

母さん
ソニア、顔はもう洗った?

ソニア
母さん、私だってもう子供じゃねえんだから。

父さん
ソニア、最近学校はどうだ?

ソニア
…いつもどおりだよ。

父さん
もう7年生にもなるんだから、前のように乱暴してはいけないぞ。

父さん
それに、9年生で卒業した後の進路はもう決まっているのか?

ソニア
…決まってない。

父さん
お前という子は…。

母さん
娘に向かって威張らないで、あなた仕事は?

父さん
…今日は面接があるんだ。

母さん
ピエール、そんなしょうもない態度は捨てることを学ぶべきよ。尊厳ではご飯は食べられないのよ。

父さん
分かっている、試してみてはいるさ、アンナ。

母さん
本当に分かって欲しいですね。はい、ソニア、早く食べちゃいなさい。でないとスクールバスに間に合わないわよ。

ソニア
分かっているよ、母さん。

ソニア
…母さん、これは何だ?

母さん
何を言っているの、ソニア。毎日食べているものでしょ?

ソニア
私達が毎日こんなものを食っている訳ないだろ!?


ソニア?
お前は忘れたのか?

ソニア
お前は誰だ、何故私と同じ顔をしている?

ソニア?
私はお前だ。

ソニア?
お前はソニアだ。

父さん
ソニア、何をボーッとしているんだ。早く食べてしまいなさい。

ソニア?
いいや、怖いものは漫画やゲームから得た妄想だけだろう?

ソニア?
確かに以前は世の中で一番怖いものは比類のないものだと思っていたよな。

ソニア?
鋼鉄の洪水、巨大な怪獣、父親の拳、簡単な乱暴。

ソニア
それがどうした?お前も私の夢だ。でなければ私が何を考えているのか何で知っているんだ?

ソニア?
手に持った食べ物をよく見てみろ。

ソニア
お前は何を言って…!?

ソニア
…おえっ。

ソニア
これはただの悪夢だ!

ソニア?
だがお前はこんな夢を見たことはない、それにこれはまるで真実のようだなあ…

ソニア
黙れ!

ソニア?
まるで、お前が本当に食べたようだ。


学生A
ぐあ!!

学生B
つ、強すぎる。十数人でならきっと解決出来ると思っていたのに一人で全滅されてしまうなんて。

ソニア
*ウルサススラング*お前たちのような軟体エビでも人を虐げたいと思っているのであれば、また練習でもしておくんだな。

学生C
ちっ、いくぞ、冬将軍。覚えてろよ、これで終わらねえからな!

いじめられていた生徒
あの、ありがとうございます。冬将軍。

ソニア
ん?まだいたのか、お前を逃がそうとした訳じゃないんだがな?

いじめられていた生徒
今回は感謝をしたくて。

いじめられていた生徒
あの、やっぱり私のことは分かりませんか?私はバレリアと言います。前にもあなたは私を助けてくれました。

いじめられていた生徒
あなたは前に友人も助けてくれたみたいで。私達はあなたを敬愛しているんです。

ソニア
私は自分たちに力があることを笠に着て人をいじめる奴らが気に食わねえだけだ。

ソニア
お前も勇気を出すべきだ。勇気があればあいつらはむしろお前に驚くだろうよ。

いじめられていた生徒
はい…そうですね。今度試してみます。

ソニア
それじゃあもう行け。

いじめられていた生徒
はい、本当にありがとうございました!

ソニア
うん?

ソニア
何だ?

ソニア
ん!?

ソニア
…きっと、ケチャップだろ。

ソニア?
あの後、お前は学校のある教室でこのリボンを見つけた。

ソニア?
お前は実は彼女が死んでしまっていることを知っているんだ。

イースチナ
すみません、この教室には誰かいますか?

ソニア
ここは私が占領した場所だ、他の人は歓迎しないが。

イースチナ
ごめんなさい、私と私の友達には今居場所が必要で…。

イースチナ
あれ、あなたは…ソニア?

