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【明日方舟】サイドストーリー「画中人 WR-1 初醒」後半

ラヴァ
ラヴァ

これは……なんだ?感染生物か?

クルース
クルース

感染した痕跡は見た感じ発見できてないよ……それと生物にしても、こいつらを射抜いたとき、黒い水たまりになって消えたよ。

ラヴァ
ラヴァ

……なんかのアーツか?

クルース
クルース

おそらくそうかもね。

ラヴァ
ラヴァ

このままでは埒が明かない、数が多すぎる……出元を探し出さないと。

ラヴァ
ラヴァ

こいつらはどの方角から村に入ってきたんだ?

クルース
クルース

もう辺りがどんどん暗くなってきているよ、ラヴァちゃん。

ラヴァ
ラヴァ

……わかってる。

クルース
クルース

それでも追うの?

クルース
クルース

私たちがどうやってここに来たのかすらもわかっていないんだよ……状況が怪しすぎる、今は深追いしないほうがいいよ。

クルース
クルース

確かにこれは手掛かりにはなるかもだけど、今はそんな急がなくてもいいよ。

ラヴァ
ラヴァ

……

(ウユウが駆け寄ってくる足音)

ウユウ
ウユウ

お、恩人様方!

ラヴァ
ラヴァ

お前、なんでついてきたんだ……

ウユウ
ウユウ

何を言う!恩人様をほっぽりだすわけにはいかないだろ!

ラヴァ
ラヴァ

これが何なのかはわかるか?

ウユウ
ウユウ

み、見たことないね……それよりも足がプルプルしちゃって……

ラヴァ
ラヴァ

炎国の……特産とかじゃないんだよな?

ウユウ
ウユウ

そんなわけないさ!こんな怪しい姿をしたものがそこら中を跋扈していたら、とっくに全国のビッグニュースになってるよ!

ラヴァ
ラヴァ

……クルース、ウユウ、よく聞いてくれ。

ラヴァ
ラヴァ

アタシはあの茅屋の門を開いたあとのことは「完全に憶えていない」、気が付いたら、もうさっきの庭林でそのぉ……

ウユウ
ウユウ

煮傘居士。

ラヴァ
ラヴァ

そうだ、その煮傘居士の噺を聞いていた。自分がどうやってそこまで行ったのかなんてまったく記憶にないんだ。それと、ここがどこなのかもな。

クルース
クルース

それはみんな一緒だよ。

ウユウ
ウユウ

恩人様、その点についてならご心配なく、ここは泥翁鎮ではないのは確かだよ……

ウユウ
ウユウ

数年間村を尋ねてはいなかったから分からなかったが、ここの風土や生活風習はいささか古めかしいと思ったんだ、さっき通った道にも、電柱すらなかったよ!

ラヴァ
ラヴァ

面倒臭いことになったな……

クルース
クルース

なんか夢の中みたいだね。

ラヴァ
ラヴァ

……

クルース
クルース

……ラヴァちゃんが何を考えているかは分かってるよ、でも今は、ほかに方法もないんだから、お互いを信じるしかないよ。

ウユウ
ウユウ

へ?恩人様!どうか私のことも信じてくれ!私は決して恩義知らずな輩ではない!本当だから!

ラヴァ
ラヴァ

そういう意味じゃなくてでな……

ラヴァ
ラヴァ

……ただ目の前で起こってる状況を見てると、何もかもが怪しく思ってしまうんだ。

クルース
クルース

ウーちゃんを信じてないわけじゃないよ、ただ今は冷静になって色んな可能性について考えないといけないからね。

クルース
クルース

きっと何かの罠なんだろうね、じゃあ目の前にあるこれらが本物なのかどうかと言われれば……うまくは答えられないけど。

ウユウ
ウユウ

恩人様や、私は見た目が年若いから、洒落っ気な男だからとは言ってもね、あなたたちよりは年上なんだから私にも……

ラヴァ
ラヴァ

アーツの可能性は……あるな。しかしここまで展開するには難易度が高すぎる。何かの極地にでも至ったアーツなのか?それとも直接アタシらに幻覚を見せているのか……

ウユウ
ウユウ

恩人様のお二人はやはり奇異なお方だ、普通の人がこのような状況に立たされても、そんな瞬時にそこまで考えを巡らせられますまい……

ラヴァ
ラヴァ

「普通の人」ねぇ。

ラヴァ
ラヴァ

ここがどこだかは知らないが、地理状況があまりにも超常的すぎる……

ラヴァ
ラヴァ

太陽と月の位置が相対して固定されているし、家屋のほとんどは夜側に建てられている、畑と市場はその逆……しかし現地の人たちは慣れてるようにも見える、それにさっきのこいつらも……

ラヴァ
ラヴァ

情報が欲しい。多ければ多いほど早ければ早いほど。

(鐘の音)

ラヴァ
ラヴァ

鐘がまた鳴った……?

クルース
クルース

鐘の音が聞こえるのって大炎と東国だけの特有の現象だよね。

村人
ガサツな村人

鐘だ、鐘がなったぞ!みんな、もう平気だ!収まったぞ!

村人
用心深い村人

もうそんなに早く鳴ったのか?

村人
ガサツな村人

俺に言わせると、みんな一気呵成して、山まで行ってあいつらの根本を断つべきだ!いつもいつも面倒臭いこと起こしやがって、もうウンザリだ!

(講談師の足音)

講談師
講談師

そうカッカなさらずに、あまり人を困らせてはいけませんよ。

村人
ガサツな村人

ああ、先生……戻ってきたんですかい!

講談師
講談師

逸川、すぐにあの英雄のお三方を探しに行ってください、ぜひともお礼がしたい。この前はそのまま送り出してしまったがゆえ、今度こそしっかりとおもてなししてあげたいんです。

村人
ガサツな村人

わかりやした!

サガ
???

いやぁ~、やはり拙僧は鐘撞きの仕事が一番手に馴染む!もし住職様に拙僧がはるか遠い異郷でもこうしてせっせと勤勉を為していることを知れば、きっと大いに心を安らいでくれるだろう。

番頭
???

嵯峨さーん!

サガ
サガ

おお、番頭殿、なぜこちらへ?

番頭
番頭

鐘の音が聞こえたので、もう終わったのですか?

番頭
番頭

川さんから聞いたんですけど、遠くから来客が数名いらっしゃって村を助けてくださったとか、嵯峨さんはご存じですか?

サガ
サガ

まだ存じておらぬ、拙僧はずっと鐘の守り人をしていたゆえ。しかし拙僧の寺にあった鐘楼があれば、もっと遠くまで眺められただろうな。

サガ
サガ

そういえば、拙僧もここに来てしばらく日が経つが、あのような墨の魑魅魍魎共が跳梁跋扈してるところを見るのは初めてだ、なんたる奇遇かな?

番頭
番頭

ならぜひあなたにもその来客さんたちに会ってほしいんですよ。

サガ
サガ

ほう?

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