おーちゃん

主教雑種……この雑種風情が――主教使者よ！何をぼさっとしているんだ！？なぜ彼女たちを生かす？彼女たちを生かす価値などないはずだ！？主教彼女たちが私たちの同胞を虐殺した時に気づくべきだった、彼女たちとお前は決して同類ではない！主教お前は聖なる...

主教さあさ、どうぞこちらへ、ここに来ると分かっていたよ。スカジどうして？主教ふむ、どう説明したものか……スカジフッ。必要ないわ。主教君はどこに行こうがその箱を持ち歩いているのか、吟遊詩人殿？スカジそうよ。主教ならもう一つ質問を聞いてもいいだ...

アニータ今日はこれぐらい拾えば十分かな？私の分を除いて、ペトラお婆さんの分でしょ、バンコの分でしょ……アニータあ、あと詩人さんの分も残さないと、また戻ってきてくれるよね？彼女だけお腹を空かせるわけにもいかないもんね。アニータ残りは……まだた...

海岸にはすでに食べ物で埋め尽くされていた。人々の願いが海の応えを得たのだ。(男性住民達の足音)男性住民C……男性住民D鱗。男性住民C……殻。男性住民D食える。男性住民C食える。男性住民Dもっと、もっとだ……口を塞ぐほどに。男性住民C溢れた。...

女の子は素直に目を閉じ、手を放した。彼女の足に纏わりついていた力もすぐさま消え失せた。様々な細かい物が水に落ちる音も彼女の耳に届く。海面に触れる直前、彼女はとある力に引っ張り上げられ、地面へと落ちた。――顔から落ちたのだ。アニータゴホゴホゴ...

？？？果てが見えない……濃い霧が覆っている……光を放った霧が底なしの深部から昇っていき、全身を、彼女を包み込んだ。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、瞬時に、彼女は外界への一切の感覚を失った。彼女は目の前に何かがあるように感じた。それは海だった。彼女は...

静けさを取り戻した街道。重厚な箱は合わさり、再び吟遊詩人の手に戻った。歩くスカジ。一歩、二歩と。地面に堆積した残滓と凝固した体液が彼女の足元で急速に腐敗し、風化していった。三歩。潮風が彼女のスカートを翻し、地面に散りばめられた小さな結晶が舞...

スカジ……審問官長官！大審問官下がっていろ。ヤツはお前の相手ではない。審問官しかし……大審問官下がっていろ。審問官了解しました！スカジは目の前の人と十数メートルの間隔があり、お互い静止し睨み合っていた。スカジあなた、彼女より強いのね。大審問...

アニータあ、お帰り！ちょうど探しに行こうかと思ってたよ。アニータ身体に砂がついてるけど……もしかして海に行ったの？スカジええ。アニータ行かないほうがいいって言ったじゃん、全然聞き入れてくれないだもん。アニータはやくお家に入ろう、中のほうが暖...

司教自分を見てみろ、未だに彷徨い続けている、まるで大海に迷う魚ではないか。グレイディーア(一瞥する)司教私が彼女をどこに連れて行ったのかを知りたいのか。とても気になるのだね。我々の集会に、君が参加する資格はない、だが君の目が私に訴えかけてい...

スカジが意識を失った現地の住民たちに目をくれながら、地面に置いていた箱を引っ提げた。女性住民……こ、こんにちは。スカジん？まだ一人いたの。女性住民ま、待って……私は彼らとは違う。あなたが悪い人じゃないのも分かるから。スカジ私の話が通じるのね...