ソニア
お前は…アンナか?

ソニア
別の教室を探しにいこう。

アンナ
ソニア、これはあなたを困らせることになるかもしれません、ですが…。

外から聞こえる声
アンナ、中には一人しかいないんでしょ。そいつを追い出せば良いじゃないか。

アンナ
それでは私達は他の人のものを奪う人と同じでしょう?だめです。

???
そうだ、あの、ラダは料理が上手だから、ご褒美として美味しいものを作ってあげてもいいかな?

ソニア
いいぜ、ここに滞在することは許してやるが気をつけろよ。ソニアってのは手出ししづれえからな。

外から聞こえる声
待って、ソニア…もしかしてあの「冬将軍」?

外から聞こえる声
あいつの名声は私達の学校でも響き渡っている。公立高校に彼女のライバルはいないって。

外から聞こえる声
嘘でしょ、私達って運は悪いほうじゃないと思っていたのに…。

アンナ
ありがとうございます、ソニア。出来るだけ邪魔はしないようにしますね。

ソニア?
歩く制服ってのは自己保護の想像に満ちているってことだ。

ソニア
何だと!?いや、お前は誰だ!

ソニア?
私はお前、お前は夢を見ているんだよ、馬鹿が。

ソニア?
たしかに頭の無い死体よりはこの場面は幾分か穏やかに見えるな。

ソニア
何を言っている?何が頭の無い死体なんだ?

ソニア?
お前が後で彼女たちを解決するんだよ。

ソニア?
彼女たちがお前を襲うんだよな、イースチナ。

アンナ
仕方がありませんでした。彼女たちが先に手を出してきたのですから。

ソニア?
ああ、理由があれば暴力ってのは受け入れられないものではない。

アンナ
本当にそう思いますか?

ソニア?
私はいつも自分が正しいことをしているって信じているからな。

全員
あなたは私達のリーダーです。ここに残させて下さい、あなたが私達を先導してください。


ソニア
なっ…

アンナ
ソニア、眠れないのですか?

ソニア
ああ、悪い夢を見た。

アンナ
…それを気にする必要はありませんよ、あなたは間違ってはいませんから。

ソニア
心配するな。

ソニア
アンナ、前は班長だったのか?

アンナ
いいえ。

ソニア
どうしてこんなに多くの人を連れているんだ?

アンナ
実際、私はリーダーとしてみんなの感覚に適応することは出来ません。ラダはずっと私を励ましてくれて、私も…私も何かするべきだと思って。

ソニア
あ、何するんだよ。

アンナ
笑わないで下さいね。

アンナ
…実は前にもクラスでのいじめを見た時に、それは間違っていると分かっていたのに、いつもこっそり避けていたんです。

ソニア
そいつらを殴ればいいじゃねえか。お前はとても強いのに。

アンナ
あなたのような勇気があれば良いんですけどね。私はいつも人を批判する勇気が足りないんです。

ソニア
…そ、それでも少なくとも今は立ち上がっただろ。

アンナ
…それは間違っていると思ったんです。少なくとも最初はそう思っていました。

ソニア
何が間違っているんだ?

アンナ
今がそうです。

アンナ
私達がこの学校に閉じ込められてもう8日が経ちました。全てが少しずつ悪くなっています。

ソニア
全てはあの火災のせいだ。あの火さえなけりゃ…。

アンナ
私もそう思いますが、あの火は遅かれ早かれ現れていたのでは無いかと。

ソニア
なぜ?誰かが絶対に火を点けただろうってことか?

