうじゃないか。

ヤトウ
ヤトウ

私は今でも狩人としてのあなたの実力を信じているんだ。もし可能であれば、私は自分の背中をあなたに任せたい。

ヤトウ
ヤトウ

それからはもう、こんなことで無駄に時間を浪費しないようにしよう。

(ヤトウが柏生義岡に近づく)

柏生義岡
柏生義岡

いいや……貴様は何も分かっちゃいない……

柏生義岡
柏生義岡

明は、あいつは儂のせがれだった……

柏生義岡
柏生義岡

あいつはもう死んでしまったのだ。

ヤトウ
ヤトウ

……

柏生義岡
柏生義岡

七年前の今日、あの日もこんな夜だった。山のあちこちであのケダモノどもが鳴いているような夜。

柏生義岡
柏生義岡

儂はあいつに行くなと言った、あれはヤツらが自ら招いたことなのだと。だが儂がいくら汚い言葉であいつを罵ったところで、あいつは繰り返しこう言い返してくるだけだった……

柏生義岡
柏生義岡

俺は村の狩人だと、ずっとそう言ってきたのだ、ずっとだ。そして振り向くこともなく向かっていった。

柏生義岡
柏生義岡

それからまたあいつと見た時には、あいつはもう話すこともできなくなってしまっていた。

柏生義岡
柏生義岡

知っているか?もし周りに衣服や装備が転がっていなかったら、儂はあいつと見分けることもできなかったのだぞ。

柏生義岡
柏生義岡

日差しはあいつの身体に降り注いでいたのに、あいつの手はひどく冷たかった。

柏生義岡
柏生義岡

分からんのだ、せがれよ。お前はなぜあんなことになってしまったのだ?

柏生義岡
柏生義岡

そこで儂は見たのだ……瀧居應……それとあの*極東スラング*野郎どもの後ろ姿が。

柏生義岡
柏生義岡

やはりヤツらは傍にいたのだ、あの出来事が起こっていた時に。だがヤツらは何もしなかった!その場で見殺しにしたのだ……わしのせがれがむざむざと……

柏生義岡
柏生義岡

そんな儂のことを……貴様如きが分かるはずもない……

オトモアイルー
オトモアイルー

(矛先がひどく震えておる、腕もそうだ……)

オトモアイルー
オトモアイルー

(指の向きも同じ方向に。これは……!)

オトモアイルー
オトモアイルー

気を付けられよヤトウ殿!彼が矛を突き刺してくるニャ!

オトモアイルー
オトモアイルー

ウニャ!矛を掴んだぞ!

柏生義岡
柏生義岡

放せ!

(矛が肉を切り裂く)

耳元で鋭い風を切る音がした。血の珠が細い傷痕から滲み出て、耳の縁から滴り落ちる。
矛先は私の左足前に突き刺さり、その半分は深く地面にめり込んでいた。
私が振り返ってみれば、老人の濁り切った……ひどく震える目がそこにはあった。

ヤトウ
ヤトウ

――!

柏生義岡
柏生義岡

そんな……儂はなぜ……

ヤトウ
ヤトウ

私は平気だ、落ち着いて……

柏生義岡
柏生義岡

く、来るなァ!

柏生義岡
柏生義岡

違う、儂ではない……こうなったのは貴様らのせいだ……

柏生義岡
柏生義岡

貴様も!それと貴様も!すべて貴様らのせいだァ!

(柏生義岡が走り去る)

ヤトウ
ヤトウ

柏生さ……ッ――

ヤトウ
ヤトウ

(苦しそうな息遣い)

ヤトウ
ヤトウ

ハァ、ハァ、なんでこの箇所が……さっきのリオレウスの一撃か……

(ヤトウが倒れる)

オトモアイルー
オトモアイルー

ヤトウ殿、倒れてしまってどうされたのだ?いったい何が――

ヤトウ
ヤトウ

私のことはいい!はやく彼を追うんだ、オトモアイルー!

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