

ミュルジス
おっ、ようやく脱獄を実行する場面に来たね。

ミュルジス
全体的にすっぽかした過程もあったけど、想像よりもはるかに複雑なんだね。

ミュルジス
ふぁ~、ちょっと眠くなってきちゃった。

メイヤー
私もちょっぴり。

メイヤー
あ、じゃあ私がみんなにコーヒーを淹れてきてあげるね。

サイレンス
あともう少しで終わるよ。

ミュルジス
分かってるって。

ミュルジス
でもこれから起こることは大体予想がつくかな。

ミュルジス
準備はすべて整った、あとは脱獄を実行する日を待つだけ。

ミュルジス
でも実行する当日、メンバーの一人が突如と失踪した、でしょ?

サイレンス
うん。

サイレンス
彼らは最終的に刑務所がニュラインベルク市に停泊する期間に行われるC区清掃の時に脱獄すると決めた。

サイレンス
でも当日約束した時間になっても、ロビンは現れなかった。

サイレンス
なぜなら彼らは知らなかったんだ、自分たちの計画がとっくに裏でジェストンに完璧に把握されていたことに。

サイレンス
そしてロビンが、とっくに彼らが通る逃げ道で彼らに立ちはだかっていたことに――


カフカ
ちょっと周りがごちゃごちゃしてるけど、とりあえずカフカたちの計画を一通り確認してみよう!

カフカ
今の状況を利用して、独房を清掃してる機に君が囚人と看守たちを倒してもらう……

アンソニー
ああ。

カフカ
そして監視室にいる看守たちが対応にあたふたしてる間に、カフカたちは直接頂上部に上って塔を下降するように起動して、ついでに刑務所の電源を切る。

カフカ
ドゥーマはもう地下でスタンバってるから、あとは彼女と合流して、そして一緒に掘っておいた地下通路に潜る。

カフカ
最後にミーナがカフカたちのためにちょろまかしてきた作業員の服に着替えて外に出れば晴れて自由の身だ。

アンソニー
ずっと疑問に思っているのですが、私の体格に合う作業員服はあるのですか?

カフカ
大丈夫だって、ドゥーマが君のために新しく縫ってあげたから。

カフカ
一着だと足りなかったら二着使って作ったんだよ、おかげで超ビッグサイズだよ。

カフカ
だからちゃんと彼女に感謝するんだぞ。

アンソニー
もちろんです。

看守
ぐはっ!

カフカ
ばいば~い!

アンソニー
楽しそうですね、カフカさん。

カフカ
へへ、こんなエキサイティングな脱獄イベント、楽しくて当然だし!

カフカ
でも……

アンソニー
そうだ、ロビンさんがまだ来ていませんが?

カフカ
……


看守A
今回の清掃も常連ばっかだから、もう言わなくてもわかるよな?

カフカ
へ~い。

A区囚人A
看守殿、俺たちの中にまたアンソニーの旦那を暗殺しようとする輩がいたらどうしますか?

看守A
バカか貴様は?

看守A
さっきのボディチェックを何だと思ってたんだ?

看守A
素手でアンソニーさんをやれるもんならやってみろ。

B区囚人B
へへ、なんだよアンソニーさんと一手交じろうってか、やるなら俺も呼んでくれよな、助けになってやるからよ。

A区囚人A
うるせぇ、てめぇの出る幕なんざねぇよ。

カフカ
……

カフカ
(おかしいぞ、ロビンがまだ来ていない?)

カフカ
ねぇ、A区の兄ちゃん、ロビンは?

A区囚人B
B区のヤツが俺に話しかけ……なんだ、カフカかよ。

A区囚人B
さあな、さっきもいなかったんだ、だから俺が彼女の代わりに来たんだよ。

カフカ
……

看守B
お喋りはそこまでだ。

看守B
A区の連中は彼に、B区の連中は俺についてこい。

カフカ
チッ、もう時間がない。

カフカ
ロビン、ごめんッ、恨むならこんな肝心な時に集合場所に来なかった自分を恨んでくれ。


アンソニー
……もうこの際、後戻りはできませんね。

アンソニー
今後彼女に会えた時にまた彼女に謝りましょう、行きましょう。

カフカ
うん。


カフカ
ここがメイン制御室かぁ……

カフカ
ゴホゴホッ、埃まみれじゃん!

アンソニー
……

アンソニー
危ない!

カフカ
え?

ロビン
……

カフカ
ロビン!?どうしてここに?

ロビン
予備のカードを持っていたから。

カフカ
予備?いつの間にそんなものを……

ロビン
……

B区囚人A
……

B区囚人B
……

アンソニー
下がってください。

アンソニー
……急いでいるんです、お喋りに付き合ってあげられません。

アンソニー
速戦即決で行きましょう。