アンナ
いえ、どうやって説明をすればいいのか…分かりませんが。

アンナ
あの人が無かったとしても似たようなことが起きて、私達をパニックにさせた。…私はそう思います。

ソニア
それはおかしいだろ。火は悪人が放ったに決まってる。悪人ってのは…。

アンナ
悪人は常に存在しています。

ソニア
…。

アンナ
以前本で読んだことがあるのですが、人間の天性は邪悪なんです。

アンナ
不思議に思いました。文明社会を築き上げてみんな秩序と道徳に従い生活をしていることに。ならば何故私達は邪悪なんでしょう。

アンナ
私はそう思って勇気を出して立ち上がって、みんなを組織して秩序を維持したいと思ったんです。

アンナ
ですが全てがもっと悪くなっただけでした。私には何も出来ませんでした。

アンナ
私は秩序を立たせることが出来ませんでした。人を助けることも出来ませんでした。あなたがいなければ私はすでにクラスメイトに殺されていたかもしれません…。

アンナ
私は本当にやくたたずです。

ソニア
つまりお前は今みんなは悪いことをすると思っている、私もそうなのか?

アンナ
…そういう意味では無いです。

ソニア
なあ、もう悲しまないでくれ、私が助けるから。

アンナ
…助けてくれるのですか?

ソニア
お前たちのリーダーだからな。お前は良いことをしたいんだろう、もちろん手伝うさ。

アンナ
…ありがとうございます、ソニア。

ソニア
そうだ、慣例に従ってリーダーが変わったのであれば、サークルに新しい名前を付けるべきだろ。何か案は無いか?

アンナ
…それでは「ウルサス学生自治団」と呼びましょう。

ソニア
よし、これから私達のサークルは「ウルサス学生自治団」、私がリーダー、お前が軍師だ。

アンナ
…はい。

ソニア?
彼女の口ぶりを聞いて少し安心した、そして当時の私は少し喜びを感じたんだよな。

ソニア?
お前は確かに何かを守っているようで、信頼されて、小説のヒーローのようで、自分が本当のリーダーになれる気がし始めたんだ。

ソニア?
私はお前だ。目はちゃんと見えてんのか?

ソニア?
私だってこんな話は好きじゃねえ。この夜を思い出す度に自分を嘲笑いたいほどにな。

ソニア?
私が間違っているのか、それともお前が間違っているのかだと?

ソニア?
分からねえ、聞く勇気もねえ。

アンナ
…

ソニア?
お前は私が間違っているというのが怖い。私もお前が私は間違っているというのが怖い。

アンナ
…。

???
アンナ、良く聞いて。ソニアだけでは私達全員を守ることは出来ないの!

???
私達は彼女達に参加するしか無い。

アンナ
ソニアは貴族が嫌いなんです、ヴィカ。

???
あなたは私達全員の安全を賭けることが出来るの!?

アンナ
私は…。


学生A
お願いだ、見逃してくれ!

学生B
助けてくれ!!

学生C
お前たちが隠した食べ物を出してくれよ!

学生A
私達は…私達は本当に食べ物が無いんだよ!

学生B
助けて、助けてくれ!

ソニア
アンナは貴族には関わりたくない。

ソニア
ん?あの木は昨日はまだ倒れていなかったはずだが、誰がこんな時に木を切って…!?

ソニア
ちっ。

ソニア
誰だ?

ソニア?
私はお前だ。

ソニア?
次にお前はこの倉庫に突っ込む。

ソニア?
お前はあいつらのリーダーを直接探そうとはすが、お前は潜入が得意な人ではない。お前はあいつらを驚かせてしまい、貴族どもの包囲に向き合わなければならない。

ソニア?
お前はとても強い、ソニア。お前はあいつらの包囲を突破しそうになる。

ソニア?
だが。

ソニア?
お前はいつも無鉄砲だ。ろうそくをひっくり返してしまい、そして…

ソニア?
バーン――


ソニア
私は第二の火災に火を点けたんだ。

ソニア
第二の火災は貴族の雑踏共の拠点をぶっ壊しはしたが、学校の最後の食料庫を消失させた。

ソニア
全てが取り返しの付かないことになった。アンナによれば、この火はその後の学生間の無差別な混乱極まった闘争の全ての傷害を解決していた。


学生A
第四高校の貴族共は全員いなくなったぞ!さっさと奪ってしまえ!

学生B
あそこで貴族共を見たぞ!今のうちにあいつらを全員殺してしまえ!

学生C
三日間ご飯を食べられなかったんだ、食べ物を探すのを邪魔するな!

学生B
何だと!?

学生C
死ねって言ってんだよ!


ソニア
全校が火災前より混乱をし、安全なところは無くなった。

ソニア
自治団のメンバーも何人か行方知れずになってしまった。


学生A
死ね!

学生B
これは俺のだ!

学生C
あ、う、助け…


ソニア
ある日、私にはいつなのか分からなかったが、レユニオンが急に去っていった。

ソニア
だが最初から、レユニオンは私達を離れさせないようにした以外は何もしていないんだ。学生達はあいつらが出ていったことに気付かないようで未だに混乱している。

ソニア
彼らは混乱を楽しんでいるようだった。


ロザリンド
おい、レユニオンの守衛どもも行ったようだぞ!

アンナ
うん…

ロザリンド
もう出ていってもいいんだ、アンナ、どうしてあまり嬉しそうじゃないんだよ。

ナタリア
レユニオンがいるかどうかにもう意味が無いからよ。

ナタリア
最初の火災から、もう彼らがいるかどうかなんて意味を持たなくなっているの。


ソニア
しかし、私達はまだ混乱を避けて通るような準備が出来ていない中、翌日、天災が降ってきた。

ソニア
天災は全ての人を震え上がらせた。

ソニア
その時になって初めて学校の中は学校の外よりも悲惨だったということを実感したんだ。


ナタリア
まさか、天災…

アンナ
一体何が…

ラダ
うわああああああああ、怖い!怖いよ!

ロザリンド
アンナ、今の内に脱出をするべきだ!

アンナ
だけど…私達は何処に行くべきなのでしょうか?


ソニア
その後、私達はオリジ二ウムが蔓延していない市街地を逃げ回り、難民を避け、レユニオンを避けた。

ソニア
最終的に私達はロドスアイランドの小隊に救助をされ、ロドスアイランドに来たんだ。

前衛オペレーター
誰だ!?

ソニア
…

前衛オペレーター
学生!?

前衛オペレーター
武器を持っているぞ!

ソニア
…死ね!

前衛オペレーター
待て、俺達は難民を救助しにきたんだ!

ソニア
…何?

前衛オペレーター
そう緊張するな。俺たちはロドスアイランドっていう組織だ。もうお前達は安全だ。


ソニア
私は生きていられるんだ、私達は生きていられるんだ。

ソニア
だが、私はアンナの悩みをかき消すどころか、彼女の願いを台無しにしてしまった。


アンナ
ソニア、火事さえ無ければ学生は今のようにはなりませんでした。

ソニア
わ、わざとじゃないんだ!

アンナ
ソニア、あなたのせいではありませんが、事前に相談をしてくれれば…

ソニア
お前を安心させたかっただけで…。


イースチナ
ズィマー、私はあなたをこれからも信じたいです。

ズィマー
でも私はお前とどう話をしたらいいか分からないんだ。


ソニア?
お前は有罪なんだよ。

ソニア
そんなわけが。


グム
お前が死ね。

ソニア
私はこれ以上罪は犯しはしない。


ロサ
あなたが私を見逃してくれたのは罪悪感があったからでしょ。

ソニア
私はお前を殺したくはない。


ロザリンド
そんなに真面目に考えるなよ。ただミスをしただけなんだからさ。

ソニア
このことを考えない訳にはいかない!


アンナ
お前が憎い。

ソニア
私は…


ソニア
うわあああああああああああああああ!!!!


ソニア
….あああああああああああああああ!

ソニア
うっ…

ソニア
おえええ…!

ソニア
またこの夢か。

ソニア
アンナ、私は…。

ソニア
私は…